松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

若手社員に退職されない上司のあり方

 

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 近頃は20代、30代での転職が当たり前になり、今や、新卒採用の社員も、3人に1人が入社後4年未満で辞めてしまう時代になっているようです。一体、何が彼らを早期に転退職させるのでしょうか?それに最近は、「退職代行」という飛び道具的なサービスで退職するなんてのもテレビで見たことがあります。そもそも退職代行とは、実際どこまでを代行するサービスなのか気になるところですね・・・。そこで今回は、そんな退職代行を使ってまで辞めたい部下と上司の関係について調べてみました。 

 

会社を辞め難い人のお助けサービス

 もともと退職代行というのは、なかなか社員を退職させないブラック企業からの足ヌケが発端で始まったサービスのようです。退職代行サービスは、本人の代わりに退職に関する事務連絡を代行するサービスのことをいうそうです。社員が退職を希望した場合、企業は、その自由意思に従うことが法律で定められているのですが、普通の若手社員にしてみれば、知る由も無いでしょう。その為、勤務先が仮にブラック企業である場合、なかなか退職できないことに悩んだり、言い出せないまま自殺してしまう若手社員もいるようです。そこで現れたのが、退職代行サービスだそうです。辞めると言えない若者の為に、代行するお助けマンなのです。見方によっては、子供の喧嘩に親が出てくる的な感じも受けますが・・・。

 

電話で退職を伝える単純な仕組み

 退職代行サービスの実態は、ただ電話で退職に関する連絡を仲介するだけのいたって単純な仕組みのようです。しかし効果は絶大で、本人からの退職相談には耳を貸さない企業も、第三者からの電話があるだけで、慌てて本人の退職の申し出を了承するなど、効果はてきめんとか・・・。代行サービスの価格は、だいたい3万円~5万円だそうです。

 

辞め難いのはホワイト企業も一緒

 深刻なブラック企業を退職できない人の問題解決に活用されているサービスですが、利用者は、なにもブラック企業に務める社員たちに限らないようです・・・。ホワイト企業であっても上司とのコミュニケーションにストレスを感じたりすることも退職願望を抱かすひとつの原因とも言われています。たとえば、上司が良かれと思ってやった行動が部下の負担となり、退職に至ケースなどもあるそうです。そんな若者を追い込む上司たちとは、一体どのような特徴を持っているのでしょうか。

 

辞めたくなる上司の思考

  • 怒ることも、時には指導や教育の一環として仕方ないことだと思っている
  • 良かれと思い、部下に社会人としての持論を、長々と語る
  • 管理職として、部下や後輩のスケジュールは全て把握しようとする
  • とにかく頻繁に飲み会を開催したり、プライベートに関する質問をする
  • ある程度任せた方が良いだろうと考え、任せた仕事に全く観照しない
  • みんなに早く帰れと言いながら、自分は残業をしている
  • 部下には絶対に辞めてほしくないと強く思っている

 

指導に怒りは必要ない

 まず指導に「怒り」は不要だと考えましょう。これが一番重要なことなのです。しっかり指導しなくては・・・。という思い込みや、部下からナメられたらどうしようという不安感、まわりへのパフォーマンスで怒るのは論外です。人の心理として怒られると、部下の気持ちは問題の解決にではなく、怒られたくない、逃げたい、という方向に向くものです。従って、いかに怒られないようにするか・・・。ばかり考えるようになり、仕事にやりがいを感じられなくなってしまう可能性があるからです。こうなると上司にかなりのストレスが溜まりそうですが、やはりここは我慢をするなら、社員ではなく上司がするべきと考えなくてはいけません。何故なら、部下よりも多く給料をもらっているからです。自分の個人的な感情の発散で怒る事を道具にするの良くないですね。

 

持論を部下に押し付けない

 退職代行が退職希望者の上司に連絡をすると、当然「常識的におかしいだろ」「社会人として・・・。」という答えが返ってくるそうです。前述したように退職は当たり前に認められているひとつの権利です。それがおかしいというのは、ただの押し付けでしかありません。要するに「昔からこうだから、そうするべき」という論理のない話で押し通すような指導を続けていれば、上記と同じように思考停止するのが怖くて退職し、転職してしまうのです。

 

部下の全てを知りたがるのはダメ

 1日のスケジュールを全て把握した上で、逐一電話をかけて「今何をしてる?」などと確認するマイクロマネジメントも、若手の大きな負担となり、退職理由の1つになっています。そもそも自分が上司に信用されていないと感じることで、部下がその上司の元で働く意欲が失われてしまう事になるのです。部下は、上司を選べないので、「ハズレの上司だ・・・。」と思われないようにすることが重要かもしれませんね。

 

必要以上に親しくする必要は無い

 悲しいことに、上司が必要以上に仲良くなろうとした結果、部下が負担に感じて退職するケースも多いそうです。そもそも部下は友達ではなく、職場の仲間以上の関係になる必要はないのです。飲み会もいいですが、部下達の負荷にならないように心掛けましょう。勘違いで怖いのが、高圧的な上司の下では若手は辛くても楽しんでいる演技をするということです。笑顔や顔色だけで、「この子は大丈夫だ」と判断していると、本心を見誤って、予期せぬ退職に繋がってしまうかもしれません。

 

仕事の丸投げは絶対にダメ

 ある程度任せた方が良いだろうと考え、任せた仕事の納期を設けたら、締め切り日まで特に進捗確認をしない・・・。部下に仕事を投げたあと進捗確認をせず、締切ぎりぎりに出してきた提出物を見て「なんで今まで言わなかったの? わからないなら質問しないと・・・。」と無責任な発言はアウトです。仮にはじめての仕事を任せる場合は、とりあえず、明日中に出来た部分だけでいいから、一旦見せてみろ・・・。と指示するのが望ましいでしょう。上司が正しく指示をしないと、部下は何度もやり直し、疲弊してしまい、そうして自信をなくし疲れ退職・・・。となるのです。

 

早く帰れと言いながら、自分は残業?

 若手にとって上司に帰れと言われても、上司がいると帰り辛いに決まっています。それで生まれるのが無駄な残業なのです。その積み重ねで若手は退職の道へまっしぐらに走り出すのです。今の時代はとにかく早く、定時に帰ることが重要です。どうしても残業が減らせないのならば、定時内にどうすれば残業が減らせるかミィーティングなどして、若手に意見を聞いてみるのもひとつの方法でしょう。

 

部下には絶対に辞めてほしくない

 どれほど素晴らしい上司でも、部下が他のことに興味を持って退職をすることは止められません。辞めてほしくないという理由で部下にとって良い上司でい過ぎると、その空気や期待感が負担となり、退職を言い出せず、退職代行を活用されるケースもあるようです。上司に何の非がなくても、辞めるときは辞めるものです。部下には信頼や信用をしても、過度な期待はしないのが部下に対しての考え方かもしれません。

 

最後に

 部下と上司の理想的関係は、学び合う関係かもしれません・・・。よく育てるなどと表現する人がいますが、それってある意味押しつけがましいような気もします。なので社員の意見に耳を傾けそして、考え方を教えて貰いましょう。現代の退職者はほとんど、本当の退職理由を言わずに、退職して行くそうです。本音は退職代行会社に伝え、その本音を退職代行会社が人事に伝えるという流れができているそうです。従って、部下本人に聞いた退職理由をうのみにせず、まずは今時の若者が退職する上司像に自分が当てはまっていないかどうかを、振り返ってみる必要があるのかもしれませんね・・・。