松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

宝くじでも買おうかな~に潜むデメリット

 

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 もうずいぶんと前の事なのですが、僕の父は愛煙家で大病を患うまでずっと煙草を吸い続けていました。自宅にも当然灰皿トレーがあり、そのトレーには、煙草と灰皿となぜか宝くじがあったのです。枚数的には、袋に入ったま新しいものは10枚くらいで、その横に裸の宝くじが捨てずにどんどん貯まっていくような感じだったと思います。僕はいつもその外れたであろう宝くじでお札を数える練習をしていました。おかげで今は、銀行員に負けないくらいお札を数えるのはバリバリ早いです。指ではじいても、扇状に開いてもどんな形でも数えられるようになりました。

そんなある日、遂に宝くじが当たりました。300円とか1000円とか1万円とかではなく500万円が、当たったのです。当時は、「第一勧業銀行」が発行元だったので早速近くの第一勧業銀行に父親と何故か僕も一緒に付いて行きました・・・。窓口で宝くじが当たった旨を伝えると、奥にある応接室に通されました。そして支店長らしき人とその部下らしい人が来て「預金して下さい。」と思い切り頼み込まれたことが、印象的でした。かなりの時間を説得に費やされました。しかし親父も「結構です。」と突っぱね続け何とか持ち帰ることができました。僕は一緒に付いていったお駄賃として、100万円貰いました。そして瞬間でなくなりました。そんな思いをしておきながら僕は、宝くじをほとんど買いません。なぜか購買欲が出ないんですよね~・・・。それでも今から考えるといい経験をさせてもらったと思います・・・。そこで今回は、そんな宝くじについて「実際どうなのか?」を少し掘り下げたいと思います。

 

宝くじは誰かにお金を貢ぐのと同じ原理

 僕の周りには、幸か不幸か偶然か宝くじを買っている人がほとんど見当たりません。興味が無いのか、話題にのぼることもないのです。時折「あ~宝くじでも当たらないかな・・・。」と買ってもないのに口にする人は、沢山いますけどね・・・。それでも世の中には宝くじ売り場に並んでまで買うなんて人はあとを絶ちませんね。サマージャンボや年末ジャンボなどの時は、毎回テレビでよく映像が流れています。それでも人口の半分が、宝くじを買っているとも考え難くいと思います。考えるにほとんどの人が、たまに買ったことがある程度で毎回買うなんて人は、やはり少ないと思うんですよね。それでは多数派であろう宝くじ購入に興味が無い心理について更に考えて見ましょう。

 

第一に当選確率が低過ぎる

 ジャンボ宝くじの当選確率は1000万分の1とされています。因みに東京ドームのキャパシティは5万5000人と言われています。仮に収容人数を4万5000人だとすると、東京ドーム約222個にひしめき合う人の中から1人が選ばれるのと同じ確率ということになります。そう考えると気が遠くなりますよね・・・。なんなら交通事故に遭う確率より低く、買ってもほとんど望みが無く、ムダになることがよくわかります。それにそもそも買わないと当たらない・・・。とも言われる宝くじですが、買っても当たらないとしたら、300円の商品をわざわざ3000円払って買ってるのと同じようなものです。

 

発行元が確実に儲かる仕組み

 宝くじの還元率は約47%と他のギャンブルと比較すると非常に低く、買った人はなかなか儲かりにくいシステムといえるでしょう。これに比べたら、同じくギャンブル性が高いといわれるFX(外国為替証拠金取引)の還元率は約99%と、よほど健全だという意見もあります。使いみちはともかく、これほど買い手にとって不利な商品は無いということです。では、その収益金はどこに行くかといいますと、まず基本的には地方自治体が潤う構造になっています。もちろん、地方自治体は地元のためにお金を使うため、社会貢献をしたいという人向けの寄附行為ともいえそうです。その他にも、特殊法人といわれる日本宝くじ協会、自治総合センター、宝くじ事務協議会などにもお金が落ちます。それに僕らの知らないグレーな天下り先にも流れているようですよ・・・。

 

とにかく時間のムダ

 時間を投下するとは、人生の一部をそこに投下する行為と同じです。ある意味ひとつの投資ともいえます。それでは、宝くじの発売をチェックする時間や、買いにいく時間、それに並ぶ時間、ロトやナンバーズなどで数字を選ぶ時間を考えた時に、いったいどのような投資的意義があるでしょう・・・。恐らく、現代のビジネス現役富裕層の人達は、自分ではコントロールできないものに時間を使うのがもったいない、と感じているのではないでしょうか。そんなことをする時間があれば、やればやっただけリターンが見込める、ビジネスのことを考えるでしょう。

 

宝くじで当たった夢は抱かない

 宝くじを買う行為をよく「夢を買うもの」、「ゲームみたいなもの」などと言う人達がいます。しかしこれは、そんなことでしか夢を見る方法がないという、典型的なお金を稼げない人の発想のような印象を与えかねません。そもそも夢とは本来、自らの努力と才覚で叶えるものであって、棚からぼた餅を待つという行為とは違います。それは夢というよりどっちかといえば、ただの妄想かもしれません。考えるに普段は満たされない自尊心とか、やり場のない不満、自分の力で切り開くという努力は面倒くさい・・・。という潜在的な逃げと受け身の発想が、徐々に究極の楽して儲けたいとか、一発逆転したい・・・。といった屈折した考えに変わっていくのです。なので宝くじは下手をすると、そんな夢を見たいという欲望を起こさせるアイティムなのかもしれません。

 

最後に

 大勢の宝くじを買わない人達は、たぶん自らの行動が未来を作ることを本能的に悟っているのかもしれません。そしてお金持ちになる夢を見るヒマがあるなら、お金持ちになるための具体的な行動を起こせばいい・・・。と思う志向が出来上がっているのだと思います。それは運を天に任せる宝くじなどではなく、仕事や起業、投資など、自らの知恵と努力と行動でつかみとることを意味するのです。勿論、誰が何を買おうとそれは本人の自由ですから、他人の買い物やお金の使い道に干渉するつもりは当然の事ながらありません。それでも一度冷静になって考えてみて自分に宝くじがあっているのか、そうでないのかを考えてみてもいいのではないでしょうか・・・。