松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

やる気を削ぐ上司が 会社の業績を下げる

 

f:id:rjmatsumura:20200402111723j:plain

 今、世の中は完全にコロナ一ワード一色で染められています。様々な情報が良くも悪くも操作され、そしてここに来てSNSでの不確かな情報拡散。また厄介なことに情報の広がりをコントロールできないこと難しいとわかっていながら誤った情報を拡散しているように感じます。SNSのなかった時代から考えると恐らく想像もつかない話でしょう。昔から「人の(悪い)噂は千里を走る」といわれてますが現代の様なスピードで情報が駆け巡るとはさすがに先人もビビっているはずです…。

さて今回は、「ウチの会社はどこかおかしい…。」「何かがおかしい…。」など、なんとなく感じている人は、それなりにいるのではないでしょうか?そこでそんな諸悪の根源について考えてみることにしました。

 

居心地が悪く息苦しい職場とは

 「なぜ、うちの職場はなんとなく息苦しいのか…。」とか、「どうすれば※オープネスが高い職場がつくれるのか…。」など少しでも楽しくストレスフリーに出社できないものか、色々と調べてみることにしました。

オープネスとは
  • 経営の開放性(経営と現場の関係がオープンになっているか)
  • 情報の開放性(社内情報へアクセスしやすいか)
  • 自己の開示性(自分の才能を表現しても攻撃対象にならないか)

かと言って上下関係がなく馴れ馴れし過ぎるのもそれはそれで問題ですけどね。

 

利益が下がる組織=オープネス悪化

 そもそもオープネスは、危機を察知し問題を改善する為の目安といえます。ようするに、企業の成績不振や利益が下がり始めたとき最初に悪化しかけているのがこのオープネスなのです。実際に衰退していくもしくは衰退した企業で働いたことがある人は恐らく印象に残っていると思いますよ…。たとえば、事業が悪化し利益が出なくなった組織というのは、往々にしてリーダーや経営者が、情報を隠すようになるものです。具体的に言うならば、必要以上に経営者が良いことしか言わなくなったり、悪い情報はさらっと表面的にしか触れなくなったりする…。などがそうです。簡単に言えば、赤字を出している事業や巨額の投資に対して、しっかり説明がされないまま、なんとなくその事業が進んでいく…。利益が出ているのか、それとも出ていないのかもよくわからない…。まさに従業員への「情報の開放性」が著しく下がっている証拠なのです。

 

見え透いた嘘をつく上司

 たとえば、不正会計問題を例にしてみましょう。事業が悪化し、利益が出せなくなると、人々は内向きになり、逆にポジティブな情報しか発信しなくなります。なぜなら、一度重ねた嘘の情報を隠すためには、さらなる嘘の情報を重ねるしかないからです。それにネガティブな事実を出すことは社内の雰囲気に悪い影響を与えると考えているのでしょう…。仮にもしネガティブな事実を発信しようものなら、自分の椅子即ち仕事や役職が危なくなってしまいますからね。このようして情報を隠蔽(いんぺい)することは、いつしか組織の風土になり、正確な情報は経営陣の中でもごく一部の者だけが掌握する状態になります。そして現場は偽りの情報だけを握らされ、なんとなくもやもやとした職場の中で仕事を進めることを余儀なくされてしまうのです。

 

嘘に嘘を重ねる上司

 それではなぜ、オープネスが、最初に変化するのでしょうか。それは、リーダーもしくは上司の心の弱さに強く起因しているようです。たとえば、今自分が100人の部下をもつリーダーだとします。担当する事業の業績が悪くなっている。あるいは、ある部下が不正を働いた。そこで自分としては迷います。この事実をありのまま、組織やチーム全体に言うべきかなのか、もしくはその逆で言うべきではないか…。実際、とても難しくデリケートな問題ではあります。本来なら、きちんと事実は伝えたほうがいいはずです。しかし、時と場合によっては「嘘をつかざるを得ない…。」と考えることもあるです。それではそんな嘘を正当化する場面とは、一体どんな場面でしょうか?たとえば、「現在、会社の状態が非常に悪く、これ以上ネガティブな情報を共有すると士気に関わるのでつく嘘」「言わないほうがみんなのためになる…。という持論の嘘」「これは仕方ないことだと自己完結型の嘘」つまりは、「嘘も方便」という選択肢が生まれるのです。

 

心の弱さが嘘の始まり

 嘘の善し悪しは、攻撃を仕掛けるための嘘か、保身のための嘘か、相手を思いやるための嘘かに分かれます。しかし所詮嘘は嘘です。たとえば、悪意がなく誰かを傷つけないようにと思ってつく嘘も嘘は嘘です。ただ言い訳がし易い嘘の部類には入るでしょうけどね…。逆に悪意のある嘘とは、明確に誰かを傷つけるためにつく嘘を指します。なので普通に考えると、善意からつく嘘のほうが人は嘘をつき易いということになります。しかし、トップやリーダーがたとえ善意であったとしても嘘を一度つき始めると、組織の常習となり、強烈な事なかれ主義を生み始めます。誰もが本当の厳しい事実は言わずに、なあなあで物事が進みだし、気が付くと最後には本当のことを話そうとする人が言おうものなら、むしろ煙たがられたりします。

 

そして組織の崩壊へと動き出す

 そしていつのまにか嘘にまみれた現場に、矛盾を理解した中間層が増え始め、何事もわかったふりをする社員が生まれるようになます。さらには批評家までもが生まれ始め、組織のオープネス(情報開放性や自己開示性)は崩壊へと舵を切るのです。こうなると、現場の不信感はピークを迎えます。情報は、ポジティブな面だけがやたらと誇張(こちょう)され、会社の方針や戦略が正しく伝わる以上に、ねじ曲げられた情報が伝わって行きます。そしてこの会社には不信感しか存在しなくなるのです。

 

最後に

 では組織を業績悪化に陥らせないための工夫として、どうすればいいのでしょう…?それは「予防」、「早期治療」、「手術」の順で行うことです。これは僕たちが病気に対する考え方と同じだといえます。とりあえず、事業も組織も悪くなる前に、常日頃から防ぐ心がけをする予防。次に事業が悪化した時に、できるだけ早く手を打つ早期治療。それでもだめなら最後には手術です。最終的にはこの方法がベストだと考えます。これから、ますます厳しい時代に突入します。こうなったら自分たちの職場でも改善できることがあれば自身でもどんどん取り組んで行き、今いる現場を繁栄させ正当なインセンティブを勝ちとる努力をしてみるのも一つのやりがいだと僕は思います…。