松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

もらって落ち込むボーナスのからくり

 

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 さて、ボーナスシーズン真っ最中の今日この頃、ニュースでは軒並み大手企業でベアとなっているように聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか・・・。企業によって業績が低迷していれば、当然ボーナスがアップする訳も無く逆にドーンと下がったり最悪は、「無い」なんて事もあるでしょう。ボーナスは、全ての仕事で支給されているものではありませんが、たいていの場合勤めている限り貰える人はそれなりにいると思います。

そんな貰うと嬉しいボーナスですが、額面どおり貰えない事にテンションが下がる人も案外多いと思います。それにボーナスから引かれるものとはそもそもなんでしょうか。僕が昔イメージしていたボーナスは、宝くじの賞金のように額面のまま頂けるものと思っていました。なので税金や保険料などが一切免除されている形で支給されると勝手に解釈していたのです。 そこで実際にボーナスが出た時点で手元に残る手取り額の計算方法について調べて見る事にしました。僕自身も何となくは、理解しているつもりでも人に説明するとなるとやはり、調べない訳に行かないでしょう・・・。

 

ボーナスの額面と手取りの違いに落ち込む

 賞与の額面に比べて手取り額が少なくてガッカリしたところで実際に明細を見てもどんな計算がされてるかよくわからないし、「本当にちゃんと引かれているのか?」「もしや取られ過ぎているのではないか?」と こんなふうに思ってる人も多いのではないでしょうか。

 

改めて賞与から引かれるものを考える

 まず最初に賞与の手取り額を計算するには、賞与から何が引かれているのかを知る必要があります。以下の4つ主な対象になります。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税(源泉徴収税)

健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は、まとめて「社会保険料」と総称されていますが、但しそれぞれ計算方法が異なりますので、分けて考えなくてはありません。また、所得税は年末調整や確定申告までは暫定で徴収されています。因みに源泉徴収税が正しい呼び方ですが、ここでは所得税と呼ぶことにしましょう。

 

健康保険料の計算方法について

 健康保険料は、健康保険料=標準賞与額×健康保険料率÷2(注:健康保険料は会社との折半のため2で割ります。)ここに出てくる「標準賞与額」とは賞与額面から1000円未満の端数を切り捨てた額のことです(例:賞与額面41万6300円⇒標準賞与額41万6000円)となります。「健康保険料率」はここでは主に中小企業に勤めている人の加入する「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の例を挙げて説明しています。料率は協会けんぽホームページの「平成30年度保険料額表」 に記載されています。なお料率は会社の存在する都道府県によって異なります。

 

厚生年金保険料の計算方法について

 厚生年金保険料は、厚生年金保険料=標準賞与額×厚生年金険料率(18.3%)÷2(注:厚生年金保険料も会社との折半のため2で割ります。)計算には上記と同じく「標準賞与額」を使用します。なお標準賞与額は1回につき150万円が上限でそれを超える部分には厚生年金保険料はかからないので計算時には注意しましょう。また「厚生年金保険料率」は平成29年9月に引き上げが終了し18.3%で固定となっています。

 

雇用保険料の計算方法について

 雇用保険料は、雇用保険料=賞与額面×雇用険料率(注:雇用保険料計算には賞与額面を用いて計算します。)計算には「標準賞与額」ではなく「賞与額面」を使用するので注意しましょう。「雇用保険料率」は厚生労働省ホームページ「平成30年度の雇用保険料率について」を参照します。雇用保険料率は勤めている会社の事業形態によって異なりますが平成30年度は一般0.3%、農林水産・ 清酒製造・建設事業は0.4%となっています。

 

所得税(源泉徴収税)について

 所得税の計算は今まで計算してきた「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」がないと計算できないようになっています。なぜならば以下の計算式で算出するからです。所得税(源泉徴収税)=(賞与額面-健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の合計額)×源泉徴収税率となります。

注:健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の合計額を社会保険料と呼びます。

「源泉徴収税率」は「前月の給与明細」から「前月給与から前月の社会保険料を差し引いた額」を出したのち、その額と「扶養人数」から国税庁ホームページの「賞与に対する源泉徴収税額の算出率表」を用いて求めます。

 

最後に

 これで少しくらいは、何がどれくらいどう引かれているのかが、何となく分かったかと思います。実際に沢山もらっている人は、どれだけ差し引かれても大して気にならないかもしれませんが、殆どの人が、恐らくボーナスから差し引かれる諸費用に不満を持っていると僕は睨んでいます。しかし案外僕だけだったりして・・・?

標準報酬月額・標準賞与額とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会