松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

自覚の無いストレスが心を病む

 

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やはり昨日の豊臣秀吉のお墓参りは、こたえました。約500段の階段往復は、久しく経験していない筋肉痛を僕に与えてくれまいた。昨日の今日なので加齢気味の僕の肉体だと明日は、もっと痛くなるでしょう・・・。「明日歩けるやろか?」さて、今回は身体的な部分は、横に置いて精神的な部分を考えてみたいと思います。僕は精神科医では、ありませんが、様々な職場での経験上多かれ少なかれ誰もが抱える「ストレス」について大きく二つに分けられていると考えています。一つは、自覚のあるストレスです。いわゆる原因が明確でその問題が解決すると必然的に緩和するものです。そしてそれとは逆に自覚の無いストレスがあります。何か原因が分からず、ナーバスになったり体調不良を起したりと心身ともにゆっくりと衰弱して行くのが、このタイプです。

 

自分の感情がわからない失感情症(アレキシサイミア)

生きる為に毎日忙しく働き、それなりにかなりのストレスを溜めているにも関わらず、自分の辛さをはっきり自覚できない。同僚や家族からは「最近、疲れてない?」「無理しているように見えるよ」などと言われても、何故かピンとこない。「みんなおかしなことを言うな~・・・。」と感じた場合、それはひょっとして失感情症(アレキシサイミア)の可能性があるかもしれません・・・。これは受け売りですが、そもそもアレキシサイミアとは、米国の精神科医、シフネオスが提唱した概念だそうです。どういう事かと言うと、自分の感情を意識できず、感情を言葉や態度によって表現しにくい状態を意味するそうです。

因みに失感情症の状態にある人は、過剰なストレス状況下にあっても、つらい感情を意識しにくいため、状況を改善させたり、周りに助けを求めたりせず、頑張り続けてしまうことがあるようです。その結果、身体に負担がかかってしまい、胃潰瘍や潰瘍性大腸炎、狭心症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの心身症(心理的因子が影響して発症する身体疾患)を発症することが少なく無いようです。

 

ストレスが自覚で無い分心のつらさが増す

失感情症によって心身症を発症すると、胃の痛みを感じて取り合えず胃腸科へ・・・。咳が治まらないので呼吸器科へ・・・。というように、まず身体疾患の専門医を受診することが一般的のようです。しかし、身体疾患を治療しても、原因となるストレスをコントロールしない限り身体疾患は完治せず、軽快しても再発を繰り返してしまうことになります。なので深刻な人は、医師から心療内科を受診することを勧められる方もいるそうです。また、身体疾患が完治しないため、※ドクターショッピングを繰り返したり、治療をあきらめているうちに状態が悪化し、入院治療などの本格的な治療が必要になってしまうこともあるそうです。

 ※ドクターショッピング (英語: Doctor shopping) とは、精神的・身体的な問題に対して、医療機関を次々と、あるいは同時に受診すること。

 

失感情症の完治に向けての心構え

失感情症の状態にある人々は、自分の感情を自覚しにくいため、心療内科でも治療が進みにくいことが少なくないそうです。医師やカウンセラーに感情を聞かれても、自分の感情が分からないので答えようがない、事実については詳細に述べるが、「そのときにどう感じたの?」と質問されると答えられない、胸襟を開いた会話ができないため医師やカウンセラーとの間に信頼関係を築けない、こうした状況が生じやすいためです。したがって失感情症の方は、言語によるカウンセリングのみでは、表面的な会話に終始しやすく、治療効果が上がりにくい場合があるようです。

 

最後に

自分の内面に目を向けようとせず、感情に気づくことを回避している現状では、感情の言語化を促してもうまくいかないものです。そのため、まずは身体にアプローチし、ストレスを癒していく方法が採用される場合が多いようです。たとえば、自己催眠法である「自律訓練法」を行ったり、呼吸法などのリラクセーションを試みて、心身の緊張を解消するという方法です。失感情症は、人によって原因が異なります。幼少期のトラウマや親子関係に端を発している場合、長い時間をかけてその心の傷を癒していくアプローチが有用になることもあります。いずれにしても、身体症状がなかなか改善せず、感情を意識しにくい場合には、心療内科やカウンセリング機関を利用して、相談されるといいでしょう。