松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

本当に厄介な低温やけどと本当の怖さ

 

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毎日寒い日が続く中布団の中には、湯たんぽや電気毛布など寝床を温かくして寝る人は、少なくないと思います。我が家も冬は必ず湯たんぽを使うのですが、昨年妻が足のふくらはぎに湯たんぽでやけどを負いました。いわゆる「低温やけど」というやつです。驚きなのは、治るのに半年以上かかりおまけに後は、しっかりあとが未だに残っています。もちろんやけど当日に皮膚科を受診し薬を処方してもらいこまめに薬を塗っていたのにです。それでも懲りずに寒さに負けてやけどを恐れず未だ湯たんぽを手放せずにいます・・・。僕は、仕事がら普通のやけどはちょくちょくしますが、半年以上完治にかかる事はありません。妻が、医者に聞いたところによると「普通のやけどと違いやけどした部分を腐らせているから治り難い・・・。」とか言ってたそうです。それを聞くと恐るべし低温やけどですね・・・。

 

意外に多い低温やけどの被害

そんな中12月6日に、消費者庁より「湯たんぽによる低温やけど」に関する注意が発表されています。消費者庁は、「就寝時は布団に入れたままにせず、温まったら取り出すこと」を勧めているそうですが、実際には湯たんぽ利用者は朝まで布団に入れている人が、殆どだと考えられます。しかも、一般的認識として「低温やけど」というと、「軽度のやけど」と思われがちです。しかし妻のやけどの様に実は普通のやけどより重症化しやすいのです。そもそも低温やけどとは、40度から60度くらいの、比較的低温で受けるやけどのことをいいます。40度で約6時間、44度で2時間、50度では2~3分で低温火傷を生ずるといわれていますが、その人の体質、部位、熱源が何であるかなどによって時間は異なります。人間の皮膚温は36度程度。そのため、たとえ40度でも長時間さらされれば、皮膚のタンパク質が熱変性して壊死するそうです。そしてそれが「低温やけど」なのです。

 

重症化しやすく、気づきにくい「低温やけど」

低温やけどは、普通のやけどよりも重症化しやすい訳は、時間をかけて深い部分まで熱が到達しているためです。深い部分の壊死がはじめに起こり、その後表面の皮膚が壊死していくという順序になります。そのため、はじめはやや赤くなる程度であったものでも、数日後に皮膚が黒く死んで、深いところまで穴があいたように崩れていく、という経過をたどります。じわじわ時間をかけて深部まで熱が到達する低温やけどの場合、治療には一カ月近く要したり、あとが残ったりすることが非常に多いそうです。低温やけどの場合、重症化しやすいことに加えて厄介な点は、意外と気づきにくいこともあるのです。最初は痛みも少ないため、気づかない人も多いといいます。

 

 

ダイエット器具からスマホに至るまで低温やけどのリスクがある

低温やけどの原因として多いものは、湯たんぽ、電気あんか、使い捨てカイロ、こたつなどの温熱器具があります。他にもファンヒーターの前で寝てしまったという例も多いそうです。また、トイレの便座(高齢者で知覚が低下している人)、ダイエット器具(電極を当てて電気を流し、温度を上げたり筋肉を動かすもの)、スマホなどの被害報告も上がっているそうです。

低温やけどを起こす条件とは
  • 血行不良(足など血行が悪い部分。皮膚に受けた熱は血液で分散していくが、血行が悪いとその機能が働かず熱がこもる)
  • 骨の付近(血行が悪い部分が多く熱がこもりやすい)
  • 高齢者、糖尿病患者(知覚がにぶく、熱さを感じない。血行も悪い)
  • 温度が高くなる環境(ホッカイロを貼って毛布をかけて寝る、ホッカイロを貼って電車のヒーターの上にすわるなど)
  • 圧迫(ホッカイロの上からガードル、電気あんかに足をのせて上から布団をかけるなど)
  • 爆睡、泥酔(酔って帰宅してヒーターの前で寝たという例は多い)

あんかや湯たんぽの場合は、毛布やふとんをかけて熱がこもる、足に当てるため血行が悪い、圧迫も受けるのでさらに血行が悪い、という条件が重なるため、低温やけどをよく起こします。 そのため、湯たんぽは、体から離して絶対に触れない位置におくか、寝るときはふとんから出したほうが良いでしょう。

 

 

冷やす・消毒はNG!

低温やけどに気づいたら、まず冷やさないことです。普通のやけどは冷やしますが、低温やけどの場合、冷やしてはいけません。なぜなら余計に血行が悪くなるからです。消毒もだめです。また、低温やけどは、赤みが出るだけのものは軽症のため、ワセリンを塗って保護するくらいで良いそうですが、「水疱が出る」「真ん中が黒くなってくる」などの場合は、自分では治せないことが多いため、皮膚科を受診する必要があるでしょう。まさに妻がこの症状でしたね。

 

 

最後に

やけどの深さや部位によって、さまざまな治療をしますが、一般的には壊死した皮膚を取り除き、皮膚の再生を早める薬を塗るなどします。ふさがるまで時間がかかるので、その間、化膿しないように細心の注意を払う必要があります。言葉のニュアンスだけで、軽く考えがちですが、重症化しやすく、治療に時間がかかり、あとが残りやすい「低温やけど」。寒い気持ちは分かりますが、とにかく十分注意することです。そして、もし、やけどを負ってしまった場合には、早めの受診で適切な処置を受けましょう。