松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

若者が感じる会社への価値観

 

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 現代の若者というか、新卒で入社してくるような年齢の人達は、僕らが普通に経験してきた常識や当たり前だと感じていた事と、些かの隔たりがあるように思います。今の若者からすると僕たちが過去に教わった価値観と全く異なった価値観で社会を見ているようです。冷静に周りを見てみると、SNSの拡散を利用して問題を起こす若者がいたり、欲の無い若者がいたりと、いわゆる悟り世代と呼ばれる大勢の若者たちが存在しています。そんな若者ですが、間違いなくこれからの未来を背負っています。そして僕達も柔軟な考えを持って彼らから多くの事を学ぶことが重要なのです。そこで今回は、そんな今の若者たちが感じる会社への思いや違和感について、少し掘り下げて見ることにしました。

 

残業からして既に考え方が違う

 たとえば、残業についての考えとしては現代の若手社員の場合、残業自体が効率の悪さを露呈しているようなものと考えているようです。もともと終業時刻が決まっていて、稼働時間は8時間とわかっているのになぜ残業するのか理解できないのです。そもそも8時間とわかっていてその中で仕事を終わらせられないのはただの無能と感じているのかもしれません。確かに実際に時間内に仕事が終わらない人ほど成果が出ていないことが多いのも事実でしょう。しかし会社によっては、そう簡単に他に任せられないというのも現実にあります。それでも若者の理論は、そんな事態になっていることを上層部に伝えていないことのほうが問題と考えるのです。伝えているのに動いてくれないなら、さらに業務量の調整を依頼すべきであってそれができない調整力自体に問題があると感じているのです。

 

残業は悪

 そもそも残業と言うのは、今の若い世代にとってはただの無駄でしかないのです。残業代をもらうために効率悪く仕事をしているだけで、とてもみっともないと映ってしまうのかもしれませんね・・・。それに残業代をもらわないとやっていけないようでもアウトと感じるでしょう。いい生活をしたいなら、いい会社に入るべきだし、生活水準と自分の実力が見合っていないのもダメだという考え方もはっきりしています。とにかく効率を重視する若い世代の価値観を真剣に受け止め、決して無視することのないように僕達先輩は接していかなければなりません。

 

必要性を感じない年上への忖度

 上司というだけでできない人への忖度が意味不明と考える若手社員もいるでしょう。若手社員曰く、できない人に対して腫れ物に触るみたいに扱うのは意味が分からないと感じているのです。それと先輩達に対しても、もし仕事ができないなら、できない事を正直に会社へ報告すべきと思っているのです。そうでないと、いつまで経ってもできない人は求められている仕事とできている仕事の差分を盗んでいる給与泥棒のようなものだと感じ、「坊主丸儲け」のように思われてしまうのです。たとえ優秀な人材が不満を生んでいることに気付いたとしても、そのときには手遅れで貴重な人材が他所へと流出していくという最悪のシナリオも懸念されます。

 

若手が感じる先輩

 また、年上に対する敬意は必要でも、会社のなかでは不要と考える若手社員は多いようです。たとえば、ひとつのプロジェクトの場合、メンバーの中でリーダーかそうでないかは重要で当然、求められる役割は異なります。ただそうなるとリーダー以外のメンバーはみんな同列と考えるようになるのです。それなのに年上だからと言って幅を利かせられる事に矛盾を感じるのは当然といえば、当然かもしれません。そして、いばる暇があったら自分の仕事してほしいとなるのです。現実社会の中では確かに、仕事ができない人に気を遣って腫れ物に触るなんて状況は結構ありがちです。昔と違い年齢だけで偉そうな顔をされてもと感じるのが今時の若手社員なのかもしれません。ただ僕達も口には出していないですが、似たようなことを思ってましたけどね・・・。

 

柔軟性の無い会社の問題点を探る

 たとえば、副業の解禁をしないことで会社に引き止めている気になるような会社は、もはや自信がないだけと受け取られる時代です。副業を解禁して、人材流出につながるのが怖いんだと感じるのです。他にも安月給や、劣悪な環境で働かせている社員が外の世界を見て「こんなに快適に働ける環境があるんだ・・・。」と気付いて会社から去っていかれるのが怖いようにしか見えないと思われているのかもしれません。

今時なのが、1か所から収入だけでは不安と判断し、会社に何かあって倒産したりしてリストラなんかを想定するなどの保険代わりに副業を考える若手社員もいるようです。確かに就業時間内に副業するのはNGと、理解するものの就業時間外のことを会社にとやかく言われたくないというのが副業を望む若手社員の本心かもしれませんね・・・。

 

何を言うかより誰が言うかが重視される謎

 社内の雰囲気や風潮にも彼らは敏感です。とにかく何を言うかよりも、誰が言うかが尊重される雰囲気に違和感を覚えるのです。同じことを言っても、偉い人の発言には強大な力がある。それがどんなに理にかなってないことでもです。昔からよく言われるところの「上司が、黒といえば黒。白といえば、白。」というヤツですね。さんざん話し合って決めたプロジェクトの方向性を大きく揺るがすようなことを、役員が平気で軽率な発言する。それに対してどんなに論理立てて反論しようとも、役員がなんとなく言った一言のほうが尊重される現実に若手社員は嫌気が差しモチベーションを下げてしまうのです。そもそもエンドユーザーのことより、その役員の何気ない軽率な一言が尊重されるのにはさぞ理解に苦しむことでしょう。おまけにそん役員に限って、次の会議のときには自分の発言をすっかり忘れ「なんでそんなのにしたの?」と言ったリするので困ったものです・・・。

 

最後に

 ようするに若者たちが感じている違和感の中には、僕達が当たり前のようにやっていることが存在しているという事です。しかしそんな環境の中、効率を重視する姿勢や、発言者の立場に惑わされずにエンドユーザーのことを第一に考える姿勢など、彼らが彼らなりに仕事で大事にしていることが見えてきます。頭ごなしに若者が言うことはよくわからない!と適当にあしらうのではなく、同じ土俵で仕事をしている以上もっと若手社員の話に耳を傾けてみる事が、社会での共存する最善の手段である事を肝に銘じましょう。