松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

国の年金制度をどうしても信じられない理由とは

 

 

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遂に石油ストーブを登場させてしまいました。懐が寒い分、せめて部屋の中くらいは、暖かくしようと思い少し早い目のデビューです。とにかく朝夕は、5℃前後しかないので我慢できませんでした。おかげですごく暖かいですよ。居間のストーブは、アラジンの古いヤツです。使えなくなっていたのを去年レストアして復活しました。この冬のデビュー前に芯の掃除もしたので美しいブルーの炎でメラメラ燃えています。各部屋は、それぞれ石油ファンヒーターをセッティングしました。さて、今回は先行き不安な年金について違う角度から調べてみました。

 

なぜ年金制度をあなたは信じられないのか

2014年11月に公表された日本生命の保険加入者を対象としたアンケートで、将来受け取るであろう国の年金額の水準について、20歳代では17%、30歳代でも11%が「受け取れないと思う」と回答しているそうです。受け取れる金額の予想を聞いてみると10~20万円くらい、などの回答が多かったようですから、相当の年金不信であると思われます。年金制度を若い人ほど信じられないのは一般的に言われていることですが、そもそもなぜ信じていないのか、その信じない理由には根拠があるのか、と問われれば多くの人は「なんとなくそう思う」と答えるのではないでしょうか。今回はマネーハック目線で「なんとなく信じられない」について逆の角度から光を当ててみたいと思います。「なんとなく信じられない」はもしかしたら実態のないものを疑うようなもので、ことわざにいう「疑心、暗鬼を生じる」かもしれません。

 

 

今は負担しかしておらず実感ができない仕組みだからです

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そもそも、年金制度ほど若い人が実感できず不公平感を感じる制度は無いと思います。というのも、「子どものころから学生の時代」「社会人として働く時代」「年金生活時代」と3つに人生を分けたときに、「社会人として働く時代」は負担のみで制度に負担感しか感じられないのは当然の事でしょう。しかも、保険料の負担をする期間はとても長く、20歳から65歳までとすれば45年間ひたすら払い続ける勘定になり、その間全く貰う事はできないからです。実際に年金を受けられる年齢になると、この制度があってよかったな、と実感することになる予定ですが、とにかく20~30歳代にとっては制度のメリットについてリアリティが全くないのです。中には若い時分に年金制度のありがたみを感じることもありますが、これは障害年金の受給であったり遺族年金の受給の対象になった場合のみです。親が早く亡くなったとき遺族年金のおかげで高校卒業まで苦労せずすんだ人や、事故やけがで障害年金を受けられたので年収が下がっても生活が維持できるような人の話はよく耳にします。しかしその割合はやはり少数だと思います。

 

 

いい話は報じられず、悪い話だけ報じられるから

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年金についてはマスコミ的に悪いニュースのほうがウケがいいのか、悪いニュースはたくさん報じられ、よさげなニュースは殆ど報じられないのが現状のようです。例えば、以前、年金運用が大損したとニュースを見たという人が沢山います。今でも年金の運用は下手だからじきに財源がなくなると思っている人は、沢山いるのではないでしょうか。噂によると今現在、年金運用は過去最高水準の残高を積み上げているそうですが、恐らく殆どの人は知らないことでしょう。雑誌やテレビが盛んに「年金破たん特集」を組んでいましたが最近はみかけなくなりました。運用で儲かったことは、運用損が報じられたと同じくらいには報じられないのが現状です。厚生労働省が徹底的なシミュレーション結果を公表したので、まともな学者ほど破たんは口にできなくなったからです。「65歳から無職で年金は75歳受け取りになる」というような煽り(あおり)記事は今でもありますが、「実は年金は破たんしなさそうです特集」は見当たりません。

 

 

「損得」が一番分かりやすい制度

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誰もが恐らく年金は払い損だと思っているようですが、実は年金制度だけが、損得を計算しやすい制度になっているのです。損得が計算しやすいことが結果として制度の不信感を高めているのかも知れません。例えば、住民税や所得税、消費税を払っていて「これが払い損か得か」僕自身もそうですが、実は誰も分かっていないのではないでしょうか。なんとなく損だと思っていて不信感を持っていても、誰も「20代はマイナス」とか言ってくれないので、まあそんなものかなと思っていることでしょう。健康保険料で損得を考えたとき、得をする人は保険料以上に病気やけがの治療費がかかっているわけなので、これは損得が合致しません。保険料で得をしても、日常生活上は闘病生活を送っているわけで、あまりいい状態とはいえないからです。年金制度だけが「年金をもらう=老後を元気に楽しく生きる」という状態であり、仕組み上も保険料の負担と給付額が明確にわかります。損得が計算しやすい訳なのです。よく見えることが、制度の不信感になっている、というのは皮肉なようですが、一面の真実なのです。

 

 

そもそも仕組みを知っていないからそう思う

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そして最後の理由は「知らないで不信を持っている」ことです。これは根深い問題です。実は世の中に「知らないけど、まあそんなもんだろう」と受け入れていることはたくさんあるのではないでしょうか。先ほど住民税の損得、というのがありましたが、例えばゴミ処理にかかる費用や実務的な諸問題について不公平感を持つ人はほとんどいないでしょう。住民税の一部が使われているのだろう、くらいにしか考えていないはずです。実は国民ひとりあたり年18200円くらいがゴミ処理のための費用負担ですが、この費用でよく維持できている、と思いませんか?もしかしたら、年金記録問題のトラブルや給付のトラブル、個人情報流出のトラブルがなければ、私たちは「仕組みはよくわからないけど、まあそんなものだろう」と年金制度を見守ることができたのかもしれません。しかし、年金制度も制度の理解を深めるほど、よく考えられた仕組みであり、不公平をできるだけ大きくしないように細かい工夫が凝らされている仕組みであったりします。知らない、が「不信」の原因だとしたらそれは実にもったいないことです。

 

 

最後に

確かに不信感そのものをゼロにすることは難しいかもしれません。しかし根拠のない不信感は少しだけでも減らしてみてはどうでしょうか。それに不信感をゼロにする必要もありません。我々国民が疑いの目を向け、厳しく監督をしていくことも大切なことだと思います。しかし、個人レベルの未納者は、個人レベルで将来に報いが来ますので絶対にやめておきましょう。将来の年金がもらえなかったり、少額になってしまうだけだからです。文句も愚痴も言いつつ、でも保険料もちゃんと払って、将来の年金受給の権利はなくさない。これが年金との正しい付き合い方のような気がします。