松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

リレーアタックは、絶対流行って欲しく無い

 

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コレが新たな車両窃盗のスタイル

 今やすっかり定着したスマートキー(暗号電波で車両との交信を行いドア開閉やエンジン始動を行う)盗難防止装置としての性能評価も高かったこのキーが、「リレーアタック」なる怪しい機会によって新たな窃盗スタイルが構築されつつあるそうです。おまけにこの「リレーアタック」という方法を使えば簡単に盗難防止装置を突破できるというから大変厄介です。約10秒ほどで、簡単に盗まれてしまうそうです。

 

 

窃盗のハイテク化は見つかりにくい

少ない情報からになりますが、もう少し詳しく書くと通常スマートキーは1mくらいしか飛ばない微弱な電波を常時出しています。そしてそのスマートキーを所持している状態でドアノブなどに触れるもしくは解除用のボタンを押すと、車両側から電波を発射しスマートキーと通信してドアロック解除するというシステムになっています。

 

まるで映画の世界「オーシャンズシリーズ」を見ている様

さらにこの電波の中には、暗号化されたデータが組み込まれている為、同じスマートキーでないと絶対に作動しないのです。しかしこの「リレーアタック」はこの特性を上手く利用して、車を盗みます。まず、最低二人一組のチームで行動に移します。スマートキーを持った人が、自分のクルマから離れると、一人目の犯人はスマートキーの1m以内に接近し、常時出ている微弱な電波を中継器でキャッチ。そいつを増幅し、車両の側にいるもう一人の犯人が持つ受信機に飛ばします。

当然スマートキーと同じ電波を出すので、ドアノブに触ればあっと言う間に施錠が解除できるのです。車両側はドアロックを解除すると、そのまま乗り込んでプシュボタン押せば、本物のスマートキーと判断しているためエンジンだって普通に掛かり、あっという間に窃盗完了です。ただ今のところ、電波そのものを記憶できないので仮にその場から離れたら止めない限りどこまでも走れますが、エンジン止めたら再始動出来なくなります。

 


Relay Attack Against PKE (Passive Keyless Entry ) System of Cars

 

発展途上の技術であっても完成は時間の問題

そしてこの手の技術的情報は、防犯の観点から情報操作され詳しい情報は殆ど出てこないそうです。その僅かな情報によると「リレーアタック」用の道具は、中国製の存在が大きくまた、驚くべきことに約20ドル(約2,000円)で売買され始めたそうです。以前、中国人の窃盗グループによる大量の車両盗難が発生した際、中国で「イモビカッター」という窃盗装置が流通していました。今回もどうやら同じような感じですね・・・。

 

まとめ

実際のところ、それを防ぐ方法はあるのか?になるのですが、現時点で考えられる唯一の防御方法は、スマートキーから微弱電波が漏れない様にする事です。例えば病院内などに携帯電話など持ち込む際に「電波遮断ポーチ」というのが販売されているそうです。電波の遮断か電池を抜くか、あとスマートキーにON&OFF機能があれば、バッチリなんですけどね。便利なものは、犯罪者にとっても便利なんですね・・・。とにかく、この「リレーアタック」が使い物にならない様な電子機器が一日も早く出来る事を祈りたいと思います。