松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

鬱な社員の多い会社少ない会社

 

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 昨日は、会社の懇親会でした。年々スタッフが何らかの事情で去って行き、僕が入社した頃からでたぶん一番少ないかもしれません・・・。輸入オートバイディーラーの販売、整備というのは、確かにある意味特殊ではたから見るほど華やかではありません・・・。セールスも整備士も募集を掛けてるものの中々入ってくる気配がありません。確かに特段お給料が良いとか、仕事が楽という訳でも無いので人気の職業とはいきません・・・。売り手市場の就職戦線で社員確保は、至難の業です。とにかく一人でも多く入社してくれることを祈るばかりです・・・。さて今回は、今年4月から始まった働き方改革ですが、残業時間の制限に始まり、職の流動性も高くなることが期待されているようです。しかし、健康な社員は別として今回は、鬱な社員の多い会社と少ない会社での職場環境について調べてみることにしました。

 

鬱な社員が多い会社の共通点

 社員によっては、長時間労働をしても病気にならない人もいますし、残業が少なくても病気になる人がいます。たとえば、時間外労働が多ければ疲労がたまります。しかし、それが直接健康障害につながるか否かは、そこには人それぞれの体力や気力、許容度、やりがい、やらされ感、自己成長の実感や上司同僚からの承認などが挙げられます・・・。なので労働時間だけのせいとは言い切れないのです。要するに、各自各会社の働き方があり、その結果が時に長時間労働になるのではないでしょうか。なので必ずしも、長時間労働という働き方が原因として病気に直接繋がるとは考え難いのです。

 

働き方や疲労度はやりがいと裁量度で決まる

 働き方とは、やりがいと裁量度に左右されると考えられます。この2つの要素の大きさ重さにより、具体的な労働時間や勤務方法による疲労度は個々人でだいぶ変わってきます。

やりがいについて
  • 個々の社員が仕事における自己成長を感じることができているか
  • 職場からの評価を感じているか
  • どうして自分がその職場で働いているのか

上記の意味意義をしっかり認識しているかどうかです。即ち、新人や転職して間もない人たちは、新しい仕事における自分の成長を実感できている間は、同じ時間働いても、つぶれるほど疲労がたまることはあまり無いでしょう。仮に、自分で成長を実感できなくても、周囲からの評価でそれを感じることができる限り大丈夫な人もそれなりにいるでしょう。逆に、凄く頑張ったのに評価されないことで、ガクッとへこんで不調に陥るパターンは、どの世界でもよくある話です。また、就職や転職してすぐの時は、タフな労働環境に直面しても、自分がどうしてその会社に職を求めたのか明確な人ほど耐えられるものです。一方で、あまり考えずになんとなくその会社に就職や転職した人ほど、早くにつぶれていく傾向があるようです。

 

裁量権は、モチベーションを上げる

 もうひとつの要素である裁量権は、職場において自分が持つコントロールの範囲のことを指します。自分で物事を決めたり、選ぶことができる範囲が大きい人ほど、疲労度は少ない傾向にあります。どのような優先順位で行うかだけでなく、どのような仕事は同僚や部下に任せて自分は何に集中するかを選択できる人ほど、それができない人に比べて明らかに疲労は少ないのです。また、仕事そのものではなくても、働く時間の自己決定権が大きい人は、普段は遅くまで働いても、予定のあるときは早く帰ることができるのでストレス度は少ない傾向にあります。同様に職場の人間関係においても、誰と関わるか、関わらないかを自ら選べる人も、職場における心の疲労度も当然、少なくなります。

 

働き方に一番影響を及ぼすのは

 こうして考えてみると、人の働き方、つまりやりがいと裁量度に大きな影響があるのは、やはり職場の上司になります。そこで、職場の上司たちのセリフに注目して、うつ社員を出しやすい会社か否かを判断してみましょう。一般的には、部下にメンタルヘルス不調者を頻発させる上司のお決まりのセリフに、「君には期待していたんだけどなぁ~・・・。」というのがあります。一方、メンタルヘルス不調者を出さない上司は、そのようなことを言いません。なぜなら後者の上司らは期待は部下にするものではなく、「示す」ものだと理解しているからです。

 

上司の期待に対しては自分に責任は無い

 そもそも期待するというのは単に自分が期待するという意味です。しかし、その期待に応えるか否かという責任が相手に委ねられてしまっています。本来、会社の中で自分に期待するのは上司の勝手な行為なのだから、その責任は上司にあるべきはずなのに、いつのまにか期待に応えるか否かは相手即ち部下の責任になってしまうのが、期待するという行為にいつのまにかすり替わっているのです。つまり、期待するというのは一見、自分の行為に見えますが、最終的には他責の行為なのです・・・。

 

部下への期待は示すもの

 また、期待を示すことも同様に自主的な行為ですが、あくまで上司が期待を示すのみで終わり、相手即ち部下の責任にするものは何もありません。大切なのは、上司が期待を示したとき、相手即ち部下がその期待に応えたいと思ってくれるかどうかなのです。誰でも知らない人や好きでもない人から期待を示されてもわずらわしいだけですが、尊敬している上司から期待を示されたら、人は自発的に期待に応えようと思うものです。メンタルヘルス不調者を出さない会社の人々は、このことを分かっています。なので、日頃から良好な人間関係を築いておき、そこに期待を示すだけなのです。すると部下は、自主的にその期待に応えようとするので、やらされ感ではなくあくまでもやりがいを持って働くのです。

 

うつ社員が多い会社の上司たちの悩み

 それでは、上司の立場ではどうでしょう・・・。部下を怒ればパワハラと言われ、褒めれば気持ち悪いと敬遠され、怒る技術やほめる技術、リーダーシップ研修やメンタルヘルス研修に至るまで、さまざまなノウハウ・技術研修を受けても、大して効果が出ていない気がする・・・。と悩んでいるのです。もちろん、部下との関係を良くしたいという気持ちがあるのは、間違いないでしょう。

 

相手を承認する事から始める

 メンタルヘルス不調者を出さない上司たちは、そのコミュニケーションの焦点は、相手にあります。そして、相手を承認しているのです。承認した上で、怒ったり、ほめたりして、接しているのです。上司が部下を承認しているか否かは、上司が部下にかける言葉に注意するとわかることもあります。鬱な社員が出にくい会社の場合、たとえば、上司が部下に言葉を掛ける時頑張ってね・・・。と言わず、頑張っているね~!と声を掛けます。これは、相手の状態をわかり、承認しているということの現れなのです。部下のがんばりや我慢を「わかっている」「わかってくれている」と理解するだけで、人は救われるのです。

 

最後に

 現実問題、原因が解決できないことが多い世の中で、認めてもらえた・・・。わかってくれている・・・。という上司の態度が、どれほど不安や悩みやストレスを持つ人たちを元気づけたり救ったりするものかをよく理解しましょう。