松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

突然親が倒れた時は何がどうなるのか

 

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この間、介護関係をしておられるお客様が来られた時、雑談の中でこんな話をしていました。「今、私達介護関係の仕事で問題になっている事があります。皆さんはあまり問題視されていませんが、『35年問題』と言うのがあってこれから結構大変なんですよ・・・。」と言ってました。その時は、深く追求せず聞き流していましたが、少し気になったので調べて見ることにしました。そもそも日本が高齢化の問題を抱えているのは何となく分かっていましたが、具体的には調べた事もなくそれこそニュースで見聞きする程度でした・・・。

 

日本はもうすぐ高齢者だらけになるかも

簡単に説明すると、日本の世帯総数は来年の2019年をピークに減少がはじまっていきます。そして2035年までに全世帯主に占める65歳以上の世帯主の割合は約4割になり、世帯主が65歳以上の世帯のうち単独世帯は2010年から数えるとなんと1.53倍になるとされているそうです。高齢者の単身世帯の増加がいよいよ現実とものとなり、高齢者を社会全体で支える取り組みが待ったなしであることが明らかになったという事ですね。そして今現在介護に関わっている人達が、介護される側にまわるという事なのです。そうなるとどんどん介護要員を増やさないと、とんでもない事になる訳です・・・。

 

いよいよ超高齢化社会へ突入

それにしても超高齢化社会の到来がいわれ始め久しくなりますが、現在40代、50代の人で、若い頃から親の介護という事態を想定していた人はそうはいないと思います。ちなみに僕の母親は、脳梗塞を50代前半で発症しその後約20年間亡くなるまで、ほぼ寝たきりでした。なので一緒に生活をしていた父は、相当大変だったと思います。

 

そして僕が思うに多くの方は恐らく「田舎の親、大丈夫かな?」と心配するものの、本人が「大丈夫だから」と言われるままに甘んじているケースが多いのではないでしょうか。ところがある日、実家近くの警察署から、「認知症で親御(おやご)さんが外出先から自宅に戻れなくなった・・・。」という電話があり大急ぎで実家に戻るなど話的には無いとはいえませんね・・・。

 

 

側に居てあげられない家庭の事情

最初から親と同居していた人であれば、認知症が徐々に進むとおのずと気が付くので、症状の進行によるトラブルは少ないでしょうが、いずれにしても突然介護が必要になると、まず気になるのは、やはりお金の問題だと思います。ただ、実際には介護保険制度がありますから、在宅介護であれば、それほどお金は掛からないようです。通常だと月々5万円くらいで済むそうです。

 

それでも介護保険の財源が厳しいので現在は制度が改正され、当初は1割で済んでいた利用者負担が、年金収入や合計所得が多い方については2割になっているようです。それでも上限があり、3万8000円くらいに抑えられているようですけどね・・・。ほかにも、おむつ代や様々な雑費等が発生したとしても、総額5万円程度という金額が妥当でしょう。

 

 

予定外の出費が生活のリズムを狂わす

しかしながら在宅介護ではなく、施設介護を選択するとなると、金額が大きく変わってきます。一般的には、サービス付き住宅という老人ホームと在宅介護の中間に位置するような施設も存在しますが、家賃や食費込みで18万円から20万円と言うのが多く、年間200万円はかかるので、家計的にゆとりの無い家庭は、かなり厳しくなると考えられます。

 

特別養護老人ホームなどの介護保険施設は、国からの補助金もあって費用が安く抑えられているのか、大変人気があるそうです。しかし、どこでも入居は200人、300人待ちだそうです。但し、要介護3以上でなければ入居ができないことが明文化されました。そうなると、有料老人ホームへの入居も考えなくてはいけません。ただし、その多くは月額の費用が30万円程度かかる高額の施設なのです。なかには月額20万円を切る施設もあるようですが、当然サービスの質は下がります。

 

 

介護の為、離職に追い込まれることも

例えば、不動産など資産を売却して有料老人ホームの入居費用にあてる人もいますが、正直なかなか希望額では売れないのが現状です。また介護される本人も、施設に入るより長年住み慣れたわが家での生活を希望する人が多いでしょう。そうなると必然的に在宅での介護を選ぶようになるのです。なので結果として、面倒を見る息子や娘が、勤めていた会社を辞めざるをえない「介護離職」に追い込まれる人も少なくないのが現状です・・・。それと厄介な事に帰郷しても仕事が見つからず、それまでの年収を失ったうえで、親の年金で親子が生活したり、生活保護費でまかなっている人も珍しくないそうです。だからと言って、在宅介護が必ずうまくいくとも限りません。もともと別居していたのが、介護が必要になって同居する訳ですから、意見が対立することも当然懸念されるでしょう・・・。

 

 

最後に

心配なのは、介護が原因で大きな事件にならないかです。介護を背負わされ、こんなはずじゃなかったという気持ちを、奥さんや子供達が親御(おやご)さんの方に向けてしまい、暴力をふるったり、暴言を吐いてしまうという事例も起きていて、市役所や区役所が間に入るケースもあるそうです。国も財源の問題もあると思いますが、何とか介護する側が負担を少なくする法案を出して頂きたいものですね・・・。

参考資料:株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ