出費はある日突然やってくる
当時、まだ誰もが社会人駆け出しの頃は、考えたり気にも留めなかった問題が、それなりにあったと思います。そしてそんな問題は、年を重ねるごとにリアルな出来事として身近なものになって訪れて来ます・・・。身体的な面もそうですが公私共に環境面も大きく変化していきます。特に現役から定年に近付きだすと収入面や貯蓄、自宅のリノベーションといった様々な経費など問題が山積みです・・・。そしてそんなお金が有ると無いとで大きく明暗を分けるのです。そこで今回は、そういった今までたいして考えていなかったこれからのお金について特に突発的に発生する出費について考えてみたいと思います。
家計を襲う出費のリスク
どこの家庭でもそうだと思いますが、人生の3大支出といえば、住宅資金、子供の教育資金、老後資金だと思います・・・。僕の場合は、今のところ住宅ローンと子供の教育費の2大支出です・・・。何らかの形で経済的支出が伴う以上、これらの「支出」はリスクと捉えておいたほうがいいかもしれません。とは言っても、たいていの場合計画的に準備することが多いと思われます。前述したように3大支出(リスク)はまだいいのですが、問題は、ある日突然やってくるかもしれない第4のリスク。すなわち、親が要介護状態になってしまったときの経済的リスクです。
その日は容赦なく訪れる
子供が小さいからとか、受験期だからといったこととは関係なく、親の介護は突然やってくる可能性があります。最近ではダブルケア(育児と介護の同時進行)という言葉で表現されるようになっているようです。親が要介護状態になった時のことはデリケートな問題でもあり、なかなか話題にしにくいものですが、それでも手を打たなければいつまでもリスクのままなのです・・・。決してやり過ごすことの出来ない定めなのです。それにこの問題をたとえ放置していても不安感が広がるばかりです。僕も3年前に他界した母親が五十代で脳梗塞を発症して20年間ほどほぼ寝たきり状態でした。実家が少し離れていたのと父親がメインで母親を介護してくれていたので、どっぷりダブルケアにはなりませんでした・・・。
家族会議は元気な時にしておく
何れにしても事態が起きて直面してから、親族でもめるのもわずらわしいで、できれば、話し合う時期も、まだ元気だから・・・。ではなく、元気な時こそ、家族で腹を割って話すことで共通認識を持ち、できる範囲で準備も始めたほうがいいのかもしれません。あと、念の為に親御さんに、老後の住まいや介護についての希望を聞いてみましょう。非常にデリケートな問題でもある為、こうしたことを「嫁」という立場でかかわるとあまりよい結果にならない気がするので、実の娘、実の息子の立場で、それぞれが確認する事をお勧めします。
介護される側のニーズ
介護される側のニーズを確認する項目として、いくつか挙げてみました。実際書いてはみたものの、こうしたことをダイレクトに聞くことは、それぞれの家庭の事情にもよりますが、中々難しいかもしれませんね・・・。
老後の住まい
体が動かないまたは1人になった時の住まい
- 今の家に住み続けたい
- 夫婦と二世帯住宅で住みたい
- 夫婦と同居したい
- 夫婦の近くに家を買う(借りる)
- 有料老人ホームなどを検討している
- その他
病気
病気で入院したときの治療費など
- 用意してある
- 加入している民間の生命保険・医療保険でまかなうつもり
- 年金から支払う
- その他
介護
介護が必要になった場合
- 施設入所を希望する
- 在宅介護を希望する
実際に必要になる資金面の備え
聞くところによると最近の考え方として、介護は自分の資産で・・・。という考え方が浸透しつつあるそうです。親世帯に金融資産がたくさんある場合は心配はないですが、ゆとりがないときや、ゆとりはあっても子どもの側がいつでも資金的な援助ができるようにしておきたいという場合には、教育資金同様、資金的な準備をしておく必要があります。現実問題として、子ども世帯にとって、親が倒れることは二重のリスクです。医療・介護の費用がかかるとともに、看護や介護のために仕事を休んだり、ときには辞めたりすることがあれば、犠牲にするものも大きくなると考えられます。介護離職も多いようですが、基本的に仕事は辞めないようにしたいものです。そうでないと確実に、自分たちの老後の余力が失われますからね・・・。
最後に
一般的に介護が必要になる親を持つ子供世代は、住宅ローンに教育資金がかかる中、介護はかなり大変な ことかと思います。現実問題として親に万一のことがあった時の経済的リスクに備える貯蓄として、300万円程度を準備しておけば、取り合えず大丈夫だそうです。特に遠距離介護が見込まれる場合は交通費もばかにならないので、ある程度、長期化しても耐えられるように準備をするとも考えておかなくてはなりません。仮に親が健康で介護用の貯蓄を使わずに済んだ時は、最終的に子どもの教育資金や自分の老後資金に回せます。第4のリスクに備えるには、親を被保険者とする介護保険(終身型)に加入することのほか、専用の貯蓄をしてもらってもしもの時に備える方法も検討しておくべきでしょう。