松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

間違った筋トレで何時になっても体形が変わらない

 

f:id:rjmatsumura:20180108163204j:plain

毎年のように、新年を迎えて心機一転何かを始めようと思った時、体を鍛えることを考える人も多いと思います。そこで厚生労働省委託「健康意識に関する調査」によると、日本人の約半数が体力の衰えに不安を感じているという結果が出ているそうです。そもそも筋肉は30代に入ると毎年1%ずつ減ると言われています。それに体脂肪率を測るまでもなく体形は確実に崩れていくのです。それでも運動のための数時間がつくれないとなると、必然的に、自宅で、短時間でできることに絞られます。そして筋トレの時間効率のよさが際立ちます。そこで今回は体形が維持できるかもしれない話題について考えてみたいと思います。

 

筋トレは筋肉を大きくするものでしかない

まず、最初に基本的な体の仕組みから説明しましょう。筋肉はつねに体内で合成され、逆に分解もされています。合成の勝る人は筋肉がつき、分解の勝る人はつきません。そのバランスが今の体形なのです。これを変えて筋肉をつけ脂肪を減らすには適切なトレーニングと、適切な栄養それに休息が必要なのです。トレーニングをすると、まず脳はいつもより「力を出した」「伸ばされた」「疲れた」などの情報を受け取ります。その「刺激」に体がどう反応するかはトレーニングの強度次第です。対応できそうな強度なら体は一致団結し、同じような刺激を受けても対処できるよう筋肉を変化させ始めます。

  • いつもより力を出す → 力が必要なので筋線維を太くする
  • いつもより伸ばす → 長さが必要なので筋肉の柔軟性を増す
  • いつもより疲れる → スタミナが必要なのでエネルギー産生を高める

トレーニングで体を変えるには、このように「自分がどうなりたいか」を踏まえて適切に刺激をし、反応を引き出すことが必要なのです。

 

 

使いすぎると壊れてしまい使わなさ過ぎると衰えてしまう

f:id:rjmatsumura:20180108163232j:plain

激しすぎるトレーニングで強烈な刺激を受けると、筋肉はそれ以上破壊されないために硬くなります。そして炎症を起こすなどして修復に特化する状態に。これは打撲や肉離れといったケガに近い状態と言えるでしょう。楽すぎたら何も起きませんし、刺激がなければ衰える一方になります。つまり「ギリギリなんとか体が対応できる」ところを狙って刺激するのが、効率よく筋肉をつける前提条件なのです。昔から腹筋でも腕立て伏せでも最後の回数プラス1回が効くと言われていました。

とにかく筋線維を太くすると体に決断させられたら、筋肥大に役立つホルモンが分泌されたり、筋肉周辺に存在するサテライト細胞が筋肉に融合したりします。それらの作用で運動後48時間は、筋肉を合成する体内システムが強く作動するのです。そしてこのタイミングで、十分な栄養が筋肉に供給され適切な休息をとれると、筋線維は確実に太く大きくなっていきます。

 

 

材料不足では筋肉がつくことはない

f:id:rjmatsumura:20180108163255j:plain

筋肉は、鍛えただけでは大きくはなりません。トレーニングは筋線維を太くすると体に決断させるシグナルを送ります。そのタイミングで、筋たんぱくの合成を促すホルモンと筋肉の材料となる栄養素が届いて初めて大きくなり始めるのです。必要とされる材料の大部分は、よく知られているたんぱく質が分解されてできるアミノ酸です。それに微量のビタミンやミネラルが使われます。遺伝子という設計図を基に、アミノ酸という大量の木材や鉄骨と、ビタミンやミネラルという釘やネジを使って、筋肉というビルを建てるわけです。

 

 

改善の無い原因は材料不足を疑ってみる

f:id:rjmatsumura:20180108163319j:plain

もし同じ動きが続けられなくなるまでトレーニングをして追い込んでも筋肉がつかないとしたら「材料」不足を疑ってみましょう。本格的にトレーニングをする人なら、筋肉の「材料」となるたんぱく質の1日の必要量は体重×2グラム程度です。体重70キログラムの人なら140グラムとなり、これは日本人の推定摂取量の倍近くになります。かなり意識的に摂らないかぎり、確実に「材料」不足になります。仮にたんぱく質摂取量が不足すると、トレーニングで消費したエネルギーを補填するために筋肉が分解されるという残念な状態に陥るのです。

 

 

3時間に1回のペースで良質な材料を摂る

f:id:rjmatsumura:20180108163345j:plain

たんぱく質が消化・吸収されアミノ酸として血液に乗るまでの時間を考えると、3時間に1回のペースで良質なタンパク源である肉や魚、卵などを食べるのが理想です。そうすると筋肉の材料が血液中につねにある状態をキープでき、それによって筋肉の分解は抑えられるのです。ただ、これを一般の人が実践するのは難しいと思います。なので市販のプロテインパウダーを使ったり、コンビニでゆで卵やサラダチキンなどのたんぱく源で補うのもひとつの方法です。1回の食事の量を少し控えめにし、食事と食事の間が空いたタイミングで取るようにするのがベストですね。

 

 

アミノ酸の血中濃度をキープできれば、トレーニング中から筋線維の合成が進むため筋肥大にも効率的です。吸収のいいプロテインパウダーなら1時間後、BCAA(分岐鎖アミノ酸)ならさらに早くアミノ酸を血液に供給できてしまいます。筋肉を拡大して見ると、周囲に毛細血管が広がっていることがわかります。毛細血管は、簡単に言うと全身の細胞に栄養素や酸素を供給し老廃物や二酸化炭素を回収し続ける「物流機能」を担うものです。トレーニングで生み出された筋肥大に役立つホルモンを、筋肉の材料とともに速やかに筋線維に届けてくれるのです。

 

 

水分不足こそが諸悪の根源

f:id:rjmatsumura:20180108163416j:plain

運動習慣のない人は、毛細血管が閉じてしまいますが、運動習慣がつくと開通し数も増えていきます。血液という荷物がひんぱんに運ばれるようになると、新たな配送ルートをつくるわけなのです。このルートは繊細で、喫煙するとキュッと締まったりストレスにも弱いのです。また肥満により血管内にコレステロールが付着しても狭まってしまいます。したがって物流に大きなダメージを与えてしまうのです。仮にルートができても、それぞれの筋線維に手渡す手段がなければ筋肉は大きくなりません。ここを一手に担うのが水です。筋肉=たんぱく質とイメージする人は多いと思いますが、筋肉の中で力を発揮するたんぱく質の割合は意外や意外わずか10%なのです。そして75%程度は水で、残りはミトコンドリアなどの酵素たんぱく質や脂肪などで構成されています。焼肉でも、焼けば焼くほど肉は小さくなりますが、あれはたっぷり含まれた水が蒸発するのが、この話からも容易に伺えます・・・。

 

したがって水分不足は悪いことしか起こしません。筋肉の材料が届かなくなるだけでなく、水分を介して体内で起きる、さまざまな化学反応が抑制され代謝が悪くなります。そうすると力は出なくなるし筋線維の合成も進まないのです。さらに筋肉の質量自体も減ってしまいます。なかには毎日6リットルの水を飲む競技者もいるそうです。実際一般のトレーニーでもこまめに水を飲み、毎日2リットルは飲むという人が多いのは、そのためなのです。発達した毛細血管と、多量の水。これがそろって初めて、筋肉を増やすための「体内インフラ」が整ったと言えるのです。

 

 

筋トレから得られる色々なメリット

f:id:rjmatsumura:20180108163441j:plain

筋トレが体に起こす変化は、筋肉を大きくするだけにとどまりません。筋肉を動かすと血流が増え、その繰り返しは全身の代謝を活発にします。血液を送り出す心臓や酸素を取り入れる肺も鍛えられ、日を追うごとに持久力は向上します。さらに胃や腸も活性化するため消化・吸収機能が高まるのです。それに意外かもしれませんが、脳も活性化します。強く、速く動作する、精密に動作するのです。これらは大脳を使わなければできません。気づいていなかった体の使い方や新たな感覚の芽生えに気づくとき、脳は興奮し活性化しているのです。

 

 

最後に

こうして大脳の視床下部が刺激されると、さまざまなホルモン、特に男性ホルモン(テストステロン)やアドレナリン、成長ホルモンの分泌がさかんに。これらは意欲をもたらし気持ちを前向きにするため、活力や性欲の維持にも深く関与します。私たちの活力を奪う、 加齢によるホルモン分泌能力の低下を食い止めるというわけなのです。このように筋肉を強くすることは、さまざまな器官を強くします。しかも知識と技術を駆使すれば、毎日数分でも体を変えることは可能なので、今年こそは是非筋トレにトライしてみるのはどうでしょう。