松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

パワハラが及ぼす最悪のストレス

 

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 最近パワーハラスメントについての話題が、メディアからも職場からも様々な方向から入ってくるようになりました。現実問題それに助長してかパワハラによるストレス障害の労災認定も続々と増えているようです。種類も様々で深刻なものからそうでないものまでとにかく巷には、沢山の種類のパワハラが、潜んでいるようです。僕の周りでも、少なからず問題として燻っています。鎮火方法は、色々あると思いますが、とりあえず最初にしておきたいことがあります。それは、自分を支えてくれる人間を確保することです。親、兄妹、友人、知人・・・。とにかく精神的にバランスを崩しそうになるとき支えてくれるパートナーが、必要不可欠なのです。そこで今回は、パワハラが、精神に及ぼすストレスについて考えてみたいと思います。

 

パワハラが影響で起こるストレスは弱いところに出る

パワハラを含む強いストレスを受けた際の反応は、その人の弱いところに現れる傾向が多いとされています。精神面でいえば、うつ症状やイライラ、不眠などが代表的症状です。体の面では、普段から血圧が高い人は大きなストレスが加わるとより血圧が上がり、動悸を感じやすくなります。また、消化器系が弱い人は下痢、胃痛、吐き気。通勤電車で腹痛を感じる過敏性胃腸症候群もよく耳にします。あと、呼吸器系では呼吸困難、過呼吸などがあります。いずれの場合も、症状が出る前の対策するに越した事は、ありません。

 

病的な症状にまで発展した場合の対処法

そしてストレスに対する早期自覚とのセルフコントロールも必要です。ストレス要因を特定し、自分で対処する方法を普段から考えるように心掛けておく。たとえば、上司のパワハラがストレス要因だとしても、すぐに人事異動できるとは限らず、キャリアを考えると休職は慎重を期すべきだからです。なのでひとつの対処法として、ストレスを週末まで持ち越さず、その日のうちにストレスを解消する。まさに1日決算主義を心掛けるのです。パワハラで悩む多くの人は、たいていの場合帰宅しても、寝ていても上司の顔が浮かんできますが、意識的にオンオフの区別をつけ、自分の時間を大事にすることで症状が和らぐ場合があります。大切な事は、食生活や起床時間などが乱れていると症状が悪化する場合があるので、規則正しい生活を心がけることも大切です・・・。

 

理不尽な扱いを受けた怒りは治まり難い

ただ、パワハラの内容が強烈で、心身に大きな影響がある人には、労働基準監督署への相談も選択肢に入れなくては、なりません。厚生労働省の発表によると、ハラスメント(職場での嫌がらせ)で労災が認定されるケースは増加し続けているのです。2017年に仕事が原因の精神障害で労災認定を受けた人は506人で、初めて500の大台に乗ったと、なっています。精神障害の要因は「嫌がらせ、いじめ、または暴行」が最多で、前年比14人増の88人だったそうです。

 

精神科医の見解を聞く

従来は、人格や人間性を否定する言動があった時にハラスメントと見なされていました。しかし、最近はパワハラの解釈が広がり、本人が不快なことを何度も繰り返す執拗性(しつようせい)が重視されているようです。たとえば、先輩女性社員が悪気無く、後輩女性社員に「あなたまだ結婚しないの? 結婚っていいわよ、子どもはかわいいわよ・・・。」という発言も、それが連日で、本人にとって著しく苦痛であればパワハラになる可能性が充分あるのです。労災申請だけでなく、ハラスメントを理由に損害賠償を請求する民事訴訟を起こす人もいるそうです。そしてたいていの場合、会社側の対応にネガティブな感情を抱いている場合が多いとの事です。ハラスメントを受けて理不尽な思いをすると、人には自動的に怒りの感情が強く出現します。理不尽さに基づく怒りはその後も強く長く続くため、普段は訴訟など考えないような人でも、訴訟に踏み切ることがあるようですよ・・・。

 

証拠集めには録音やメール

仮に訴訟問題にまで発展した場合、裁判で有利に争うとすると、客観的な証拠を保全しておくことが重要になってきます。たとえば、パワハラ上司の言動をこっそり録音したものは有効なのでしょうか・・・? まず認識として「本人の同意のない録音は、基本的には違法収集証拠となります。しかし、公正な裁判のために必要だと裁判所が判断すれば、証拠採用されることが多いそうです。被害者はもちろん、加害者の濡れ衣を着せられそうな人も録音しておくほうが賢明でしょう・・・。録音機の持ち込みができない場所だったり、そもそも録音機がなかったりする場合は、速やかにメモをとることも有効です。確かに、証拠としての能力は少し落ちますが、パワハラの状況を具体的に記録したメモは有効なのです。ポイントとしては、パワハラの現場を離れてすぐ、なるべく時系列で5W1Hに沿って書くことです。相手の言ったことを感情的に羅列するだけでは裁判所で証拠として採用され難いので注意しましょう。また、パワハラの相手との連絡は、普段からなるべくメールを使ったほうがいいでしょう。日時がしっかり残るメールの履歴は、裁判で証拠として採用されることも多いそうです。それに何通もやりとりがあれば、書いている人の成熟性や理性が第三者にも分かります。必要なタイミングで必要なメールを送っているのに、パワハラの相手が返信を拒否していれば、不誠実な行動であると必然的に見なされます。

5W1H

いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)という6つの要素をまとめた情報伝達のポイントのことをいう。5W1Hに沿って整理し、5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすく、もれなく伝達することができる。もとは新聞記事を書く際の原則ですが、ビジネスの場面では報告書・メールの作成時や、口頭で状況を説明する際に応用される事がある。

 

最後に

冒頭でも書きましたが、パワハラを受けている最中は、「どうすることもできない」「誰も分かってくれない」という視野狭窄に陥ることがあります。しかし、積極的に相談したり、自分自身のものの見方を変えてみたりと、打つ手は複数あることを覚えておいてください。パワハラなんかで1分たりとも時間を無駄に使わないようにしましょう。