松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

社会人としての言葉遣いを考える

 

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 人には、それぞれ得手不得手というのがあり、特に人と接する時にその差が大きく出るときがあります。それでも社会人になると苦手だから人と付き合わなくていい事にはなかなかなりません。人当たりがよくて、雑談もうまいのに、なぜか営業成績が芳しくない。なんて人もいるはずです。ビジネスの現場では、話が面白いのもそれなりに大切ですが、それよりも、話が伝わることの方が重要です。そこで今回は、少ない言葉で丁寧で信頼されおまけにしっかりと 伝わる・・・。なんて方法を考えて見たいと思います。

 

実践できている人の伝え方を分析する

 どんな世界でも成果を出している人には共通点があるようです。その共通点を言語化するとこうなります。「数学的」になるそうです。伝え方が「数学的」とはどういうことでしょうか。僕達が、かつて学んだ数学の問題解説は、2つの特徴がありました。1つは「極めて論理的」であること。もう1つは「これ以上短くすることができない」ことです。数学の勉強ができるかどうかは問題ではなく、伝え方が「数学的」であることが、成果に直結しているのです。

 

インパクトのある主張をする時は「結論から」と「なぜなら」を使う

 ビジネスパーソンは例外なく忙しいはずです。のんびり人の話を聞いている余裕はありません。知りたいことだけを聞きたい。知りたいことはまず結論、次に根拠。それだけです。だからこの2つだけをこの順序で伝えます。即ち、これはまさに「結論から」と「なぜなら」の構成といえるでしょう。

 

スムーズに話を前に進める時に「仮に」が便利

 数学でよく使われるのが「仮に」という言葉です。「仮に最大値の存在を認めると・・・。」といった具合に、仮定して議論を進めることで結論に向かいます。この論述スタイルはビジネスでも有効なのです。たとえば、来期の売上予算が決まっていない状況で来期の計画を考える場面を想定してみましょう。「仮に10億円と仮定して、まずはざっくりプランを練りましょう」と言える人は、仕事を前に進めるのが上手な人と言えます。

 

話の整理をする時に「かつ」と「または」は有効

 数学では複数のものごとを整理して論じることがあります。そんなときに使うのが「かつ」や「または」といった整理する機能を持つ言葉です。また、繋げる時に「さらに」とか「ゆえに」または、「一方で」を上手く使いこなす。きちんと伝わる話し方をする人は例外なく、接続詞をしっかり使いこなします。例えば伝える側が「さらに」と言えば、聞き手は何か追加の情報を伝えるのだろうとすぐに察します。そして伝える側がそのとおりの内容を話す。だから聞くほうは、とてもわかり易いのです。

 

本題から逸れる時に「補足ですが」や「たとえば」に「余談ですが」を入れる

 ときには本題からそれた「脱線」をすることもあるでしょう。そんな時も、どの方向に話を逸らすのかを明確にしてから脱線したいところです。「補足ですが」と言えば相手は「ああ、補足する情報をしゃべるのか」と察します。そして続けて補足を話します。すると聞く方はストレスなく聞けるのです。しかし、このような場面で「ちなみに」を使うビジネスパーソンがたくさんいますが、この言葉では相手にはっきりと意図が伝わりにくいのです。そして話の終わる時は、必ず「以上です」で締めくくりましょう。聞き手が自分の話を聞いている時、実はその人はあなたの話が終わるのを待っています。終わるのを待ってくれている人に「これで終わりますよ」の一言をしっかりと伝える事が正しい話の終わらせ方なのです。

 

最後に

 しかし重要な勝負どころがあるとします。たとえば、面接やプレゼンの機会などの時は、前述したような言葉がきっと威力を発揮し、それが成果に直結します。つまり勝負どころでだけ戦闘モードになればいいのです。成果を出せるビジネスパーソンは例外なく、数学的な言葉を使って伝えるといいます。但し、それはビジネスシーンで恐らく約10%の場面だけでしょう・・・。その10%のときだけは、本気を出し、言葉を変える。ここに挙げた言葉をうまく使えば、必ずことばの伝え方は論理的かつ簡潔な内容になるはずです。とにかく論理的に話そう、短く簡潔に話そうと考えるのではなく、勝負どころだけは使う言葉を変えるという発想を持ってみましょう。要は、成果に直結する場面だけ、成果に直結する言葉を使うのです。普段は自分らしい話し方でコミュニケーションを楽しみ、その時が来たらすかさず戦闘モードに切り替えましょう。よく言うところの「俺は、ヤル時はヤル男です・・・。」な感じかな。