松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

住宅ローンを組む時の覚えておきたい心得

 

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人にもよりますが、新しい家庭を作る時に最初に考えるのは、やはり住む所ではないでしょうか、いわゆる我が家、マイホームですね。一戸建ての狭小住宅からマンションそして億ションに至るまで考え方は、様々です。もちろん賃貸というケースもありますし今回テーマにする購入という考え方もあります。僕自身は、どちらが正解かはよく分かりませんが、今回は住宅ローンについて、即ち購入について考えてみたいと思います。

 

家を買う場合に使う住宅ローンの罠

マイホーム購入に踏み切る時に不動産屋へ住宅ローンの相談をすると、必ずといっていいほど、「毎月返済額は8万円ですから、お客さまの年収なら全然問題はありませんよ」などと、当面の負担が軽く見えそうな資金計画を勧められると思います・・・。しかし、いくら欲しいからとは言え、担当セールスの甘い話を鵜呑みにし、何の疑いもなく買ってしまうとたいへんなことになります。まさに失敗する人の典型的なパターンです・・・。契約前にもう一度冷静になり購入条件を見直しましょう。例えば、月額は8万円でもほかにボーナス時返済が組み込まれているのが一般的であったりします。なので、たしかに毎月分は8万円なのですが、ボーナス時返済がその6倍の48万円で、ボーナス月の返済額は56万円にもなってしまったりするのです。

毎月の8万円だけなら、年間96万円の返済なので、まだまだ年収の低い人でも十分にやっていけそうですが、それにボーナス返済の48万円×2回の96万円が加わるとなると、年間の返済額はいっきに192万円になるのです。月平均にすれば16万円になるので、30万円、40万円程度の給料では生活がとうぜん難しくなります。そうなると、少なくとも月50万円くらいは必要です。年収にすれば600万円は必要になって来るでしょう。

これではカツカツの生活になってしまい、夢のマイホーム生活どころか、恐怖の暗い生活になってしまうでしょう。この返済額でゆとりある生活を送るためには、少なくとも700万円~800万円の年収が必要だと思います。

 

 

いくら借りられるのでしょうかは間違い

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いくらまで借りていいのかは、実際に自分たちの家計をチェックして、月々いくらまで返せるのか、年間ではいくらまでなのかを確認し、その範囲内に借入額を抑えるのが賢い利用者となります。「いくら借りられるのか」ではなく、「いくらまで返せるのか」で判断しなければならないのです。その場合のチェック方法としては、金融機関が住宅ローンの審査などで利用している「返済負担率」の考え方を利用するのがいいとされています。返済負担率というのは、住宅ローンの年間返済額が年収の何%を占めるかを示す指標です。たとえば、毎月の返済額が8万円、ボーナス返済が48万円なら、年間の返済額は192万円だから、年収600万円の人だと、返済負担率は、「192万円÷600万円=0.32」で、32%ということになる。年収800万円なら、「192万円÷800万円=0.24」だから24%という計算になります。

この返済負担率、民間金融機関ではどこまでOKなのかなどは公表していないそうですが、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して実施されているフラット35というローンでは、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下となっています。民間金融機関の多くでも、この基準が適用されているとみられています。

 

 

返済負担率は極力抑えるように心掛ける

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この返済負担率の基準からすれば、上の年収600万円で年間返済額が192万円の場合、返済負担率は32%だから、400万円以上の条件をクリアしている。だから、銀行の審査上は問題ないのですが、それはあくまでも審査基準上の話です。実際の家庭における家計管理上の考え方はまた別物になります。年収600万円といっても、それは額面の話なので、ここから各種の税金や社会保険料、生命保険料などを差し引くと手取りは500万円ほどに減ります。そのうち192万円を住宅ローンの返済で持っていかれると、残るのは300万円ほどになります。それで、果たして生活していけるのか少し疑問が残ります。恐らく生活にゆとりはなく、将来や万一に備える蓄えなどの余地はほとんどなくなってしまうでしょう。そうなるとたとえ、年収が400万円以上であっても、600万円程度の場合には、返済負担率は25%程度に抑えておくのが無難でしょう。かりに800万円程度なら30%まで引き上げていいだろうし、1000万円を超えれば35%でもOKだったでしょう。この範囲内で決して無理をしないのが賢い判断と言えます。

 

 

まずは無難な返済負担率25%で考える

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年収が1000万円を超え、各種の資産がある層であれば返済負担率35%でも全然問題はないでしょうが、そうでない人は年収別に返済負担率をしっかりと抑えて、安全で安心できる資金計画がマイホーム取得の可能性を引き出します。その結果、必要なお金を調達できないことが明らかになれば、ここはいったん立ち止まって、もう一度マイホームの頭金づくりから始める事をお勧めします。そこで、実際にどれくらいの物件まで手が届くのか、返済負担率25%で試算してみましょう。

 

 

利用するのは金利1%の住宅ローン

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返済期間は35年で、ここではボーナス返済なしで計算年収400万円だと、返済負担率25%の年間返済可能額の上限は、「400万円×0.25」で100万円。月間にすれば8万3333円までになる。それに対して、金利1%、35年返済のローンだと100万円当たりの毎月返済額は2,822円なので、毎月返済可能額の上限8万3333円をこの2822円で割ると約29.5という数字になります。つまり、100万円が29.5回借りられるので、借入可能額は2950万円ということになります。同じように、年収別に返済負担率25%で計算すると、次のようになります。

返済負担率25%の借入可能額(金利1%、35年元利均等・ボーナスなし)

年収    借入可能額

400万円  2950万円

600万円  3540万円

800万円  5900万円

1000万円 7380万円

 

返済負担率30%の借入可能額(金利1%、35年元利均等・ボーナスなし)

年収    借入可能額

400万円3540万円

600万円5310万円

800万円7080万円

1000万円8850万円

 

返済負担率35%の借入可能額(金利1%、35年元利均等・ボーナスなし)

年収    借入可能額

600万円6200万円

800万円8260万円

1000万円1億0330万円

 

つまり、年収1000万円を超えれば、返済負担率35%の場合、住宅ローンだけで1億円以上の調達が可能になり、それに手持ちの現金などを加えれば、都心部の超高層マンション上層階のプレミアム住戸などの取得も十分ターゲットに入ってくるのです。全般的にマンションの売行きが鈍化しているなかでも、高額物件は順調に売れているといわれるが、その背景にはこうした高収入層の存在があるとされています。

 

 

収入合算なら高級マンションも買えちゃう

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でも、世の中、そんなに恵まれた人たちばかりではない。まだ比較的若くて給料もさほどではない、あるいは年収は一定額に達していても、定年も近いのでそんなに無理はできないといったさまざまな事情を抱えている人たちもいるはずです。そんな場合には、親子や夫婦で協力して住宅ローンの借入れを行う方法もあります。我が家がまさにそうです。それが「収入合算」と呼ばれるものなのです。金融機関などによって規定は異なるが、夫婦であればどちらかが名義人で、一方が連帯債務者になることで合算が可能になり、親子でも同様の事が言えます。親子の場合には、リレーローンにすすれば、親の年齢が高い場合でも最長の35年返済を利用できるといった返済計画も可能となります。たとえば、夫の年収が400万円で、妻も400万円なら収入合算して800万円として借り入れることができる場合があります。上で見たように、年収400万円だと返済負担率25%の借入可能額は2950万円だが、800万円になれば5900万円に増えます。金融機関によっては合算相手の年収は半分までしか加算できないといった規定を設けているところもあるそうなので、その点は事前の確認が必要になります・・・。

 

 

最後に

我が家も猫の額程の敷地に狭小マイホームを建て家族3人で暮らしています。僕は、小さい頃から父の仕事の関係で引越しが多かったせいか全てマンションや団地の生活でした。なので、自分が家族を持つときは、たとえ畳み一枚分の土地にでも家をた建てて住みたいと思っていたので、今は大満足です。しかしながら住宅ローンは、もうしばらく終わりそうにないので、完済し終えるまでもうひと頑張りたいと思います。

 

 

参考著書:
家を買う。その前に知っておきたいこと(日本実業出版社)
マイホーム購入トクする資金プランと税金対策(学研プラス)