松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

会社でのコミュニケーションは難しい

 

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人は勤めている限り毎日のように、上司に同僚、先輩に後輩と様々なポジションの人と接しなければなりません。その中で、最近時折耳に入ってくるのが、管理者側、いわゆる上司からの悩みで「若手社員とどのように接してよいかわからない・・・。」というヤツです。何か言うと直ぐに「それってパワハラですよ!」とか言われないかと、おちおち飲みにも誘えない・・・。というものです。確かに一昔前は、パワハラなんて行為は、そこらじゅうでありましたが、言葉として存在せずましてや諸悪の根源のような扱いをされるとは誰もが夢にも思わなかったと思います。そこで今回は、そうなってしまった社会でのコミュニケーションについて考えて見たいと思います。

 

誘いを断る権利が認められた時代に突入

 実際に世の中の風潮としては、仕事とプライベートは切り分けて、それ以外の付き合いは、ご法度のような感じになっています・・・。個人それぞれのライフワークバランスを重視する印象は確かに感じます。しかしながら実際にこのまま、割り切って人との距離を置くことが本当に理想的で正しいのでしょうか・・・?

 

若手社員もそれぞれの考えを持っている

 20代~30代前半の若手社員の考えのひとつとして、以外に上司から誘われないことに多少の寂しさを感じるというのがあるようです。それは何に対しての寂しさかというというと、社会人としての繋がりだそうです・・・。僕のイメージとして普通は、仕事が終わるとたまに会社の上司や先輩に飲みに連れて行ってもらったりする事を思ったりします。しかし現実はパワハラ呼ばわりされる事を恐れ、上司や先輩達が若手を誘わなくなっているそうです。そうなると若手社員達は、仕事中に思ったことを話すという機会もなく、いつまでも親しくなれず、微妙な距離を感じ続け、話かけることにすら勇気がいるという風になってしまいます。

 

会話不足から生まれる不協和音

 気軽に話しかけられないという事は、わからない事を職場で気軽に相談できる相手がいない、ちょっとした事を話す場がないという事です。要するに、わからない事があっても尋ねることに躊躇してしまうわけです。たとえば、若手社員が出社早々トラブルに見舞われ、いつ上司に指示を仰ごうかとタイミングを見計らっているうちに就業時間が終わってしまったなんていう事もあるかもしれません。そうなると、確実に業務効率は下がり、更なる不協和音が生まれてしまいます。日頃から上下関係のコミュニケーションが取れていないと、なんでもない日常会話や簡単な報告でさえ上司に相談をする事は難しくなってしまうのです。

 

パワハラの定義を再認識する

 日常会話が減ってしまったひとつの原因に、プライバシーに関わることを話してはいけないという間違ったパワハラ定義の解釈が浸透してしまった影響が考えられます。厚生労働省がまとめたワーキンググループの報告書によると、パワハラの定義として「プライバシーに関することに過度に関わること」という内容が含まれています。この「過度」が抜け落ちた状態で広まってしまったと推測されます。

 家族のことを聞こうが、休みの日の過ごし方を話題にしようが、まったく問題はなく、相手が嫌がるのに無理やり聞き出すとか、毎日毎日しつこく同じことを聞くとか「過度」にならなければ問題ないのです。

 

コミュニケーションの取れない人間を作り出す

 勿論、職場に雑談だけをしに来る訳ではありませんが、職務の話題しか交わさないような現場は、なかなかコミュニケーションを取るのが難しいかもしれません・・・。確かに学生時代とは違い、気が合うからとかノリで仲良くなるというのは、組織の中に入れば難しいものです。問題なのは、社会人になったと同時に一人暮らしをする人も増え、今日あったことを話す相手もいないなんていう人です。さらには、一人で過ごす時間が長くなればなるほど、他者との関わりに大きな壁が立ちはだかります。生まれつき社交的な人は、自分から声をかけて普通に人との交流できるかも知れませんが、それはあくまでも一部でしょう。

 

上下関係の再構築を考える

 そのような環境で、1日のほとんどを過ごす職場での悩みや相談をできるのは、やはり身近な上司や先輩だったりする訳です。お酒を飲んだり、ご飯を一緒に食べるという行為は、気持ちを緩め、職場を離れて気持ちも話し易くなります。頻度が高かったり、拘束時間が長いと別の問題が生じてくるとは思いますが、やはり、そのような仕事を離れての席を設けてみる事がいつの時代も大切だと思います。

 

最後に

 若手社員達は、本当のところ上司や先輩から誘って欲しいと思っているかもしれません。その理由に考えられるのは、「こちらからは誘えないので、声をかけてもらえたら嬉しい」とか「普段は自分のことを話すこともないし、聞いてもらえたら」もしくは「上司や先輩が普段思っていることや仕事についての思いを聞きたい」なんて事があります。コレは、誰もが抱いてきた会社の上司や先輩達に対しての希望だと思います。なので、必要以上に誘うことを躊躇することはないと思います。もちろん、相手のあることなので、強引にではなく配慮をもって声をかけるといいでしょう。

なかには、「絶対に行きたくない!」という人もいるでしょう。その場合たいていは、すでに上司や先輩との関係性が悪化しているケースです。「こちらの言い分に耳を貸さず、話を聞いてくれない」「要望に対して応えないばかりか、理由も教えてくれない」と受け入れてもらえなかったことが関係悪化の要因になっていることが考えられます。いずれにしても、話をする場、きちんと向き合う場を若手が必要としていることには変わりありません。なので、上司や先輩の皆さんは、頑張ってそ~と探りを入れながら若手社員を誘ってみては、どうでしょうか・・・。