松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

乳がん、手術せずに治療できる人が選別可能に

 

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少し前に小林麻央さんが乳がんで亡くなりました。享年34歳だったそうです。夫である市川海老蔵氏と二人三脚の闘病生活をブログで報告し、多くのがん患者を勇気づけた話は多くのメディアで取り上げられていました。正直この手の話は、僕のテリトリー外なのですが・・・。凄いな医療の進歩だと思い記事にしてみました。

 

遺伝子特定4年後実用化へ 国立がん研究センター

乳がん患者のうち、外科手術をせずに治療できる人を選別できる遺伝子のマーカーが判明したことが今月の9日に分かったそうです。研究を進めてきたのは国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の向井博文医師らのチームの方々です。月内にも患者に対する臨床試験が開始されるようで、初期の乳がんは手術でがん細胞を摘出することが標準治療として奨励されていて、タイプによって摘出手術が回避できる治療法が確立すれば世界初の事例との事です。これが、広く全国で実施されれば同じ病気で悩まれている人たちに勇気と希望を与えるものとなります。

 

 

乳がんは4つのタイプに分けられる

乳がんは、がん細胞の特徴などから4つのタイプに分けられるそうです。このうち医師達チームが着目したのは、がん細胞にみられるタンパク質「HER2」が陽性で、かつホルモンが陰性のタイプのがんでした。このタイプの乳がん患者は患者全体の10〜15%を占めるそうです。

国立がん研究センター東病院の医師達は、別の臨床試験で同タイプの患者に対し、HER2陽性に効くとされる分子標的薬と抗がん剤などの投与を実施。手術で細胞を調べたところ、半数の患者でがんが完全に消失していたそうです。

がんが消えた理由を科学的に立証する過程で、人間が持つ全遺伝子約2万3千から関連する遺伝子「HSD17B4」を特定。この遺伝子が活性化していない人はがんが消失したことも突き止めたそうです。

 

 

9月から臨床実験が開始される

臨床試験では、この遺伝子をマーカーとして用い、手術が不要になる患者を特定するようで、今月から同病院など全国の医療機関30〜40カ所でステージ1〜3の乳がん患者200人を登録し、遺伝子検査を実施。分子標的薬などを3〜6カ月投与し、1カ月間の放射線治療を行うもよう。その後、がんが消えた人について、この遺伝子が活性化していたかどうかを調べ、マーカーによる選別の有効性を検証するとのことです。詳細は28日から横浜市で開かれる日本癌学会学術総会で発表される様なので、結果に期待したいと思います。

 

 

毎年約7万人が乳がんと診断される

日本では毎年、約7万人が新たに乳がんと診断されているそうです。研究のデータ通りならば年間3千〜5千人は手術不要になるとみられています。乳房の摘出手術を当然のことながら躊躇していた女性患者には朗報になる事でしょう。そして医師達チームは、4年後の実用化を目指しており、向井医師は「手法を応用すればほかのタイプの乳がんや別の部位のがんにも拡大していくことが可能になる」と話しています。

 

 

最後に

何れにせよ病は、発病した本人が一番苦しみ誰かに相談するまで悩み葛藤すると思います。「どうぞ、ただの気のせいであってほしい・・・。」と誰もが願う事です。これから新しい医療の進歩で救われる患者がどんどん増えればと、心から思います。

国立がん研究センター東病院(千葉県 柏市)