本当に体に良い食べ物ってどれ?
健康になるためにと果汁100%のジュースを飲んでいる人がいる。また、テレビ番組などで紹介された食材やCMなんかで紹介されるサプリメントなど色々チャレンジしている人は多いと思います。しかし実際は、生の果物をそのまま食べるのは健康に良いが、果汁100%のフルーツジュースは健康に悪いことが、複数の研究からわかっているそうです。また、βカロテンやリコピンといった成分が体に良いという科学的証拠がないというのも驚きです・・・。というわけで僕たちの口に入る食物の中で、いったい何がよくて何が悪いのか調べてみる事にしました。
あふれかえる健康情報いったいどれがホント
インターネットの発展もあり、健康に関する情報が入手しやすくなりましたが、その一方で多くの間違った情報もあふれかえるようになったような気がします。はたして、今世の中に流れている健康情報は本当に正しい情報なのでしょうか・・・。そこで科学的根拠のない健康情報とは、一見正しそうなものを見てみましょう。
- 炭水化物は健康に悪く、食べると太る。
- βカロテンやリコピンは健康に良い。
- 果汁100%のフルーツジュースは健康に良い。
専門家によるとこれらはすべて間違いだそうです。炭水化物は健康に悪く、食べると太るという考え方は、実は正確ではないようです。炭水化物の中にも健康に良く、食べてもあまり太らない炭水化物と、健康に悪く、食べると太る炭水化物があるからであるそうです。因みに最先端の医学によると白米は体に悪いのが常識になっているようです。
それでは健康に良い炭水化物とは
玄米、全粒粉、蕎麦のように精製されていない炭水化物のことだそうです。そして反対に健康に悪い炭水化物というのは、白米、小麦粉、うどんのように精製されている炭水化物、それに砂糖もです。βカロテンを含んだ緑黄色野菜そのものは病気の予防に役立つと考えられているそうですが、緑黄色野菜からβカロテンを抽出しサプリメントとして摂取すると、逆に膀胱(ぼうこう)がんや肺がん(ただし喫煙者に限る)の発症率が高まることが、複数の研究によって明らかになっているとの事です。また、リコピンに関しては有害であるという研究結果がないだけまだましかもしれませんが、抽出されたリコピンを摂取することで病気を予防したり死亡率を下げたりするということを示した研究はないそうです。因みにリコピン摂取によって悪玉(LDL)コレステロールが減ったという小規模な研究が2007年と2013年に発表されたそうですが、実際に脳梗塞などの病気を予防したという研究結果はないそうです。
果汁100%のジュースが健康に良い訳ではない
フルーツジュースと加工されていない果物とでは、健康に対する影響が180度異なることがわかっているそうです。最新の研究によると、フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高い一方で、果物の摂取量が多い人ほど糖尿病のリスクは低いことが明らかになっているそうです。果物の中でも、ブルーベリー、ブドウ、リンゴを食べている人では特に糖尿病のリスクが低いそうです。また、体重との関係においても、フルーツジュースを飲む人ほど体重が増加している傾向がある一方で、果物を食べている人ほど体重は減少していると報告もされているそうです。
一概に医師や栄養士が正しいとは限らない
医者や栄養士が言ってた・・・。と思う人もいるでしょう。専門の資格を持っていると正しいことを発信しているように見えますが、残念ながらそうとは限らないそうです。医学部ではあまり食事や栄養のことを習わないため、医師は案外食事に関するきちんとした知識を持っていないことも多いそうです。2008年に行われた調査の結果、アメリカの医学部のわずか27%でしか最低限(年間25時間)の食事や栄養に関する授業が行われていなかったことが明らかになっているというのですから驚きです・・・。確かに栄養士は、一般人に指導することに関しては秀でていますが、科学的根拠に基づく正しいものであるかどうかを判断するために必要な専門知識(統計学や疫学と呼ばれる学問)を持っていない人もいるのです。
本当に健康に良い食品とは
それでは、具体的にどのような食事すればよいのでしょうか。数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は
①魚
②野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)
③茶色い炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ類
逆に、健康に悪いと考えられているのは、
①赤い肉
(牛肉や豚肉。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
②白い炭水化物
③バターなどの飽和脂肪酸
つまり、白米や小麦粉を使った白いパン、うどんといった精製された炭水化物、牛肉や豚肉、バターは避け、玄米や全粒粉を使ったパン、蕎麦、魚、野菜、果物、オリーブオイル、ナッツなどに置き換えるということです。このような食事をすることで、脳卒中、心筋梗塞、がんなどの病気を減らし、健康を維持したまま長生きする確率を上げることができるというわけです。ただ誤解のないように付け加えると加工肉、赤い肉、白い炭水化物などは「体に良くない」と説明しているのであって、「食べるべきではない」と言っている訳ではありません。要はほどほどという事ですね・・・。
最後に
現実問題、甘いものが好きな人にとっては甘いものを食べることで幸せな気持ちになり、幸福度が上がるかもしれません。そういう人にとっては、甘いものをゼロにすることで健康にはなるけれども人生がまったく楽しくなくなってしまうことになる様な気がします・・・。なので、そのような場合には、幸福度と健康をてんびんにかけて、毎日少量の甘いものを食べるという食事を選択することでやりくりする事をお勧めします。食事によって得られるメリットとデメリットを十分理解したうえで、面倒臭くならない程度に何を食べるかをチョイスしましょう。