松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

起業を試みるも失敗してしまう訳

 

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 どの企業でも、将来の事で不安を感じている会社員は、それなりに沢山いると思います。特にこれからの世の中は、年金だけでは、まともに暮らせなくなる様な危機感があります・・・。そうなると将来豊かで安定した老後を迎えるためには何歳になってもお金を稼ぎだす力が必要となります。その場合、独立して事業を始めるいわゆる「起業」も有力な選択肢の一つでしょう。そこで今回は、あえて定年後に始める起業の考え方について調べてみました。

 

その気になれば起業に年齢制限は無い

 そもそも起業というのは決して難しいことではないのです。それに正直年齢も関係ありません。その気になれば、シニア世代であろうと、学生だろうと起業のチャンスはいくらでも転がっています。しかしながら、シニアが起業する場合に限っては、いくつか注意しなければならない点があります。

 

起業はなるべくこじんまり創める

 まず、定年後の起業で大事な事は、複数の他人が絡んだ仕事をしない事が成功の秘訣です。とりあえず自分ひとりでできる。あるいは家族や自分の親しい友人+1人を加えればできる・・・。という仕事に絞る必要があります。これは資金的にもそうですし、また借金をしてまでやってはいけないからです。あくまでも自己資金の範囲で創める事が最小限のリスクで成功の鍵を握る事になります・・・。

 

関わりが増えるとリスクも増える

 たとえば、地元の食材を使ったレストランを始めるとします。そうすると、その食材を優先的に卸してくれる業者さんと契約する必要があります。それに実際この業者さんが、一定のレベル、一定の量の食材を卸し続けてくれるかどうかが問題になります。複数の他人が介在するとはそういうことなのです・・・。そしてここにひとつのリスクが発生するのです。要するに関わった人間の数だけ、リスクが大きくなることになります。また、仮に成功を収めたとしても、大手企業が参入してきてやり方を真似られたら、企業体力の差で、たちまち太刀打ちできなくなってしまいます。

 

自身の体力を自覚する

 それと体力の問題もあります。20~30代なら、徹夜もいとわないでしょう。例え何日か寝ずに働いたとしても、何とかなるもんです。とにかく若いパワーがあれば、会社に泊まり込んで24時間働いていたところで、自分の会社だと思うと乗り切れたりするもんです。しかし、これはあくまでも若い世代だから可能であり、60代ともなるとそうは簡単にいきません。同じように働いたら、確実に体を壊して病院に一直線です。自分は1日何時間働けるのか。12時間なのか、それとも8時間なのか、無理しないで働くことができる時間を自分で確認しておきましょう。そしてそれが分かれば、維持できるよう健康にも注意を配りましょう。

 

スキルも無いのにいきなり始めない

 会社をゼロから立ち上げようとするのも、避けたほうがよいでしょう。可能性があるとしたら、自分自身が今の常識でもあるIT技術に精通している場合のみで、スマホやフリーミアム(基本的な機能は無料で使え、さらに高度な機能などを利用する際に課金される製品やサービス)のツールを駆使して、社長1人で何でもできるなら別段問題は無いでしょう・・・。しかし、そういうIT関係は若い人に任せていてよく分からない・・・。と思っているようなら論外です。仮にITに精通した若手がいたとしても、そんな人材がその人の会社に来てくれる可能性は皆無ではないでしょうか。

 

まずはホームページからという考えは持たない

 とりあえず、ホームページさえ立ち上げれば何とかなる・・・。という考えも分かりますが、よく考えてみて下さい。何千何万というWebサイトの中から、ピンポイントであなたのホームページを選んでくれるようにするためには、それ相応のIT知識が必要となります。GoogleやYahoo!の検索結果で自社サイトがより多く表示されるために検索エンジンを最適化するSEOをパーフェクトに使いこなせる人間が必要になります。仮にそんな人材がいたとしてもほんの一握りで、自分のところに来てくれるというのは、まず無理だと思ったほうがいいでしょう。確かにSEOの専門会社も数多くありますが、高い報酬を払ったにもかかわらず効果がない、ということはザラにある話です。なので大怪我を避ける意味でも不得手なジャンルには後回しにしていきなり手を出さないようにしましょう。

 

染み付いた悪しき習慣

 いずれにしても何をやるにせよ、より良い物を作るとか、こだわりの商品を売るという発想だけは、避けなければなりません。何故なら、その発想はとても経費と時間がかかるからです。今までの日本企業の戦略を見てても競合他社より「もっと多く、もっと良く」と考え、そこに目標を設定していました。価格設定にしてもしかり、他社よりも価格を安くということに特化している企業も沢山ありました。これは、ある意味日本企業の悪しき考え方だと思います。 せっかく起業した人がこの日本に染み付いた悪しき習慣から抜け出せない場合、どうなるか?同じような商品を他社より安くするために、経費を節減し、自分の給料を削るしかないのです。経費を節減するといっても大工場を展開する大手に敵うわけがなく、結局、自分の懐を痛めるしかないのです。これでは損失を抱えるだけで、何のための起業したのか訳が分からなくなります。

 

最後に

 起業に対してネガティブな材料をいくつか挙げましたが、だからと言って何もせず、貯金を抱え込んだところで今の超低金利では目減りしていくだけで、増えるのは将来に対する不安だけ?なんてことになります。なので本当に将来企業を考えているのであれば、計画をしっかり立て多くを望まず、無理なくやれる範囲から起業をスタートしてみてはどうでしょうか・・・。