松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

カロリーゼロのキャッチコピーに忍ぶ罠

 

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僕は、月に数回外食をするのですが、今までカロリーを気にして食事をしたことがほとんどありません。でも本屋に行くとカロリー関連の本が沢山並んでいます。テレビCMでもカロリーオフのビールにコーラ、ドレッシングに至るまでたくさん紹介されています。何故これほどまでに健康に気を使うのでしょう。現段階でも日本は、長寿大国であるのに、カロリーを気にしている人たちは何を目指しているのでしょうか?考えるに恐らく長生きを考えてる訳でも無く「ただただ健康に人生を全うしたい。」とか「スタイルの良いまま人生を全うしたい。」みたいな感じだと思います。そこでそれでもカロリーオフにこだわる理由があると言うならカロリーについて少し掘り下げてみたいと思います。

 

カロリーコントロールでとにかく安心

糖質やカロリーなど必要であるとかないとかで大盛り上がりの食品業界です。そんな中、カロリーゼロの人工甘味料入り飲料は、体形が気になる人にとっては心強い味方です。しかし、最近の研究では、糖尿病のリスクを高めるという指摘が出てきているようです。頼りすぎて、うっかりほかの食べ物でカロリーオーバーになってしまう人もいるようです。もしそれが本当だったら・・・。

 

 

本当に体に良いのか自分にあうのかを見極める

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 昨今、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの飲料コーナーでよくみかける人工甘味料入りの、いわゆる“ゼロ・オフ系”ダイエット飲料。カロリーを気にする人や、ダイエット中の人にとってはどれも馴染みがあると思います。しかし、実は一見ヘルシーにみえるこの人工甘味料は、体内の糖の代謝に影響を与え、糖尿病の発症リスクを高める可能性が指摘されているのです。更に言えば、人工甘味料は砂糖と違って、血糖値を上げることはありません。ですが、まったく別のメカニズムから糖尿病の発症に関わっている可能性が、さまざまな研究でわかってきています。人工甘味料とは「化学合成された甘味物質」の総称です。日本ではアセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロースの3種類がよく使われているといいます。一方、キシリトールやステビアなどは天然甘味料なので、人工甘味料とは別のものと考えて良いでしょう。

 

 

あんなに甘いのにカロリーゼロってどう言う事

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人の体内に吸収されるアスパルテームは、グラム当たりのカロリーは砂糖と変わりませんが、使用量はわずかなのでカロリーは限りなくゼロです。一方、アセスルファムカリウムとスクラロースは、生物がカロリーとして利用できる物質ではないため、完全にカロリーはゼロになるのです。ちなみにわが国の食品表示基準で「無〇〇」「〇〇〇〇ゼロ」「ノン〇〇〇〇」という表示は、100ミリリットルあたり5キロカロリー未満と決められているのです。人工甘味料は、これまでは肥満や糖尿病などの予防や改善に役立つとされてきました。しかしそれが、なぜ糖尿病の発症リスクを高めると言う、真逆の指摘がなされるようになったのでしょうか・・・。

そもそも注目を集めるきっかけになったのは、2014年にイギリスの科学雑誌ネイチャーに発表された論文にありました。「人工甘味料の一つサッカリンが腸内細菌叢(腸内フローラ)を変化させて、耐糖能の異常をもたらした」とする研究結果が報告されたのです。耐糖能とは、インスリンが血液中のブドウ糖を細胞に取り込む能力のことを言います。それが異常になると、血液中のブドウ糖を処理する能力が低くなり、糖尿病予備群といえる状態になるのです。そして最近の研究では、腸内フローラが糖尿病などさまざまな生活習慣病に影響を及ぼすことが明らかになっています。

人工甘味料が腸内フローラにどのような仕組みで変化をもたらすのか、また腸内フローラの変化がなぜ耐糖能異常を引き起こすのかなど、未解明な部分もまだまだ多いようです。ただ、このほかにも人工甘味料が糖尿病の発症リスクを高める研究がいくつか報告されているとのことです。

 

 

人工甘味料が脳をコントロールする

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その一つが人工甘味料が脳の錯覚をもたらし、食べすぎを促すことです。通常、炭水化物や糖質をとると、ブドウ糖が血液中に取り込まれて血糖値が上がりますが、人工甘味料では血糖値は上昇しない。そのため脳は食事量が足りないと錯覚し、食べすぎてしまうのです。このほかにも、「人工甘味料の強い甘さに慣れると甘みの感覚が鈍くなり、より強い甘さを欲するようになります。即ち甘味への依存性ですね。「腸にも甘みを感じるレセプターがあり糖の吸収を高める」といった問題も報告されています。一般的には、肥満傾向があり、糖尿病になりやすい人がダイエット飲料を好むと言われています。つまり、人工甘味料が糖尿病のリスクを高める”のではなく、“そもそも糖尿病になりやすい人が人工甘味料をとっている訳です。

 

 

人工甘味料自体がリスクになっている可能性

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人工甘味料が悪いのではなく、安易に頼りすぎていることが問題なのです。ダイエット飲料でカロリーを控えたから大丈夫だろうと気を抜いて、揚げものなど油っぽい料理ばかり食べたり、食べすぎたりする人がいますが、本末転倒。脂質1グラムあたりのカロリーは砂糖の2倍以上あるので、結果的にカロリーオーバーとなり、肥満や糖尿病のリスクを高めます。やはりカロリーを気にするのであれば、日々の食事の内容にもしっかり気を使うべきでしょう。糖尿病のリスクを下げるもの、上げるものが混在していて、結論は出ていないのです。だからこそ、上手に使って、健康管理に役立てることが大事になるのです。

 

 

最後に

とにかくカロリーは過剰摂取によって甘味への依存性をもたらす危険性もあります。また、空腹時に飲むと、血糖値が上がらないため低血糖が起こることも危惧されます。食後にちょっと甘いものがほしいときに利用するなど、人工甘味料のとり方には工夫が必要です。やっぱりこんな難しい事を考えながら食事をしたら美味しいものが美味しく思えなくなります。なので僕は、これからも何も考えず外食をしたいと思います。