松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

軽視すると命取りになる歯周病の恐怖

 

f:id:rjmatsumura:20181110163255j:plain

 以前から少し気になっていたのですが、最近やたら歯磨き粉や歯ブラシの宣伝が多いように感じる今日この頃です。そういえば、去年か一昨年かよく覚えていませんが、知覚過敏の治療で歯科医院に行った時の事です。治療中僕を診察してくれた先生が、「最近は歯科医院が増えてきているわりに虫歯患者が減っているですよね~・・・。」と言っていたのをふと思い出した。その当時の話では、治療薬が進み虫歯になる子供が、いないとかなんとか言ってました。そこで今回は、いまどきのオーラル事情について気になり早速調べてみる事にしました。

 

減り続ける虫歯の子供達の代わりに

  昔に比べて子供の虫歯がやはり減り続けていたようです。まず、子供のマストアイティムでもあるお菓子を食べさせない親が増えているそうです。それに色々なデンタルケアメーカーからフッ素入り歯磨き粉も登場したことで患者は激減した原因が容易に推測できます。しかしここで問題なのが、子供の虫歯ではなくむしろ大人それも中年以降の歯周病に気をつけなければならない事態になっているのです。

 

虫歯と歯周病の大きな違い

 当たり前ではありますが、虫歯は歯をむしばんでいきます。そして歯周病は歯ぐきなどの組織が壊され、最後には歯が抜け落ちる病気の事を言うのです。聞くところによると少し前まで歯周病は歯の病気であり、内科や外科は一切無関係と思われていました。当然、僕もそう思っていました。ところが、あるお医者さんが、人工血管手術で取り出した古い血管を研究したところ、全身の血管に歯周病菌が潜んでいる事がわかったそうです。

因みに口の中の細菌は、歯を磨く人でも1000億個あるとされています。たとえば、あまり磨かない人だとその5倍の5000億個になり、ほとんど磨かないとこれはもう驚きの10倍の1兆個にもなると言われています。中でも口内の細菌のうち、注目されているのがレッドコンプレックスと呼ばれる

  • P.g.菌(Prophyromonas gingivalis)
  • T.f.菌 (Tannerella fosythia)
  • T.d.菌(Treponema denticola)

上記の3種類であり、これらはさまざまな接着分子を細胞表面に持っていて、歯ぐきや口腔粘膜に付着するそうです。そして細菌からは歯を取り巻く歯周組織を破壊する毒素が産生され、重症になれば、やがて歯を脱落させてしまう恐ろしい菌だそうです。これは、口腔ケアを怠ると活発になり、歯ぐきから体内に侵入して全身に回り、体内の血管の壁に住み着くと、その部分の動脈硬化を進めるという世にも恐ろしい症状へと進化するのです。

 

歯周病から突然死に繋がる可能性も

 体の中を駆け巡っている全ての血管は毛細血管、静脈、動脈も含めもともと軟らかいものだそうです。しかしそれが、血管に内側から高い圧力がかかり続けることで、血管の壁が伸びて動脈瘤を形成するそうです。この時、血管は壁を硬くすることで抵抗するのですが、硬くなった血管がプラークという塊となります。この塊が血液を流れにくくさせ、耐えきれずに破裂する事があるのです。そして最悪な場合破裂した瞬間に即死亡。いわゆる突然死へと繋がる場合もあるのです。つまりは、歯槽膿漏を作るだけだと思われていた歯周病菌が、血管や脳、心臓、肝臓などの臓器に悪影響を及ぼし、さまざまな病気を引き起こしているという訳なのです。

 

歯周病の患者が併発すると怖い病気とは

 そしてさらに怖いのは、歯周病が重症化すると血糖コントロールが利かなくなり、糖尿病にかかり易くなるそうです。歯周病自体をより重症化させるのも糖尿病であるなど、両者は悪循環をもたらすまさに、負のスパイラル関係といったところでしょう・・・。つまり糖尿病は、大病のスタートであり、その先にいくつもの合併症が待ち受けていると言う事なのです。それに歯周病菌による合併症はさまざまなようで、心臓の血管に入れば心筋梗塞に、脳の血管に入ると脳梗塞を招くと言われています。それにレッドコンプレックスの侵入経路により、狭心症や脳卒中や、くも膜下出血、大動脈瘤などの大病にも結びつくとまで言われています。そして、そんな合併症の一つに、「脳血管性認知症」という病気があり、脳の血管が徐々に詰まって脳の神経細胞にダメージを与えた結果、認知症になることがわかってきたそうです。この病気は、脳出血や脳梗塞を起こしたあとに発症しやすく、手足のマヒや感覚障害、記憶障害、言語障害などを引き起こすそうです。症状が進むと言葉が話せなくなり、食事さえままならなくなるとの事です。

 

最後に

 いずれにしても、高血圧や中性脂肪が高い人は、動脈硬化を予防するためにも歯周病の治療が欠かせないという事です。動脈硬化と診断された人や、脳梗塞や心筋梗塞を起こしたことがある人は、虫歯ではなく歯ぐきのケアに注意しましょう。朝と夜に隅々まで歯磨きをして、歯と歯の間は糸ようじでケアしましょう。マウスウォッシュをすれば口臭も減るので一石二鳥です。それと定期的に歯科を受診するのもおすすめします。以上のように口腔ケアも大切ですが、それ以上に重要なのはやはり生活習慣の改善でしょう・・・。歯周病菌などの病原菌への抵抗力を低下させるタバコをやめ、野菜などビタミンの豊富な食生活にするのです。今や高血圧や糖尿病と同じく、歯周病も現代の生活習慣病ですからね・・・。 

商品のご紹介 | 口臭、歯肉炎の予防には薬用リステリン®