松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

やり過ぎはよくない恐怖の糖質制限

 

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近頃は、春というかまるで夏ですね・・・。昨日も京都の日中は、26℃くらいまで気温が上がったようです。桜もさぞビックリしている事でしょう。そんな春の陽気のなか花見やBBQなど、屋外での飲食が増える時期でもあります。そこで僕のような中年が、気にしなくてはいけないのが、糖質の摂りすぎです・・・。つい先日も健康診断でD判定を貰ったばかりなので、自分を抑えるのが大変です。そこで今回は、そんな糖質も「制限し過ぎると良くないよ」と言う事で糖質制限について調べてみる事にしました。

 

摂りすぎると糖尿病摂らなさ過ぎると認知症

ご飯やパンなどの炭水化物の摂取量を制限する糖質制限ダイエットが巷では流行っているようです。しかし、糖質いわゆる炭水化物が分解されてできるブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源なのです。なのでむやみに減らせば当然、脳に悪影響が出て来るのでこの方法でのダイエットは、考え直さないといけないかもしれませんね・・・。

 

糖質制限が必要な2型糖尿病

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それでも一定の糖質制限が必要な人たちがいます。代表的な例が、血中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなる糖尿病患者です。中でも、食事を含む生活習慣が発症に大きく関わっている2型糖尿病患者は、糖質摂取量を抑える対応が必要だといわれています。血糖値の高い状態が長く続くと、次第に血管が障害されます。細い血管が障害されると、失明の危険がある網膜症や人工透析が必要になることもある腎症、手足の感覚がまひする末梢(まっしょう)神経障害などが起こるそうです。太い血管が障害されると、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞といった直接命を脅かす病気も起きやすくなるそうです。

 

 

低血糖とアルツハイマー病の関係

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ただし、いくら糖尿病であっても、糖質制限が行き過ぎると逆に問題が起こります。たとえば、糖尿病患者は血糖値を下げる血糖降下薬を服用している場合が少なくありません。近年、血糖降下薬の服用時には、血糖値が下がりすぎる低血糖発作を起こさないようにすることが重要視されているようです。低血糖を起こしている高齢者の糖尿病患者は、糖尿病にかかっていない人と比べて、アルツハイマー型認知症発症の危険性が約1.6~2.4倍になることも分かって来ているそうです。脳細胞は加齢とともに減少します。糖質が脳のエネルギー源であることから考えれば、脳細胞が減少している高齢者の場合は、若者よりも低血糖が脳にダメージを与え、それが認知症につながるという理論は極めて妥当なのです。

 

 

糖新生(とうしんせい)は非常措置

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最近は、健康な若年~中年層で、ダイエットを目的に極端な糖質制限を行っている人もいるようですが、全く糖質を取らない方法は問題のようですね。極端な糖質制限で体内のブドウ糖の量が低下すると、ヒトの体は脂肪や筋肉を分解することで糖質を作り出し、それをエネルギー源にします。これを糖新生と呼ぶそうです。確かに、脂肪や筋肉が分解されればダイエットはできます。しかし、糖新生はあくまでも非常措置なのです。停電時に自家発電機を稼働させるのと同じ事なのです。そうなると自家発電機を動かすには当然、燃料が必要になってきます。緊急事態を乗り切るために脂肪や筋肉を燃料に変えているわけですから、長期間続ければ当然体に異常が生じます。脳の働きは鈍り、めまいや冷や汗が止まらなくなり、最悪の場合は低血糖発作で意識を失ってしまいます。実際、糖質制限による低血糖発作で病院に救急搬送されたという事例も時々あるそうです。

 

 

高齢者はフレイルの危険性が高まる

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高齢者が極端な糖質制限食を行うと、若者と比べて一層危険が増大します。高齢者の多くはたいてい筋肉量が低下しています。極端な糖質制限による糖新生が起きた場合、筋肉量はさらに低下し、著しく心身機能が低下した状態の「フレイル」に陥りやすくなります。「フレイル」になると、そうでない人と比べて死亡率が上昇したり、風邪をこじらせて命の危険を伴う重度の肺炎にかかりやすくなったり、日常動作で転倒・骨折の危険性が増大したりするなどさまざまな悪影響が起こります。フレイルは、以下のような加齢に伴う心身の変化と社会的、環境的な要因が合わさることにより起こります。

  • 加齢に伴う活動量の低下と社会交流機会の減少
  • 身体機能の低下(歩行スピードの低下)
  • 筋力の低下
  • 認知機能の低下
  • 易疲労性※2や活力の低下
  • 慢性的な管理が必要な疾患(呼吸器病、心血管疾患、抑うつ症状、貧血)にかかっていること
  • 体重減少
  • 低栄養
  • 収入・教育歴・家族構成など
※2 易疲労性:すぐに疲れてしまうこと、疲れやすいこと

 

総摂取カロリーの6割は糖質で

 

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1日に必要なカロリー摂取量は、年齢や活動性、病気の有無などによって異なります。しかし、カロリー摂取量の約6割は糖質から摂取することが望ましいとされています。これは糖尿病の患者も同様なのです。具体的にいうと、健康な人の場合は、茶わん1杯分のご飯を1日3回食べるのが最も適切です。活動量の低下している高齢者ならば1日に2杯程度でも問題ないようです。活動量が多い若年者ならもう少し多くても食べ過ぎとはいえません。やや肥満傾向がある人ならば、心持ち減らすのがいいでしょう。いずれにせよ、昨今の糖質制限食ブームに対しては、まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

 

最後に

僕の周りにも、認知症で困っている人は、それなりにいます。特に本人と言うか家族の人たちが、大変そうにしているのをよく耳にします。当人は「ボケたら皆に迷惑がかかるし嫌だな~・・・。」なんて思っているでしょうけれど実際には、ボケてしまうと本人には、その時点で自覚が無くなり、結局の所家族に大きな負担を掛ける事になるのです。この記事を書く直近まで糖質制限を意識していましたが、今日からは、制限を少し緩めて行きたいと思います。

 

参考資料:毎日新聞医療プレミア