松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

猛暑が及ぼす作業能率低下と命の危険

 

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暑い日が続いています。ニュースやワイドショーなどでは連日のように、国内各所で今年の最高気温が更新されたことを報じられています。つい最近も岐阜で今年初の39℃超えとなりさらには、埼玉県熊谷市では41度1分を観測し、観測史上、国内で最も高い気温となったと思えば、東京や岐阜県、山梨県でも気温が40度を超えたそうです。とにかく危険な暑さが続くようなので、熱中症には、充分注意しましょう。

 

猛暑が仕事の生産性を下げる

猛烈な暑さの中、今年も各企業や庁舎でクールビスは始まっているようです。弱冷房の電車に揺られて出勤し、エアコン設定温度28℃の社内で、はたして人は生産性を高めて仕事ができるものなのでしょうか。答えは「NO」です。というのは、室内の気温が25℃を超えると作業効率が落ちると言われているからなのです。たとえば、大手企業の電話交換手100人を対象に1年間かけて実施した調査では、室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下したと公表されています。また、有名大学の研究機関でも、東京に建つ標準的なビルで冷房設定温度を25℃から28℃に上げると15%の省エネになり、クールビズ期間中のオフィス1平方メートルあたりで72円の得になるとの試算を発表しています。しかしその反面、作業効率の低下で同期間中の1平方メートルあたり1万3000円の損失を生じるという結果も出ています。そこで今回は、暑さで生産性が落ちまくっても、なんとか持ちこたえる方法をを考えてみたいと思います。

 

猛暑に負けない仕事のやり方

これだけ暑いと仕事の効率が落ち、ついつい残業が増えてしまうなんて事もあるかもしれません。そこで何とか仕事全体を効率よく圧縮する事が手っ取り早いと思います・・・。まず最初に量をこなす、そして時間を決める、次に型をつくる、最後は型からはみ出たものは自分でやらないとなります。最初に方向性を決めるために量で提案し、時間を決めて遵守します。最終ゴールに向けて型をつくり、余分なものは自分でやらずに、他人を巻き込んで効率的に仕事をこなしていく、という方法をとるのです。

 

成果を生み出す本当の効率を探す

因みにパレートの法則(80:20の法則)というものがあります。ビジネスにおいて売り上げの8割は全顧客の20%が生み出している、仕事の成果の80%は費やした時間全体のうちの20%の時間で生み出されているといった、経済学の理論なのです。あとABC分析といったものもそれに属した分析方法といえるでしょう。たとえば、最初の20%の時間で全体の80%の仕事達成を目指す。具体的に言えば、仕事の締め切りまで10日間あるなら、最初の2日間で多くの関係者に全体像を確認して、意見や要望を集めて80%完成させる。早い段階で一定レベルの成果物をつくることで、問題点や改善点も早めに把握することができるので、結果完成度の高い仕事をこなせるという理屈です。

 

面倒な仕事から片付けていく

結果を出す人は仕事全体の20%にあたる高い成果に繋がる仕事を意識して仕事に取り組んでいるケースが多いとされています。高い成果に繋がるか否かを基準にして、時間の割り振りや仕事の力の入れ具合を考えます。そして、高い成果に繋がる仕事の中でも特に自分にとってきつい仕事や手間のかかりそうな仕事に、真っ先に手を付けることが確実な成果を上げる秘訣ともいえます。手間のかかる仕事は多くの時間や行程数を要するものが多く、見直しも発生します。とにかく早めに始めておけば、不測の事態が起こったとしても期限内に収める余裕が生まれます。それに、何事も事前に確認しておけば、周囲からのアドバイスや協力を早めに得られるメリットがあり、確実で質の高い仕事を実現することができるのです。

 

仕事の効率は短く区切ることで変わる

仕事を効率的に進めるには集中力が必要ですが、普段でも途切れやすい集中力は、暑さでより切れやすくなります。そこで仕事を短く区切ってしまい、短期集中で取り組めるようにするのです。たとえば、自分自身が集中して仕事をこなす時間を1セットとして刻んでいきます。もちろん、最初に決めた時間よりもっと短い時間に変えても問題ないでしょう。とにかくうまく気分を切り替えながら、1日で集中する時間を増やすことができれば、結果的に仕事の効率化に繋がるのです。

 

働き方自体を見直す事が重要

この猛暑の中、暑さで生産性が下がっても、なんとか残業しなくて済む工夫について、考えてみました。しかし本当は、個人の努力だけでなく、会社が抜本的に働き方のシステム」を変えるべきなのです。猛暑と呼ばれて熱中症も心配されるような日や、災害で帰宅困難が予測されるときなどは、会社が社員に対して「わざわざ出社しなくていい」と早い段階で伝えるようにするべきなのです。海外ではテレワークが発達し、出社できなくても自宅勤務で業務を回せるシステムが普段から確立しているため、緊急時には社員の出社時間前に「出社しなくてよい」という決断が下されるそうです。このように命に関わるようなケースなど、猛暑日も熱中症などで病院への搬送者が出る以上、常日頃から注意は欠かせない。ビジネスパーソンにとては、生産性が落ちるどころか命に関わる危険な日さえ、ありうるのです。

 

最後に

日本人はとにかく我慢とか忍耐という言葉が好きというか、美徳とされる節があります・・・。周囲の雰囲気に疑問を持ちつつひたすら従う人が多いと思いますが、言葉にしないと付いてささえもらえない理不尽なことが沢山あると思います。海外では、こんなことばがあるそうです。If you’re not part of the solution, you’re part of the problem.:解決策の一端を担わないなら、あなたも問題の一部だ・・・。この言葉は1960年代のアメリカで起きたもので、一般的には黒人党派の初期のリーダーであり、作家で政治活動家のLeroy Eldridge Cleaverエルドリッジ・クリーバー(1935-1998)の言葉だそうです。まさにその通りですね。疑問に感じていることを甘んじて受けてはダメなのです。足もとで起きていることは、そのままにしておくと次も繰り返されます。全ては、自分の為と思い身の回りの問題を片っ端から片付けていく力を身につけましょう。