松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

何故4Kテレビで4K放送が見られないのか

 

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我が家は、今のところ4Kテレビではありません。しかし次にテレビが壊れた時には、迷わず4Kテレビを買おうと心に決めています。ただ、実際4Kで見られるテレビ番組は、どれだけあるのかふと疑問に思う時があります・・・。僕が思うに恐らく2020年の東京オリンピックまでには、各局で殆どが4K番組を扱っている様な気がします。因みにこんな話を大手家電量販店の店員か言ってたそうです・・・。今まで4Kテレビを買ったお客様から、4K放送を見たいという声はほとんどなかったそうです。そして放送が始まっても、チューナーを買ってまで視聴するという事にはならないとか・・・。どういう事かいまいちよく分からないのでもう少し掘り下げる事にしました。

 

ハイビジョンを遥かにしのぐ映像クォリティー

新4K8K衛星放送の開始まで4カ月を切ったそうです。正確には2018年12月1日から、新4K8K衛星放送が始まるそうです。4Kは現行のフルハイビジョンの4倍の画素数があり、高精細かつ臨場感のある映像が実現できるのです。現在、4KコンテンツはCSの一部やケーブルテレビでのみ放送されていて、ネット動画配信サービスでも視聴できるようですが、12月から新たにBS・110度CSで放送が始まり、僕たち視聴者にとってかなり身近な存在になります。そしてテレビ業界的でも2011年の地上デジタル放送移行並みの一大イベントでしょうね・・・。

 

4K放送開始の認知度が少なすぎにビックリ

問題は、4K放送を視聴するには店頭で販売されている4K対応テレビを購入するだけでは視聴することができないのです。実際には専用チューナーが必要になるケースが大半だと予想されます。去年あたりから、複数のメディアの懸念をよそに、いまだに多くの国民がこの事実を知らないようです。5月に放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が公表したウェブ調査(5000人が対象、2月実施)は驚きの結果となったのです。問題の4K放送の視聴に際し、テレビに加えてチューナーが必要なことを知っていたのはわずか13.0%、4Kテレビ所有者でも34.8%にとどまっていたそうです。このままでは、4Kテレビを買ったのに、4K放送が見られない・・・。という事態が続出するに違いないでしょう。そもそも、2018年に4K放送が始まることを知っていたのも12.2%とお話にならない低水準だったのです。

 

大急ぎで宣伝をはじめる総務省

昨年来、総務省はチューナーの必要性が知られていない事に対し、周知・広報の強化に乗り出しているようです。視聴方法などを示したリーフレットの刷新に加え、テレビの価格表示の周辺に説明書きのポップを掲示することや、カタログや取扱説明書に注意書きを加えることなどを要請して、量販店やメーカー各社との連携を進めているようです。しかしながら、大型家電量販店でさえではポップの掲示には消極的なようです。もちろん中には、積極的に取り組む中堅の店舗もあるようですが、まだまだ足並みはそろっていないようですね・・・。

 

何故か慎重姿勢をとる各家電メーカー

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とはいえ、ひとえに量販店に責任があるとも言えません。そもそも売り場で製品のマイナス面を大々的にアピールする訳にも行きませんからね・・・。4Kテレビには液晶と有機ELがあり、多数のモデルが売り場に並んでいます。限られた時間で顧客のニーズを聞き出し、製品を選び、特徴から注意事項まですべてを説明するのはたっぷりじかんがないと結構難しいかもしれません。さらにいえば、そもそも大半の顧客が4K放送について知らない為、視聴方法を聞かれること自体が多くないようですね。気になるメーカー側ですが現実問題として、現行の機種で4K放送が見られるのは、6月に東芝映像ソリューションが発売したチューナー内蔵型の4K液晶レグザしかないようです。

ほかの大手メーカーはチューナー内蔵テレビの発売時期を現段階では、明らかにしていないようです。各社のスタンスとしては

SONY:「検討中」

Panasonic:「検討しており、タイミングを見て発売」

SHARP:「検討しているが詳細は未定」

といった回答だったそうです。

このままの調子だと放送開始の12月までに、各社のテレビが出そろわない可能性も出てくるような気がします。そして、各社がチューナー内蔵テレビの発売に慎重なのは、4K放送に対する認知度が低いため、より高価格になってしまう内蔵テレビのニーズを見極めたいという思惑があるからだと考えられます。製品が先行していないことは単純に4K放送の知名度が低いに尽きるといえるでしょう

 

チューナーの準備は地味に進む

一方で、チューナーについては、パナソニックは10月中旬に、シャープは11月下旬に、東芝映像ソリューションは今年秋に、ソニーは今年中に発売予定と公表しているようです。どうやらチューナーの発売が放送開始に間に合わない、という最悪の事態は避けられそうです。量販店やメーカーの事情に加えて、4K放送は、そもそも多くの視聴者を抱える地上波とほぼ無縁であることです。地デジ化の時のように、従来のテレビが見られなくなる訳では無い事が大きいでしょう。

 

テレビを見る者に求められる知識

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今後は4K放送でどんな番組が放送されるかがポイントでしょう。秋頃には各局の放送内容が明かされる見通しで、視聴者の関心を引きつけられるかが勝負になるようです。民放も地デジ移行の時と同様、普及に必要なのは放送局がどんなコンテンツをそろえられるかが気になるところでしょう・・・。そしてこうした動きに合わせ、A-PABは動画やテレビCMの放送、イベントなどに力を入れて行くでしょう。また、イベントではIT見本市の「CEATEC JAPAN 2018」(10月)や映像・通信の展示会「Iner BEE」(11月)などに出展するそうです。そのほかにも、総務省と連携した展示や地方の民放局、NHKと協力したイベントなどで一気に4Kに対する理解を広める考えのようです。

 

最後に

現在、4Kテレビ購入を検討している人は、自分が見たいコンテンツが見られるのか、本当にニーズに合っているのか、機能や仕様をよく確認してから購入する方がいいでしょう。それでなくても高い買い物ですからね・・・。