松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

人が続かない会社を見極める

 

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僕の人生において今のこの時期は、競馬でいうところの第4コーナーを曲がり最後の直線でラストスパートとです。ただ、今は人生100年時代です。と言うわけで、今は、次の人生となる第二レースのスタートをしたばかりという解釈になります。そこで今回は、そんな風に思っている人たちの第二レースについて考えてみる事にしました。新卒、第二新卒、第三新卒、第四新卒がいる激戦区にまみれながらできれば、次の転職を最後にしたい達成感のある会社を見つけたいなど、ミドル世代の転職の悩みは尽きないところです。しかし実際には、入社した会社の理想と現実のギャップが大きすぎて辞めざるをえなくなり、気がつけばいたずらに転職回数が増えていたという人もたくさんいるのが現実のようです。そこで定着率と離職率が高い企業には、どんな違いがあるのでしょうか。

 

離職率が高い会社の共通点とは

企業の経営者や人事責任者の思いとしては、経営戦略を実現するために、必要な人材要件をどう定義すべきかとか、求める人材にどう自社の魅力を伝え、自社に興味を持ってもらえるかというものが殆どだと思われます。しかし、中には、離職者が止まらない。このままでは事業が回らないからなんとかしたいという、深刻な企業もあります。

 

 

慢性的な労務課題

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長時間労働やサービス残業など、1人あたりの業務量が多く、労務問題が常態化している会社が典型例です。生活と仕事の境界を逸脱しすぎた会社は、ベンチャーであっても老舗企業であっても、やはり人材流出は止まりません。背景には、過度なノルマや目標管理など、従業員よりも短期利益を重視する考え方が人材流失の大きな原因の1つと考えられます。それにハラスメントの常態化です。これも問題外ではありますが、今もパワハラ、セクハラ、モラハラなどのハラスメントが横行している会社はまだまだ存在しているようです。古くから在籍する社員が多いと、集団的にそれが当たり前の状態になっているため、中途入社で入った人が続かないという現象を繰り返すことになります。事前に例えそういうことがあっても「大目に見てね・・・。」という甘えがある人も多いのではないでしょうか・・・。

 

 

人材育成面での課題

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本質的に人材を重視していないために、自社の事業や職務でどういう道筋で人材を育成していくかの知見がたまらず、従業員に成長感を提供できないという企業も多いようです。人はこの会社でこれ以上働いても成長できないと思い始めると、退職を検討する状態が継続化しやすく、いったん結婚・出産などのライフイベントが起こると、いとも簡単に会社を離れていきます。それに輪をかけて事業戦略が不明瞭さも退職の引き金になります。事業戦略が不明確だったり、抽象的だったりする会社などがそうです。また、戦略そのものが共有されていないというようなケースも問題です。企業内における基幹戦略そのものが存在せず、無数の戦略が各部署で消化されて行くといった感じです。結果的に市場内での影響力が上がらず、社員は、会社の展望が不明瞭だから将来が不安という事になります。

 

 

コミュニケーションにおいて相互的不協和音

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組織秩序が機能せず、コミュニケーションがうまくとれない企業は離職が多くなるといいます。部署間で利害が異なり対立するケースや、幹部層の権力闘争で派閥が形成されているケース、さらには派閥どころか全員がバラバラに孤立し組織といえない状態など、社内の空気は冷え切ってしまい、風土にいたたまれなくなった人から順に離職していくという事になるのです。それに重要な問題のひとつとしてやはり、給与・待遇の不整備が明暗を分けます。同業他社と比較して給与が低すぎるというケースがもっとも典型的な例です。正当な労働対価としての報酬が支払われなければ、あっという間に人は離れてしまいます。その人の仕事に見合った報酬は、会社の存続と発展のための最も重要なファクターでもあります。

 

 

機能していない人事評価システム

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たとえば、10年以上も人事制度の見直しをしていない会社は、評価制度の機能不全に陥っている事があります。経営目標の実現に向けて、人それぞれのミッションが明確に設定されていて、結果や成果が数値的に公正に評価される仕組みがあるかないかによって、当たり前ですが働きがいは大きく変化します。それにミッションが不明確、または拡散しているなども問題です。そもそも人事評価制度と表裏一体ですが、仕事内容や責任の範囲が不明瞭だったり、当初と話が違ったりすると、人はやる気を失ってしまいます。特に、中途採用などで求人広告などから聞いていた仕事内容と違う。なぜ募集時の条件と違うのかという違和感は、消えない不信感となり、退職意欲を誘発します。

 

 

人に期待と尊重する会社は定着率が高い

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それでは、人材が長く定着し、かつ活躍を続けている企業とは、どういう企業でしょうか・・・。会社の風土やマネジメントポリシーで、昔からそうだったという企業もあれば、離職課題が明確になったのちに、課題を乗り越えるために努力をして風土を変えてきた企業などが考えられます。そういう企業には、従業員一人一人が尊重され、その人の強みに期待されていたり、スキルアップや成長を実感できるシステムがあります。それに入社前に想定していた魅力と現実のギャップが少ないとか、職場の人間関係が安定していてストレスが少ない、努力や結果がしっかり評価され、課題も率直に指摘されるといった問題のある企業とま逆のシステムが導入されているのです。定着率の質が高い企業は、どうやら人間がやりがいを感じるメカニズムに着目して、個々人の能力を生かせる体制の構築に成功しているようです。そして、多くの従業員が高い当事者意識を持っているとしたら、これほど強い組織はないでしょう。

 

 

最後に

仕事に対しての自分自身が持っている価値観が、いざ転職してから違和感を覚えるのは当然想定に入れておく必要はあります。それに、キャリアの遠回りをしないように、仕事内容や年収などの情報収集もとても大切です。しかし、とりあえずは自分が大切にしている価値観の有無を明確にし、その価値観に合う企業を見つけることが、自分自身のやりがいを引き出すファクターになるのではないでしょうか。