松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

部下を育てられない上司の闇

 

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 昨日は、結婚式の披露宴でオートバイを使っての新郎新婦入場をするというお客様の依頼を受け披露宴終了後に車両を引き上げに行きました。披露宴自体は、ギリギリ雨に降られず、大成功でよかったのですが僕が車両をトラックに積む頃には、大雨になり久しぶりにびしょ濡れになりました。やはり幸せな場所では、神様も少し遠慮して雨を降らさず少しズレたタイミングで幸せでもなんでもない僕の真上で神様は雨を降らしたのかもしれませんね・・・。とにかくお客様には幸せな家庭を築いてもらえればと願うばかりです。それでは、本題に入りたいと思います。人と人が結ばれる結婚とは直接関係ないのですが、少し見方を変えた人と人との接点について考えてみたいと思います。という訳で今回は上司と部下の関係で見てみましょう・・・。

 

人を育てる難しさを考える

 部下の育成を実践するに当たって、まず考えなくてはならないことは、部下について知る前にまず自分を知るということです。多くのマネジャーは、自分のことはさておいて、部下に対してどのような育成法でアプローチしようか・・・。などと考えているのかもしれません。しかし世界基準のマネジャー研修やリーダーシップ研修では、まず自分を知るためのセッションが必須のようです。それに対し、日本企業の研修ではこの視点があまり重要視されていないそうです。部下に対する指導や育成は、極端な話その部下の人生に影響を与える行為でもあります。少なくともビジネス・キャリアに対しては大きな影響を与えます・・・。

 

自身をよく分かっていない上司が他人を育てるって

 人の運動能力や言語能力、あるいは好奇心といった基本的な能力は、幼少期に原型がすでに形成されているそうです。なので同様に、ビジネス・パーソンとしての基本的な能力は、初期に巡り合った上司や先輩から大きな影響を受けるのです。そしてその後、中堅社員、役職者と組織の階段を上るにつれ、いずれ本質的な課題を打ち破る革新的な解決策立てて実行し経験値を上げていきます。そのきっかけをつくるのもやはり上司の役割です。このように部下に対して影響を及ぼす重要な立場にありながら、上司が自分自身について深く知ることがなかったとしたら、どのような結果が待ち受けているでしょうか。

 

上司は自分の何を知っておくべきか

 まず上司が一番最初に自覚しなければならないのは、自分のバイアス即ち相手に対する偏り、偏見、偏向の度合いを知ることです。僕達はさまざまな経験をするうちに、人や物事に対する見方・考え方にどうしてもバイアスがかかってしまいます。たとえば、男女の違い、人種、職業などに対する偏見は、脳の中にある無意識のバイアスが影響して形成されます。こうしたことは近年、無意識の偏見や思い込みとして注目されているようです。従って部下に対する評価をするときも、どのような客観的指標を用いてもバイアスの影響を少なからず受けてしまいまうのです。これをしっかり自覚しないと正しい部下への評価ができなくなるのです。

 

上司がもつバイアスの仕組み

 このバイアスを生み出す原因は、人間の脳が無意識のうちに、直観的な意思決定と意識的・論理的な意思決定を使い分けてしまうという作用が働くからだそうです。たとえば、同じような営業の仕事をしている部下が2人いたとして、それぞれが挙げた営業成績が数値として示されたとします。客観的な数値を比較して、二人の部下の評価を決めようとしても、私たちの脳は必ずしも全ての情報を公平に扱ってくれるとは限らないのです。仮に部下Aは、企画会議などで上司の意見にいつも賛成し、後押しをするような発言をしているとします。一方で部下Bは、時に上司の意見と対立するような発言をしますが、それはとてもまともな正論だとします。

そうなると上司の無意識下にある感情レベルでは、どちらかと言えば部下Aに対して好意を持ち、部下Bに対しては、あまり好ましくない印象を持ってしまうはずです。その結果、この印象の差がバイアスとなり、部下Aの評価を高くしてしまうのです。

 

避けられている事を気付かない上司

 仮に何か問題を抱えた部下があなたに相談しようとしても、上司が近寄りがたい雰囲気を醸し出していたとしたら、どうなるでしょう・・・。まだ小さな火種のような問題を解決する機会を逸した部下は、自分で何とかしようと考えるでしょう。しかし、残念ながら何ともならないのが世の常です。その問題は大火事の一歩手前になってしまい、どうにもならなくなってから上司に相談するのです。そして、何でもっと早く相談しなかったんだ・・・。と上司は部下を叱りつけます。部下はひたすら謝りますが、心の中では、その時、相談できる空気どころか近寄りがたい雰囲気をかもし出していた上司を不満に思うのです。これが続くと確実に部下との距離が開き取り返しのつかない開きができるのです。

 

上司の包容力とは

  • 反対意見やアイデアを歓迎する。他の意見に耳を傾け、謙虚である
  • 他部門と協力しあって業務を行う。個人や文化の違いを尊重する
  • 社員の愛社精神と行動力を促進する

また、包容力のあるリーダーは近寄りやすい人の事を指します。部下はもちろんのこと他者にとって近寄りやすい人であるということは、包容力のあるリーダーとして基本中の基本なのです。

 

失敗する管理職の要因etc・・・

  • 細かいことに過度に焦点を当てる
  • 批判に対して否定的な反応をする
  • 物事の本質や筋道を深く考えずに、
    原因と結果などを性急に結びつけて結論を出す
  • 部下に対して無駄な細部まで管理する
  • 他人の意見に容易に左右される

もちろん細部をおろそかにしないということは大切です。優れたリーダーは、望遠、広角、接写の3種類のものの見方が必要です。つまりマクロ環境、会社内の動向、職場や現場の3つのレベルに注意を払う必要があるということなのです。

 

最後に

 上司即ち、管理職としての意識転換ができていない人は、無意識のうちに部下と同じプレーヤーとして競おうとしてしまいます。またこうした人は、大局をつかむという管理職としての心構えもスキルもないので、どうしてもどうでもいい細部に目が行きがちになり、あら探しを始めるのです。こうした上司の下では、部下も細かいところばかりに注意が向けられ、本質を考え抜くという大切な思考習慣を身に付けることができないでしょう。自分も上司として失敗しないために、そして部下を育てるためにも、無駄な細部の管理をしないよう、常にセルフチェックをする習慣をつけるようにしましょう。