松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

退職金に潜む落とし穴に要注意

 

 

自分が将来おくる老後の未来予想図について、出来れば避けたいのが貧しい生活を送る老人になる事です・・・。実際にその歳になった時、仮に貧しくても案外「心が豊かであればそれで十分だ・・・。」なんて、悟りを開いたように思うのかも知れませんが、今の段階では、確実に避けたいのが正直なところです。僕が思うに恐らく殆どの老人予備軍の人達は、老後、みじめな生活を送りたくないので、貯蓄を増やす工夫をしたり、今からどのように家計管理をしていったらよいのかストイックに考えている人も多いと思います。しかしそんな不安とやる気の割に、日常生活での支出を抑える段階になると、今は、チョッと無理かも・・・。とか、別に贅沢はしてる訳じゃないんですけどね~・・・。もしくは、これでもう精一杯、これ以上は切り詰めたら死にます・・・。と話が進まないのが実際のところではないのでしょうか・・・。

 

苦しい老後を回避する退職金の扱い方

 とにかく、みじめにならないような暮らしを実現する為に、必要な資金を計算して、今からでもそのための貯蓄を始めるのもひとつの方法です。たとえば、再雇用で収入を確保したり、アルバイトやパートに出て働くことも可能なら是非やってみるべきでしょう。また、支出も今までと同じ考えは捨て新たに見直していきましょう。

しかし、ここで少し気になる問題があります。働く事はさておき、支出を削ることが即ち消費を我慢する=不満・・・。もしくは、そこまで我慢しなくてはならないのか・・・。となるようでは、この作戦は成功しません。かと言って、自分の望む人生をベースに理想を思い描き、ろくにお金も貯めず退職金をあてにして貯蓄を軽視してよいと言う事は絶対に避けなくてはなりません。ダメな考えの代表として下の例が考えられます。 

  • お金を使えない事が=貧乏で世間的に、恥ずかしい
  • 思うようにお金が使えないで我慢することが、出来ない
  • 単純に自分の満足は、だいたいお金で得られる

 

年齢と共に正しい決断力も劣る

 人にもよりますが、年を追うごとにテレビに依存する時間が増え、気が付くと大いに感化され、自分が今本当に必要なものを見極められなくなるのです。流行やマスコミの影響を受け易く、さして必要なものでもないものも欲しくなってしまうのです。手に入れる時には、恐らく絶対にこれが必要だ!と思い込んでいるので、当然自分は、必要なものしか買っていない・・・。と思っているのです。その為、不要な支出の物があっても気付く事ができないのです。それでも本人の中では、贅沢をしていないのに、なぜかお金が貯まらない・・・。と本気で嘆くのです。なので、間違っても同じような考え方にはならない様に注意しましょう。もし、このような傾向の考え方になる人がいれば、ほぼ確実にみじめな老後が終着駅となる片道切符を手に入れた事になるでしょう。

 

退職金をご褒美だと解釈するご落とし穴

 リタイア後の生活は、公的年金だけでは不足しがちで、多くの人が貯蓄の取り崩し生活になるでしょう。そもそも多くの方が誤解しているようですが、会社員がもらう退職金は、その取り崩し生活の大事な資金であり、決して人生のご褒美なのではありません。勿論そうであってほしいという願望である事も理解できます。しかし、この退職金に手を付ける前にもう一度踏みとどまり考える必要があるのです。なぜなら、その考えこそが、落とし穴だと言えるからです。

 

長生きする事を計算に入れて考える

 あくまでもそれなりの会社に勤め退職金がもらえる人の場合ですが、厚生労働省の調べによると、会社員の定年退職金の平均は大学卒で1941万円だそうです。仮に60歳で退職金をもらい、そこから男性の平均寿命である80歳までの20年間、取り崩すとしたら毎月約8万円となります。公的年金は、会社員のもらえる厚生年金の平均が月約14万円だそうです。そして国民年金が月約6.5万円・・・。会社員の夫に専業主婦の妻という夫婦の場合、年金の合計は月約20.5万円となります。となると公的年金では生活費が足りないという場合、不足を補うために退職金はある、と考えたほうが良いのではないでしょうか。

 

手にすると必然的に気が大きくなってしまう

 しかしながら、多くの人は、約2000万円というまとまった額の退職金を手にすると、気持ちが高揚して「ランナーズ ハイ」ならぬ「退職金 ハイ」になるようです。僕もなってみたいもんです。そして、少しは自分や家族をねぎらって、プチ贅沢をしても罰はあたらないだろうと豪華な旅行に行ったり、前々から欲しかったものを買ってしまったりと、後先考えずパーっと使ってしまうのです・・・。前述したように、20年間の取り崩し金額を考えたら、とても、一度にパーっとなんて使えるお金でないことは明らなんですけどね・・・。とにかく注意すべきタイプは、お金を自由に使える自分に満足する傾向の人です。たとえば、住宅ローンもこの際だから、一気に返してしまおうと、後先考えずに行動に移してしまう人もいるでしょう。そうなると最悪です。退職金のほとんどを住宅ローンの返済に使ってしまったそのあとですが、 年金生活が始まるころには、退職金は手元に残っておらず、老後のお金が無くなり枯渇する・・・。という事態に陥ることになりかねません。

 

最後に

万が一、年金生活でお金が足らなくなった時に、働いて補うという方法をとったとして、 80歳でまだ働きますか?ひょっとして90歳になっても働きます?そもそも働けなくなったらどうなるのでしょう。 最終手段は、返す当てのないお金を借りる? 今どきのカードローンで借りるとしたら金利は恐ろしく高く結果的に 住宅ローンよりもずっと高くついたりして本末転倒になりかねません・・・。80歳、90歳になっても働くのは、好きな人は別としてそうでない人は、結果みじめな老後と解釈せざるおえません。なので退職金のある人は、無い人の分まで大切に使いましょう。