松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

解雇される側と解雇する側

 

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 遂に「令和」に突入いたしました。ゴールデンウィークも重なって行楽とも合わせて盛り上がっている人も全国的に多いでしょうね。そういえば僕の奥さんも、今日から会社の親善旅行で3日間の旅に出発してました。僕の会社はといえば、ここ数年慰安旅行らしきものに久しく行った記憶がありません・・・。「ま~そのうち景気が上向いたらあるだろう・・・。」くらいに思っていれば丁度いいかもしれませんね。さて今回は、そんなのんきな事を言っていられない深刻な人には深刻な問題について考えて見たいと思います。それはズバリ「解雇」についてです。そもそも解雇というのは、される側にとってはもちろんですが、する側にとっても負担が大きく、誰だって避けたいものです。しかし、正しく解雇ができなければ、その会社にとっても他の社員にとっても、そして解雇される社員にとっても不幸な結果をもたらす事になる重大事案なのです。

 

解雇は無理をしてでも早めに対応する?

 社員を解雇するのは中々大変なものです。気持ちの上でも、法律的にも、安易に社員を解雇する会社心証にも関わってきます。たとえば、「非情で不公平な解雇の判断がなされ、本当に仕事のできる人たちでさえ突然、クビになる・・・。」そんな風評被害が社内で起こりうる可能性がでてきます。そうなると本来のモチベーションである学びの向上心は減り、社員ひとりひとりの成長は鈍り、イノベーションは減り、パフォーマンスも下がり、社員は本来の力を発揮できなくなってしまいます。

だからといって、しないのはしないで問題でもあります。たとえば、社員の解雇をほぼしない・・・。そんな会社の社員達の思考は、できない人は、できなくてもいいのだと思いこみ、努力さえしなくなる。その一方で仕事のできる人は、できない人の負担を肩代わりする事になり、結局不満をためて辞めてしまう。そうやって、組織を悪い方向へとベクトルが働きはじめるのです。

 

無理しでも腐ったリンゴは処分する

 ここで考える正解は、とにかく無理をしてでもパフォーマンスの悪い社員を早めに特定し対処したほうが良いという事です。その理由としては、パフォーマンスの悪い社員本人にとって正しいことだからなのです。問題を早めに特定すれば、その人に対応する時間を与えられます。それともし本人が問題に対応しなかったりできなかったりで、いきなり解雇しなければならなくなった時に、ショックを弱められる効果もあるあらです。

 

残った社員にとっても正しい決断

 上司にとっても変なタイミングでクビを切ったら噂になりますし、残った社員全員の信頼を損なう事にもなりかねません。最悪は、解雇した社員に訴えられるリスクがあるのは言うまでもなく、訴訟となれば時間がかかり会社全体の士気も乱れるなことになります。また、会社にとっても正しいことでもあります。問題を特定し早めに手を打てば、訴訟リスクを大幅に減らすことができますし、法的書類を数カ月間も苦労して整える間も、彼らに給料を支払い続けなくて済むのです。それともっとも重要なのが、足をひっぱる社員を解雇するのは、卓越した仕事をしている人たちに対して公正なことでもあるのです。粗末な仕事ぶりに耐えることは、すばらしい仕事をしている人たちに対してフェアではありませんからね・・・。

 

正しい大人は見て見ぬふりをしない

 ある社員のパフォーマンスに問題があるとわかっても、誰に相談もせず自分1人でその処遇を決めなくてはならないと頑張る必要はありません。怒りに任せて誰かをクビにすべきではないのもありますし、かといって見て見ぬふりをして解雇を引き延ばすのもよくありません。時間をかけて上司に助言を求め、同僚に意見を聞き、答えを導き出しましょう。もしそんな人が社内にいない場合には、やはり雇用専門の弁護士に相談するか、経験豊富な管理職を見つけて助けを求めましょう。その上で堂々と正しい対処を進めましょう。

 

人格そのものを否定したと誤解されないように注意する

 人事と法務の助言にばかりとらわれすぎるのもよくありません。どうしたら相手が少しでも楽になるかをよく考えて話を進めましょう。それがとても難しいことでも、それなりのリスクを取らなくてはならないとしても、相手の将来のことを考えてあげましょう。たとえば、解雇の後、1カ月くらい経った頃にメールを出して様子を訊ねてみたりする。フォローもいい手だと思います。その人に合う仕事がないかどうか、そんなチャンスを取りこぼさないように気をつけてあげる。相手はこちからの連絡なんて欲しくないかもしれませんが、だからメールを送っても返事がなければそれ以上連絡する必要は無いのでメールでの連絡は、別段問題も無いでしょう。

 

最後に

 解雇を告げる上司も辛いですが、辞めさせられる本人は当然もっと辛いはずです。しかし、うまくいってないときに正しい決断をするのは、上司の立場である人の重要な仕事です。そして、誰かを解雇しなければならなくなった時に、上司として肝に銘じるべき事があります。それは、解雇しなければならないのは、その人がダメだからではなく、その人にとってその仕事がダメだったというだけの話だということなのです。もっと言うなら、その仕事を与えた人の責任でもあるのかもしれないのです。