松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

ごくごく普通な社員が増え続ける社会

 

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いつの時代もそうですが、社会では毎年入社してくる新入社員がいたり、百戦錬磨の超ベテランがいたりと、様々な年齢や性格の違う人間が一つ屋根の下で組織という枠組みの中大なり小なりストレスを抱えながら仕事をしていると思います・・・。そしてどんな職場にも問題児的存在はいると思います・・・。しかしこの問題児はたしてどう向き合えばいいのか手を焼いている人たちもまた、沢山おられると思います。場合によってはとても深刻な問題を引き起こす場合もあります・・・。そこで今回は、その対処法について色々考えてみました。

 

その都度言わないと動かない指示待ち社員

上司や先輩から指示をされないと行動しない、自発的に動こうとしない「指示待ち」若手社員は、いつの時代も一定数が必ずいます。厄介なのはここからで、最近の若手社員は、自分から「で、今日は何をすればいいですか?」と唐突に聞いてくるケースが増えているようです。確かに仕事のやり方にはある一定のルールや決まりがあり、そして概ねの正解がある訳ですが、どうやら若手社員は、上司や先輩はそれを最初から教えてくれるべきだと思い込んでいるようです・・・。だからといって、頭ごなしに「少しくらいは、自分で考えて動け!」と言っても解決にはならないのが今の世の中なのです・・・。

 

 

若手社員が思う指示待ちとは

指示待ち志向の若手社員は、決して手抜きをしようとしているわけではな無いそうです・・・。仕事ぶりに関しても非常にまじめで丁寧な若手社員が多いそうです。そんな若手社員の話に耳を傾けると、会社や働くことに対してとても冷めた見方をしているのが垣間見えます。近年のブラック企業問題、相次ぐ会社の不祥事などで、企業に対する不信感が煽(あお)られたことも一因かもしれません。このため今の若手社員は、仕事は生計を立てるためのただの手段としてとらえている傾向が強いと考えられます。一方、若手社員たちの上司にあたる団塊ジュニア世代の人達は、仕事を自己実現のための目的と見ているので、当然ながらギャップが生じます。さらにその上の世代は、仕事を手段と見てはいるものの、若手だった頃はまだ景気もよく、仕事そのものに面白さや意味を見出すことができた時代でした。ところが最近の仕事は、マニュアル化と細分化が進み、自分が担当している仕事が、大きな流れの中でどんな役割を占めているのかという全体像や、社会に対してどんな価値を提供しているのかというストーリーが描き難いと感じているはずです。さらに意義が見えない、つまらない仕事ばかりであれば、自発的に取り組もうというモチベーションは生まれず、気がつけば、指示待ちになるのもわからなくはありません・・・。

 

 

コミュニケーションが取れているポーズ

まず今の若手社員に欠けているのは、対話だといいます。その仕事が、会社の事業の中でどんな役割を担っているのか、社会にどんなインパクトを与えているのかという、社会的意義や文脈を、時間をかけて丁寧に伝えていく必要があります。「君は全体像の中で、重要な役割を担っている」とか「君がこの仕事をすると、こんな人がこうして喜んでくれる」という、本人を主語・主役にしたストーリーを創り出すのです。今の若手は摩擦や軋轢(あつれき)を避けようとする傾向が特に強いので、上司との関係性が冷えていてもコミュニケーションが取れているふりをするようです・・・。

 

 

最後に

指示待ち若手社員がいても、求められるままに細かい指示を出していれば、目の前の仕事は回ります。しかし、放置すると、本人も成長しないし、将来は会社が指示待ち社員だらけになってしまいます。緊急性は、ないものの近い将来必ず重要な経営課題として、どの会社でも取り組む必要がでてくるでしょう。