松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

褒めると伸びるはまんざらでも無い

 

f:id:rjmatsumura:20180715004434j:plain

予想通り今日の京都は、猛暑でした。午後3時の段階では驚きの39度に到達。僕達がこの熱を出したら、確実に病院行きです。そして僕はその時間帯丁度、納車説明で炎天下の中オートバイの操作説明を必死で行っていました。またこんな日に限って複雑な電子デバイスが沢山付いている車両だったので、僕もお客様もヘロヘロになりながら説明の時間を切り抜けました・・・。さて、話題はコロッと変わりまして、誰に対してでもいいですが、たとえば、部下や後輩もしくは自分の子供に至るまで褒める事に対し躊躇した事があるでしょうか。また考え方として褒めすぎは甘やかしだと思うとか、甘えていては成長しない・・・。などという考えです。僕が思うにこの様な思考は年代にもよりますが、結構多いと思います。冷静に考えてみて日本の職場環境に人を褒める文化がなじまないのは、そういった考え方が根強いからかもしれません。そこで今回は、人を褒めて伸ばす仕組みについて考えてみたいと思います。

 

褒めて伸ばすを確立させ社会に根付かす

改めて考えるに本当に人は褒めても育たないのでしょうか。当然中には、自分は褒められずに成長してきたと言う人もいるでしょう。しかしながら、時代は昔に比べ確実に変わっています。なので、今の企業を取り巻く環境や若い人の気質を理解し、世間に対しアンテナを高く張り対応していく事が、今の社会の正しいあり方かもしれません。


褒める事を軽視しし続けてきた日本

さすがに今は、褒めることが大事だとなんとなく分かっていたとしても、それができない人が多いのはなぜでしょう・・・。もともと日本人はコミュニケーションがうまくいくルールを分かっていないかもしれません。世の中には、コミュニケーションに関する書籍や記事はたくさんあります。しかしたいていの人は、なんとなく読んで、感覚的に理解した気になっているのかもしれません。海外、特に米国ではコミュニケーションに関する研究が膨大にあり、より科学的な理解が進んでいる印象があります。日本では職場に限らず、組織の同質性が高く、「言わなくても分かる」「厳しく鍛える」という文化が昔から根強くあります。そのせいか、「褒める」ために使う言葉自体が少ないように見受けられます。

たとえば、英語の場合、「すごいね」という言葉だけで

  • great
  • special
  • awesome
  • good
  • wonderful
  • fantastic
  • excellent
  • spectacular
  • super

ザッと思いつくだけでもこれだけあります。

 

甘やかすのはよくない根拠を考える

日本の企業はそもそも褒めなさ過ぎなのです。褒める仕組みを取り入れたところで、褒めすぎるということはありません。褒める回数が少ないので、いくら褒めたと思っていても、マイナス100だったのが、せいぜいマイナス50になる程度でしょう・・・。この褒めなさ過ぎの状態が、企業に与えるマイナスの影響は計り知れないものと考えられます。ある調査では、約1000人のサラリーマンのうち、84.1%が「褒められるとやる気が出る」と答えたそうです。しかし、実際に上司に褒められている人は約4割だそうです。特に40代男性は、27.1%しか褒められていなかったそうです。褒められること、もしくは認められることがモチベーション向上に繋がるとわかっているのに、なぜかそのニーズが満たされていないのが現状のようです。

 

会社は社員を愛情を持って育てる

最近注目され始めたエンゲージメントというのがあります。これは、簡単に言うと会社に対する従業員の愛着度を示す指標だそうです。そして日本の場合はこのエンゲージメントがどうやらかなり低い傾向にあるそうです・・・。転職が一般的になったとはいえ、海外と比べると1つの会社に長く勤める人が多いのにもかかわらず、会社を全く信頼していないとか、愛社精神が希薄であるというのが現状のようです。それは、考えるに職場のコミュニケーションがうまく機能していないからだと考えられます。昔から日本の企業では、何かすごいことを成し遂げたら褒める。という感覚があるようで、褒める頻度が非常に少ないのです。

 

社員の褒め方を考える

しかしながら、習慣を変えることはなかなか難しいものです。恐らくどうやって褒めたらいいのか分からないのではないでしょうか・・・。どんな場面で何を見ていれば、自然に褒めることができるのでしょうか。そこで、褒めるためには必然的にトレーニングが必要だということです。これから紹介するのは、ある海外の研究で示されたモデルケースです。それは、「褒める」を意味する「PRAISE」の頭文字で、褒めるための考え方について表現しています。

「P」Public or Private 「個別に褒める」「公の場で褒める」を使い分ける

「R」Recognize 相手の行動を認める

「A」Authentic うわべではなく、心から伝える

「I」Immediate すぐに、今ここで言葉にする

「S」Specific 良いところを具体的に指摘する

「E」Enthusiastic 熱心に伝える

 

人は説得ではなく対話で動く

普通、人を動かすためには「説得」にかかる人が多いですが、人は説得ではなく「対話」で動くそうです。そして、それを意識していれば褒めることに繋がるといいます。どういうことかというと、・・・しなさいと自分の考えを押し付けるのではなく、対話によって「何が問題なのか」を相手に気付かせるようにするのです。そうすれば、こちらも相手の小さな変化や行動に気付くことができ、良いところを指摘するきっかけがたくさん生まれるという訳です。そしてそれを意識することで、「いつも頑張っているね」とか「あなたは仕事ができるね」といった曖昧(あいまい)な表現ではなく、具体的な行動をその場で褒めることができるようになるそうです。

 

最後に

日本企業は圧倒的なコミュニケーション不全に陥っていると思います。言わなくても分かるという時代はとっくに終わったのです。正直昔のやり方はもうほとんど通用しません。現代の若い人はSNSの承認し合う文化に慣れています。したがって古いコミュニケーション方法しか知らない人たちも何とか頑張って新しいコミュニケーション方法を探っていくしかないのです。面倒くさいからといって褒めずに放っておくか、うまくテクニックを使って若い人を動かしていくかのどちらかなのです。世間の常識が変わったのであれば、自身も変えるしかない様ですね・・・。