松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

貧困が生み出される本当の理由

 

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今朝、暖かいのは分かっていたのですが、各部屋の暖房機に残る灯油を空にすべくストーブに火を入れたところ発見したのですが、寒い時期は、ストーブに火を入れてもすぐに暖かくならないのにこんな陽気でストーブを焚くとあっという間に部屋が暖まるというか暑いです。この春中に残りの灯油を使い切れるか自信がなくなってきました・・・。さて、今回は全然なくならない貧富の差について考えてみる事にしました。今の世の中、世界のお金持ちが増えても、貧しい人はなぜか貧しいままです。このまま格差が広がると、世界はいったいどうなるのでしょうか・・・。 

 

そもそも貧困になるのは自分のせい or 誰かのせい

世界銀行によると、1日あたりの生活費が1.9ドル(約210円)未満という貧困状態(絶対的貧困)の人々は、世界で約8億人(2013年時点)もいるというのです。こうした人々へ支援の手を差し伸べることは殆どの国で緊急の課題となっているそうです。一方、先進国でもその国の平均的な水準に比べて所得が著しく低いという貧困(相対的貧困)が存在するのです。もちろん、日本も例外ではありません。貧困は世界のどこにいても、いくつかの要因が重なれば誰にでも起こりうるのです。それなのに何故か世間では、貧しい人は努力が足りないとか、能力がない、運が悪かったなど、個人の問題として考えられてしまいがちなのです。それでも社会の構造に問題がある以上、個人の問題ではなく社会の問題として考えなければ、このままだと、ますます格差は広がっていく一方でしょう。

 

絶対的貧困

栄養不良や高い乳児死亡率など、人間として最低限度の生活を営むことができない貧困状態。最貧国と呼ばれるアフリカ・南アジア地域に多い。

 

相対的貧困

国民を所得順に並べたとき、真ん中の順位の人の50%以下の所得しかない状態。日本やアメリカなど先進国にも多く存在している。

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お金持ちに都合のいい社会のルールとは

今、世界のほとんどの国の経済は自由市場というしくみで動いています。個人や企業などがそれぞれのもうけを最大限に追求し、自由に競争し合うことで世界全体の富が増えれば、貧しい人まで恩恵が行き渡るという考え方のようです。しかし実際にはそうはなっていないような気がします・・・。社会のルールづくりは一部のお金持ちが影響力を行使することが多く、彼らにとって都合のよいルールは、なかなか変えることができないというか変える必要が無いのでしょう。それでも一部の経済学者が今の経済理論を見直す必要があると強く指摘してみても、そのしくみに変わるものが何か、まだ明確な答えが見つかっていないようです。特に格差が広がるアメリカでは、2011年以降、「ウォール街(金融街)を占拠せよ」という抗議デモが起きています。要するに一般市民が私たちは99%と主張し、富を独占する1%に対する不満が爆発しているのです。しかしながら日本をはじめ、世界の国々はアメリカと同じ制度を取り入れているので、格差の拡大は世界中に広がっていく可能性が極めて高いのです。

 

自由市場

自由な意志や行動から生じる経済活動の利点を主張する「自由主義」に基づいた経済活動。政府による介入や規制をなるべく排除して自由に行われる。

 

 

貧困が生まれる主な理由

想定外のアクシデント

貧困は世界のどこにいても、病気やケガ、事故、失業、離婚などの要因によって誰にでも起こりうります。周りに家族や友人、コミュニティーなどの支えがないと立ち直ることが難しく、社会的に孤立して貧困に陥ってしまう人も多くいるのです。

 

世代間の連鎖

貧困は次の世代に連鎖します。例えば日本においては、中学校・高校卒業者の約半数が非正規雇用で、正規雇用の3分の1の給料しかもらえていないそうです。年収が低いと子どもの教育にもお金をかけづらくなります。このように、いったん陥るとなかなか自分の力だけでは抜け出すことができないのが貧困の現状です。

 

非正規雇用

派遣会社と契約して派遣先の会社で仕事をする派遣社員、時間と期間を決めて、時間単位で賃金をもらうパートタイマーやアルバイトなど。今、日本で働く3人に1人が非正規雇用のようです。

 

 

貧困を放っておくとどうなるか

他人の貧困は自分と関係ないと思っていても、貧困が広がることで社会にはさまざまな悪影響が出ると考えられます。たとえば、下のような要因で社会が不安定化すると、経済の生産性が低下し、それを補うための公的負担、個人の税金も増えます。社会への不満をためた人によるテロの影響を受ける可能性も出てきます。つまり、一生貧困とは無縁という人にとっても、よくよく考えると何かしらの影響があるのです。

 

 

日本国民の6人に1人が貧困

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日本は世界でも豊かな国の一つです。貧困なんて存在しないと考える人も多いようです。しかしOECD(経済協力開発機構)によると、日本は先進国のうち、アメリカに次いで2番目に全体の相対的貧困率が高い国なのです。国民の6人に1人の約2千万人が貧困ライン以下で生活しているといわれています。特に一人親(その多くはシングルマザー)の世帯の過半数が貧困という状態が長く続いているのです。このような国は先進国のなかでも日本以外にないといいます。

 

OECD(経済協力開発機構)

先進国が加盟する国際機関で、現在の加盟国数は35。経済・生活水準の向上や、発展途上国への支援、世界貿易の拡大などが目的となっている。

 

 

生活保護費の引き下げで対象者与える影響

貧しい人のための社会保障制度に生活保護があります。日本では高齢化に伴って、生活保護費の受給額は年々増えていますが、生活保護制度の捕捉率(生活保護を受ける資格がある人のうち、利用している人の割合)は2~3割といわれています。これは世界の国々と比べてもとても低いそうです。そんななか、政府はさらに2018年度から生活保護費の引き下げを決めました。都市部の一人暮らし、子どもが多い家庭の引き下げ率が大きくなるといわれ、問題になっているそうです。

 

 

最後に

本当に難しい問題ですね・・・。以前、タイにバイクツーリングした時、立ち寄るそれぞれの町や村でナイトバザーが、毎日のように開催されていました。そんな時必ず道に座り込んだ子供連れのお母さんや体にハンディーのある人がいました。日本では、さすがにそんな風景は、見ませんが現実に世界規模で見てみると驚くほどの貧しい人たちが、いることを改めて認識しました。

 

 

 

参考資料:月刊ジュニアエラ 2018年3月号より