松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

自転車でひき逃げしたら、自動車の免許停止に

 

f:id:rjmatsumura:20170831001939j:plain

原付が販売台数が最盛期の1/10になった今、それにとって代わって販売を伸ばしているのが自転車です。特に最近は、電動アシスト付のものが、かなり多く出回っているそうです。しかし法律上、自転車はれっきとした「車両」です。事故を起こした時の損害賠償は自動車事故の場合とまったく変わりません。
事故は被害者はもちろん加害者にとっても大きな不幸をもたらします。「自転車なんだから」と油断せず万一の事故に備えて保険等に入りましょう。

 

自転車で車両事故を起こすと代償が高くつきます。

自転車で歩行者とぶつかってけがを負わせたにもかかわらず、そのまま立ち去ったとして、某所在住のパート従業員の女性が8月上旬、公安委員会から自動車の運転免許停止処分(180日間)となった実際に起きた事件がありました。

情報によると、パート従業員の女性は今年1月、某所の路上を自転車で走行していたところ、歩行者の高齢女性とぶつかって転倒させて、脚の骨を折るなどの重傷を負わせた。しかし、そのまま立ち去ったとして、過失傷害と道交法違反の疑いで今年6月に書類送検されたのです。そしてすでに罰金刑が確定しているという事です。

最近では、自転車の交通事故で、自動車の免許停止となるケースがあります。今回のように、自転車の事故にもかかわらず、自動車の免許停止になるということに驚く人もいるかもしれない。どんな場合に免許停止となるのだろうか。弁護士さんに聞いてみました。

 

 

自転車で法令違反=自動車の免許停止処分を受けることも

f:id:rjmatsumura:20170831004233j:plain

では、どのような場合に「自動車」の免許が停止されるのか。そのルールは道路交通法103条に規定されています。この規定のうち、特に自転車の運転との関係で注意をしなければならないのは、1項8号です。103条1項8号には、「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき』と規定されており、これに該当する場合には、免許取消処分や免許停止処分をすることができるとされています」となります。

 

 

自動車についての法律で自転車が処罰される

f:id:rjmatsumura:20170831010317j:plain

確かにこの規定(103条1項8号)は、自転車の運転について、直接定めたものではありません。しかし、本文にあるように、自転車を運転してひき逃げをする人や、大量に飲酒して酩酊状態となっているのに自転車を運転するような人等は、交通ルールを守る意識を著しく欠いています。要するに自転車も道路交通法の『軽車両』に該当する為、道路交通法による規制を受けることになる様です。

 

 

交通ルールを軽視する人の為にある処罰かも

f:id:rjmatsumura:20170831010941j:plain

確かに、上記のような交通ルールを守る意識がない人は、自転車ではなく、例え自動車を運転中にも法令に違反する危険な行為に及ぶ可能性があり、自動車の運転を許すべきではないと考えられます。自転車で交通ルールを守らないのであれば、当然自動車でも危険な行為をするだろうと推測されるということかもしれません。

そして各都道府県公安委員会が、自転車運転中に法令に違反する行為をした人について交通ルールを守る意識が欠けており自動車でも同じように危険な運転をする可能性があると判断した場合には、法103条1項8号に該当するとして自動車の免許停止処分をすることがあるそうです。なので、自転車を運転する際も、交通ルールをしっかりと守り、安全運転を心がける事が必要です。

 

高額賠償への備えは大丈夫

賠償額(※) 事故の概要
9,266万円 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。

(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決)

6,779万円 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行して交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。

(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)

5,438万円 男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷で11日後に死亡。

(東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決)

  • (※)賠償額とは、判決文で加害者が支払いを命じられた金額です。(上記金額は概算額)

出典:日本損害保険協会HP

自転車事故をナメて掛かると上記の様に結構リアルなペナルティーを科せられます。法的処置も怖いですが、保証は、もっと怖いかもしれません。今のところ保険料も車ほど高くないので十分検討する価値があります。

 

 

最後に

僕の周りでも結構自転車事故のニュースが囁かれています。相手を怪我さすのも大変ですが、免許証の点数が無くなるのも、嫌な話ですよね・・・。