松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

知らない内に光海底ケーブルが世界中をつなぐ

 

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インターネットが、社会や生活において切っても切れない関係になって久しいですが、各家庭に引き込まれている回線が、光になったのはここ最近の事だと思います。なので僕は、光ケーブルの存在がこれから書かれる様な以前から存在していたとは、恥ずかしながら知りませんでした。そんな事でまた少しだけ調べてみたいと思います。

 

衛星中継”は今や昔!? 通信は宇宙から海底へ

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スポーツや最新ニュースなど、今や世界中の出来事をリアルタイムで観ることもできる時代になりました。海外からのニュースや選手へのインタビューをリアルタイムで観ていると、以前に比べて「タイムラグ」が少なくなったとふと感じます。 そしてその背景には、「光海底ケーブル」の普及があるのです。少し前までは、海の向こうの情報を受け取るには、人工衛星で電波を経由させる「衛星中継」が主流でした。

しかしこの方法では、タイムラグが発生してしまったり、雨や台風など天候によって映像や音声が乱れてしまうことがあったのです。しかし現在では、衛星中継に代わり、テレビ中継や国際電話の約99%を「光海底ケーブル」が占めています。その他にも、インターネットのストリーミング中継でスポーツの試合を観戦したり、その興奮を海外の友人たちとスマホのSNSで分かち合ったり、リアルタイムの通信が要求される金融取引などにも使われたりと、世界中の人々とリアルタイムでつながるなど、様々なインフラの1つが、光海底ケーブルなのです。

 

 

海底ケーブルの歴史は1854年から始まっていた

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海底ケーブルが世界で初めて敷設されたのは、日本ではまだ江戸時代の1850年。イギリスとフランスの間に敷設され、海を越えた通信が可能になりました。そして初の大西洋横断電信ケーブルの設置計画は1854年、カナダ東方のセントローレンス湾にあるニューファンドランド島とアイルランドに繋がれたそうです。その4年後、ホワイトハウスから送られた最初のメッセージは・・・「ローレンスへ、ホワイトハウスは5分間の信号を受信した。コイル信号微弱で中継できず。ゆっくり規則的に打電せよ。中間プーリを入れた。コイルで応答せよ・・・。」の様な感じだったそうです。ドラマの様な歴史的感動的瞬間、という訳にはいかなかったようです。因みに日本でも1872年には日本政府によって関門海峡に海底ケーブルが設置されています。そして1989年には日米間にもケーブルが開通しました。

 

 

富士山2つ分もの深い海底に敷設され、大量の情報を一瞬に送る

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光海底ケーブルは、様々な直径のものがあり、1円玉サイズのものからお好み焼きサイズのものまであります。敷設の時には漁礁やサンゴ礁などを避けるようなルートに敷かれています。日本海溝のような場所だと海底8,000メートルもの深さに敷設されることもあります。実に富士山の高さ約2つ分の深さです。光海底ケーブルの特徴は、一度に大量の情報を送受信できることです。1本の光ファイバーで何重もの通信をできるようにした光波長増幅技術で、衛星通信と比べると1000倍も多い情報を一瞬でやり取りが可能になるそうです。それに雨や台風など天候の影響を受けることも少なく、安定した通信を実現できます。現在、インターネットの急速な普及により、さらに膨大な量の通信インフラが求められ、世界的に光海底ケーブルの設置が続いています。

 

 

アジアでも広がり続ける日本の光海底ケーブル

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 現在、光海底ケーブルを敷設する動きはアジアにも広がっています。日本メーカーの富士通は2010年、インドネシアの5つの島々を結び、インターネットや電子商取引など暮らしと経済の発展に貢献しています。そして2013年2月19日には、シンガポールや香港などアジアの主要都市を接続する大容量光海底ケーブルシステムの建設を完了しています。

 

 

最後に

今や日常生活で当たり前になっているテレビ、電話、そしてインターネットは世界的規模での急激な普及により、世界中の出来事をリアルタイムで観て、知って、共有するのが普通にできる時代になりました。そしてそれを支えているのが、世界中に張り巡らされた光海底ケーブルだったんです。自分で言うのもなんですが、大変勉強になりました。

 

参考資料:FUJITSU JOURNAL /via:mentalfloss