松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

散りも積もれば山となる老後の恐怖

 

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まだチョッと先の話になりますが、確実に訪れる老い。そして定年になりいよいよ働けなくなった時に、出来る事なら財布の中を気にせず暮らして人生を終えたいものです。しかしなが、現実は厳しくもちろんリッチな老後を迎えられる人もいるでしょうし、逆にそうでない人もいるはずです。その中間という人もいるでしょうが、その場合はリッチの部類に入れてよいでしょう。そしてそんな恐ろしい将来の明暗を分けるのがあるとしたら、いったいなんなんでしょうか・・・。それは意識せずに行っている月々の出費や日々の習慣に隠されているのです。そこで今回は、どちらに転ぶか分からない老後について考えて見ました。

 

老後の医療費が生涯に使う半分を占める現実

人ひとりが一生涯に使う医療費の総額は平均で約2522万円(厚生労働省平成24年度の医療費資料)とされています。僕の住む亀岡だと土地付きの一戸建てが買えちゃいます。因みにこれは健康保険適用前の金額なので、実際の自己負担額はもっと低く抑えられていますが、人が一生に使う医療費はけっこうな金額に及んでいる事がこれで伺うことが出来ます。そしてとくに気になるのが高齢期の医療費です。

年齢階級別の医療費は高齢になるほど急激に増え、生涯医療費の半分は70歳以降に使われるそうです。しかも、ここでカウントしている医療費は、診断や手術、入院、投薬といった病院や診療所、薬局などでかかる直接医療費と呼ばれるものだけなのです。病気になると、このほかに通院のための交通費、食事療法の費用など直接非医療費もかかります・・・。

それに治療のため仕事を休むと最悪収入が減る可能性もでてきます。経済学的には、ある行動を選択することによって失われる利益を機会費用というそうですが、家計全体への病気の影響はかなり大きいようですね。そして高齢期の医療費を押し上げる原因のひとつが若いときからの生活習慣だそうです。たとえば、肥満や高血圧症の人は医療費が高くなる傾向が強く十二分に注意する必要があるのです・・・。従ってこれらを早い段階で見つけることが、生活習慣を見直すことになり結果として医療費の削減にもなるのです。

 

人生の後半で使う驚くべき医療費

仮に、過去10年間ずっと肥満だった人がそれ以降に支払っている医療費は、肥満とは無縁だった人のそれよりも、1年間で約2万円多いそうです。その肥満が進むと糖尿病を発症するリスクが高まります。それに、糖尿病はさまざまな合併症を引き起こすことで負担が大きくなっていくのです。つまり糖尿病の代表的な合併症である網膜症を発症した場合、健康保険適用前の入院医療費は何と年間47万円です。さらに60歳で発症して合併症が増えていったと仮定すると、60~78歳までの19年間の負担は驚きの約727万円にも及ぶのです。また、男性は体重が20キロ重いと糖尿病の医療費が2.5倍になるといったデータもあるそうです。女性の場合は少し低めの16キロ差だそうです。

とにかく肥満は、見た目が、太ったということ以上に深く医療費と関係しています。たとえば、食べすぎ、飲みすぎの習慣が続くと、経済的にも不経済な人生が待っているものです。また、ここで注意すべきは歯のケアです・・・。歯そのものだけでなく、近年は歯周病と糖尿病との関わりが判明しているそうです。老年層が、リタイア前にやるべきだったと後悔している事柄の健康面のトップは、歯のケアを怠ったことだそうです。僕の親父も元気な頃は、子供の心配をよそに「どうもない!」と偉そうに言ってましたが、今では総入れ歯です。

 

運動不足は老後の医療費を膨らます

そして生活習慣にかかわるもうひとつの病気が高血圧症です。過去10年間、ずっと高血圧だった人がそれ以降に支払っている医療費は、高血圧ではなかった人よりも1年間に約3万円も多いそうです。しかし、逆に生活習慣を見直すと、医療費が抑えられて家計もそれなりに改善されます。不健康な生活習慣によって抱えるリスクには肥満、高血圧、高脂血症、高血糖が挙げられますが、リスク要因が多いほど医療費も増えていくのです。リスクが1つから4つに増えると10年後の医療費は年間約3万円増えると考えましょう。とにかくリスクを減らすためには生活習慣の見直しが必要ですが、糖質を抑えた食生活や禁煙もありますが、運動の習慣もつけたいものです。たとえば、運動する回数を週1回から2回に増やすだけで病院への受診が1%減少するとします。さらに、1日1時間以上歩くと5年で約5万円医療費が減るという統計もあるそうです。

 

最後に

こうした疾病は生活習慣のほか、遺伝や社会環境も大きく関係しているかもしれません。生活習慣さえ見直せば病気にならないわけではありませんが、早期に手を打っておけば症状の悪化を抑え、老後の医療費増大を抑える可能性はあるのです。財布の中を気にしない老後を送りたいのであれば、まずは1日1時間のウオーキングから始めてみてはどうでしょう・・・。