松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

自分を確実にコントロールする術を学ぶ

 

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 僕達は何かひとつでも行動を起こす時、大なり小なり「さっ、やろう!」というやる気というよく分からないパワーを用います。そしてそんな人の潜在意識の中にある「やる気モード」ですが、いつでもどこでも簡単に出るもんではありません。なので当然やる気が出ないときもあります・・・。たとえば、つい最近終わったばかりのGWのような長期休暇明けの倦怠感(けんたいかん)で頭がぜんぜん働かなかったり、ゴロゴロ、ダラダラし過ぎて体が思うように動かなかったなどなど・・・。

そんな時、俗にいう「やる気モード」を自分でコントロールできれば、さぞかし効率的に動けるでしょう・・・。そこで今回は、そんな「やる気」のメカニズムについて考えて見ることにしました。そもそも、やる気とはいったいどのような現象なのでしょうか?やる気を出すときに人間の体の中でどんなことが起こっているのでしょう。そして「やる気モード」を、自由自在に自分でコントロールできるのでしょうか?

 

やる気のメカニズムを探る

 休日明けにいわゆるブルーマンデーにあたる週明けの月曜日、職場の机に座り、目の前の仕事を見てもやる気が起こらない。そんな経験をしたことは、誰もが経験していると思います。そしてこのやる気が起こらない倦怠感は、仕事の進行にも悪影響を与えてしまうためにシャレで済まされない場合があります。そもそもなぜ人はやる気がある時とそうでない時があるのでしょうか・・・。

少し専門的な話になりますが、まず、やる気において大きな役割を果たしているのが、中枢神経系の神経伝達物質である「ドーパミン」です。まあ一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?そのドーパミンの働きですが脳の中で、ドーパミンの科学信号がニューロンからニューロンへと伝達され、シナプス(神経細胞間あるいは筋繊維、神経細胞と他種細胞間に形成される、シグナル伝達などの神経活動に関わる接合部位とその構造に作用するそうです。報酬や快感、恐怖などの感情に関係する側坐核という神経細胞のドーパミン量が増加することで「やる気」が起こると考えられているようです。

 

積極的な人と怠ける人の違い

 米国にある某大学の研究チームによる研究によると、18歳から29歳までの「積極的に行動をする人」と「怠けグセのある人」の脳をマッピングし比較した研究の結果、積極的に行動する人の脳は、意思決定機能や運動機能に関係する線条体:せんじょうたい(運動機能への関与や、意思決定などその他の神経過程にも関わる部位)と、思考や創造性に関係する前頭前野:ぜんとぜんや(記憶や学習と深く関連しているところで、より高いドーパミンレベルを持っていたことがわかったそうです。

 

ドーパミンはストレスを感じても上がる

 逆に怠けグセがある人の脳は、感情や危険の知覚に関する前部の島皮質と呼ばれる箇所のドーパミンレベルが高かったそうです。島皮質:とうひしつ(意識や感情の源として機能しているとされる部位)のドーパミンが多いことが欲求の減少へとつながっているのだそうです。また、ドーパミンのレベルが低くても、積極性が減少する事も分かっているそうです。ドーパミンは、長い間ポジティブな感情に主に作用していると考えられていましたが、PTSD患者が強いストレスを感じた時にもドーパミンが急上昇することが確認されており、さまざまな感情に作用していたことが判明しているのです。

 

実践!やる気のコントロール方法

 「やる気」は、特定の脳の箇所にドーパミンが作用することで起こることがわかったかと思いますが、それでは、やる気を自在にコントロールするような方法を作り出すことは、はたして可能なのでしょうか・・・。そしてその答えはイエスです。がしかし、すぐにできるわけではなくある程度の訓練が必要となるようです。人の行動において、やりがいのある経験でドーパミンがもたらされるため、特定の環境を自分で構築し、繰り返し行うことによって、ある程度コントロールができるようになる可能性があるということなのです。

たとえば、仕事を細かく分割したやることリストを作成し、1つの作業が終わるごとにチェックをつけていくよういする。このような小さな達成感でもドーパミンは増えるとされています。また、全体ではなく作業1つ1つに集中することもドーパミンの増加に影響するのだそうです。ドーパミンの増加は健康状態にも左右される為、まずは健康的な習慣で生活を送ることが重要なのです。

 

10分未満の昼寝が効果的

 ドーパミンとは別に、短時間の昼寝も「やる気」を促すのに良いとされています。但し、10分ほどの睡眠でないとその効果はないと言います・・・。それ以上寝てしまうと、睡眠から覚醒状態(かくせいじょうたい)への切り替えがうまくできなくなる睡眠惰性状態:すいみんかんせいじょうたい(寝起きにぼーっとする感じが続く状態のことをいうになり易いため、逆に仕事の効率が落ちてしまうとされているのです。

 

最後に

 という訳で、やる気のある状態をトレーニング次第である程度自分でコントロールすることができることがわかりました。しかし、やる気をどんなに科学的に解析しても、本人がある程度行動しないとやる気を出すのが難しいことも、何となく理解できたと思います。どうしてもやる気を出さなければいけない時、まずは気持ちに勢いをつけることが最も大切なのかもしれませんね・・・。