松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

忖度や空気など人と接するのが難しい訳

 

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昨日から京都は、まあまあの大雨です。この雨の中朝から車両の引き取りに行って参りました。トラックに積み込んでいる時は、日頃の行いが良いのか、なんとか一瞬雨が小降りになり事なきを得ました。それにしても今回の連休で大きなトラブルや事故で店にお客様から連絡が無かったので正直ホッとしています。オートバイは、クルマのように側が無いので何かアクシデントが起きる=怪我なんて事に成りかねませんからね・・・。いずれにしてもオートバイに限らず車もそうですが、車の流れを読み、安全運転で走行することに越した事はありません。ところで、車の流れを読む・・・。ですが、社会においても読むは、大事です。いわゆる「空気を読む」です。これが上手に出来ないと、時たま面倒臭いことになる事があります。そこで今回は、「空気を読む」について切り口を変えながら考えてみたいと思います。

 

出世するタイプに意外と多い空気が読めない人

会社などで社内を見回すと、世渡り上手で、尚且つ空気を読んで行動することにずば抜けているのに失脚していく人間もいれば、空気をまったく読まない言動が多いのに上司から気に入られて出世していく人間もいるのが世の中なのです。上司からすれば空気を読める部下のほうが使い勝手がいいはずだし、空気を読まない人間とは一緒に仕事もやりにくいはずです。それなのに、なぜそんなことが起こるのでしょうか・・・。この謎は「空気を読む」という言葉を「忖度する」という言葉に置き換えると解決します。昨年の〇〇学園問題や大企業のデータ改ざん、昨今の政権与党へのメディアの自主規制など、さまざまな事件や問題が立て続けに起こったためにネガティブなイメージが定着してしまいましたが、そもそも「忖度」は「相手の気持ちを推し量る」という意味を持ち、戦わず、平和的に物事を進める日本ならではのコミュニケーションツールなのです。

 

 

人の気持ちをくみ取って対応する文化

自分基準で行動して自己主張する欧米では、言葉で伝え、説得し、意見が通らなければ闘いも辞さないという文化があります。だから裁判や争いごとが絶えないのでしょう。対して日本では、自分の主張を相手に言葉ではっきり伝えたり、前面に押し出したりすることはヤボとする考え方があり、「自分勝手な主張は見苦しいから」と遠慮をして口に出しません。受け取る側もそんな相手の要求や思いをくみ取り、気持ちを察して対応する文化があります。たとえば、取引先との会食時、ビールグラスが空きそうなとき。招待された側は自分からお替わりを要求する事はまずありません・・・。普通招待した側が先回りしてグラスを満たすなり、新たな注文をする。これも1つの「忖度」です。この時、自分が接待する側の最年少で社歴の浅い平社員であった場合は、入り口に近い下座で率先して注文をしたり、話はふられたときにだけして熱心な聞き役に徹するといったことがよしとされます。逆に先方のグラスがずっと空いたままでも気にも留めず、自分の追加注文だけをしてしまったら、相手のことを思いやれない「KY(空気が読めない)な人」「忖度できない人」になりますし、上司から「ビールを追加して」と指示を受けないと注文しなければ、「言われたことしかやらない人/できない人」と見なされます。

 

 

どちらにしても減点されがちな日本の風潮

このように、日本で「忖度」や「空気を読む」ことは歓迎されるにもかかわらず、「空気を読みすぎて失敗してしまう人」がいます。それは「忖度しすぎる人」です。たとえば、上司から「なにがなんでも前年の売り上げを上回るようにしろ」と言われて売り上げの数字を改ざんしてしまう」とか、上司と仲のよい取引先から不当な要求を受けたときに、上司の顔をつぶさないようにと勝手にその要求を受け入れてしまうとか、上司から「次のコンペではライバル企業に絶対に勝とう!」と言われたため、コンペの前に取引先にリベートを渡したといったことがあげられます・・・。忖度しすぎる人は相手がそこまで望んではいないことまで深読みして勝手な判断でやってしまいます。ただただ手柄を立てて認められたいという承認欲求が強かったり、出世欲の強い戦略的な人だったりするからなのです。「忖度」とは相手のことを思いやる気持ちから生まれるものですが、忖度しすぎる人の思考は、上司のために自分が一肌脱いだ。そんな自分は評価されるだろうという、自分中心の考え方に陥っているのかもしれません。

 

 

人と接点を持つのになれないタイプ

空気を読みすぎて失敗する人=忖度しすぎる人と空気が読めない人=忖度できない人に共通していることは、コミュニケーションに慣れていないという点です。忖度しすぎる人は、上下関係を意識して育ったものの、どの程度の忖度でコミュニケーションをとればいいのか案外わからないものです。上司の表情や言葉尻、その場の雰囲気を深読みしたり、思い込みをしたりすることによって忖度しすぎてしまううえ、気を利かせて動いている自分に陶酔してしまう人もいるはずです。

 

 

空気を読む or 読めない人の特徴

空気を読みすぎる人の特徴としては、上下関係のあるところで育った人に多く見られると思います。また、認められたいという意識がとても強い人にもその傾向があります。それにバイタリティーがあり戦略家であり、全て独断で物事を推し進めるところがあります。なので「ホウレンソウ」といった報告・連絡・相談が苦手なのが特徴です。反対に空気を読めない人の特徴として上下関係のないところで育った可能性が高くどちらかといえば、ほめられて育った人にこのタイプが、多いと言えるでしょう。あとどちらかといえば、洞察力や想像力があまり働かなかったり、相談事などのコミュニケーションは、メールで済ませることが多いなどがあげられます。

 

 

最後に

最近になってやたら使われている「忖度」ですが、本当に幼い頃から体に染み付いている人のほうが多いような気がします。それに僕的には、中々良い文化だな~と思います。気持ちを汲み取るのもそうですが、汲み取られた時は、凄く恩に感じる事があります。確かに、何事もやり過ぎはよくありませんが、ほどほどは、やはりアリだと思います・・・。