松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

ネガティブな感情は操れる

 

 

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 電車の中で自分の持つキャリーケースを小さな声で「邪魔だな~」と言われてイラッとしたり、ようやく仕事の目処がつき休憩していると上司に気楽でいいね・・・。と言われ思わず「は~っ!!怒」とムカついたり、楽しみにしていた約束を反故にされたりなど何気ない日常の中で怒ったり落ち込んだりした時の感情を人はどのようにコントロールをどのようにするのでしょうか・・・?現実問題そういった負の感情にとらわれて、なかなか気持ちを切り替えられない場合、ついつい周りに嫌な空気を巻き散らしたり、身内や他人に八つ当たりしてしまうこともあると思います。そこで今回は、怒りや落ち込みを引きずらないために、どうすればいいか調べてみる事にしました。

 

なぜ負の感情が生まれてくるのか

 どうやら人の心の中にある怒りや落ち込みという感情は、誰かに怒られるといった自分以外の何かが引き起こす・・・。が故に生まれるものではないようです。怒りという感情は突きつめていくと、相手が自分のことをわかってくれない。という失望が引き起こすものなのです。一方、落ち込むという感情は、自分は駄目で価値の無い人間だ・・・。という思い込みが強くなり、自己肯定感の低下や自己無力感が引き起こすものです。理解してほしいという希望や、自分は駄目だ。という思い込みなど、自分の中から生まれる感情が怒りや落ち込みを引き起こしているのです。

なので負の感情は、ほかからの働きかけではなく、自分の中から生まれてくるものだと早く気付ければ、怒りや落ち込みを長く引きずることはなくなるはずです。しかし、怒りや落ち込みの感情にとらわれている最中は、正直言って冷静な判断ができず、なかなか自分で気づくのは難しいでしょう。そこで、そんな時に怒りの鎮め方、即ちアンガーマネジメントの方法をいくつか挙げてみましょう。

 

怒りや落ち込みの感情を封印する方法

 まず、自分が怒りや落ち込みの感情にとらわれ、冷静さを失っていると感じたら、次の2つをやってみましょう。まず最初にひとりになることです。そしてもうひとつは、大きく深呼吸することです。とりあえず自分自身に向き合うために、別部屋に移動します。トイレに入るなどしてとにかくひとりになりましょう。それから、大きく深呼吸をするのです。怒りや落ち込みを感じている時は、自律神経のうち交感神経が優勢になりノルアドレナリン(激しい感情などで出る交感神経の情報伝達物質)が放出されます。

それを抑えて体を回復させる状態、つまり心を平静に保つ副交感神経を優勢にするためには、深呼吸がとても有効なのです。深呼吸は何度もやることで、心のバランスを保ち冷静さを取り戻せます。ほかの人の目がある場所では緊張を感じて副交感神経が優勢にはならないので、こっそりひとりになることがコツです。また、感情的に怒ってしまいそうな時などにも効果があるようです。慣れてくると怒りを上手くコントロールできるようになるのでしっかりマスターしましょう。

 

怒りと落ち込みの自己分析をする

 ひとりになり深呼吸をすることで落ち着いてきたら、次の段階です。自分の怒りや落ち込みという感情に意識を向け、どう思ったから怒ったのか、もしくはなぜ落ち込んだのかを自問自答するのです。たとえば、上司に理不尽なことで怒られて落ち込んだリした場合、もしくはせっかく作ったごはんを子どもがうっかりこぼしてしまい怒っているなど、自分の嫌な気持ちが誰に対してなのか、どんなことなのかを、自問自答をしながら原因を探り当てるのです。

そして嫌な気持ちの対象がはっきりしたら、次は自分はどう思ってほしかったのか、どう伝えたかったのか、どうしてほしかったのかを明確にしましょう。たとえば、子どもにごはんをおいしく食べて欲しくて一生懸命に用意したけれど、それがかなわなかった。そのがっかりした気持ちが怒りへと変わったことが理解できます。そうして冷静に分析していくと、嫌な気持ちは不思議と薄まってくるのです。但し、自分に責任があると思い込みやすい人、もしくは自責タイプの人は、怒りが自分への強い失望へ変わることがあります。そうすると、自分は駄目な人間だ・・・。とさらに落ち込む場合も考えられます・・・。

そうならないために、自分を責めて辛くなったら、自分だけが悪いんじゃない。とあえて他責、自分以外に責任があると言いきかせます。私だけが悪かったのではなく、怒った相手もちょっと機嫌が悪かったし、あの態度もないよね~・・・。とチョッと思ってみましょう。そう言っているうちに、どう思って欲しかったか、どうして欲しかったか、どう伝えたかったのか、どうしてそう思われてしまったのかがだんだんとわかってくるはずです。

 

人は人、自分は自分と割り切る

 自分が怒りや落ち込みを感じた原因や、それによる負の感情を解き明かしていくうちに、はっきりしてくる事があります。まず今起こった嫌なことは、その時点での相手の価値観からくだされた判断であり、たまたま相手がその時、そう感じただけのことだと言うことです。

それは、本来の自分に対しての評価ではなく、一過性のものに過ぎないのです。自分は駄目で、わかってもらえない存在だと思い込んでいたことが、真実ではないとわかります。大抵の場合、嫌な気持ちを引きずる原因は、相手の言っていることや態度が真実だと思い込んでいるからです。そうすると、長くいやな気持ちを引きずり、立ち直れなくなるのです。

寝る前などは副交感神経が優勢になって冷静になります。そういった時、何に怒っているのかに焦点を見定めて、自責傾向が強く出てきたなと感じたら自分だけが悪いわけじゃないと言い聞かせましょう。自分を責める気持ちが薄まったら、次にどうして欲しかったのか、どうわかって欲しかったんだろう・・・。と自分を見つめます。そうすることで、嫌な気持ちを周りにまき散らすことが少なくなり、八つ当たりも減るはずです。

 

最後に

 ただし、他責の多用には注意が必要です。他責傾向が強くなってしまうと、落ち込んだ気持ちから復活するのも早く後に引きずらないと言うメリットがありますが、逆に反省の気持ちが薄まり、失敗は周りのせいだと攻めたてて迷惑をかける存在になる場合もあるからです。なので、自分の責任ではない・・・。と言い聞かせて気持ちを浮上させるテクニックは、もともと自責傾向が強く、一つつまづくとずっと引きずって周りに八つ当たりをして落ち込むタイプの人にのみ有効なのです。自分が自責タイプか他責タイプかがわからない時は、何かトラブルが起こった時、とっさに自分がどう思うかを思い出してみましょう。自分が悪いと感じる人は自責タイプであり、自分以外の人やものが悪いと思う人は他責タイプに分けられるでしょう。

どれくらい負の感情が続くかによって自責傾向が強いかどうかが分かります。落ち込みや怒りが3日以上続くなら自責タイプと言えるでしょう。また自責タイプの中でも、すぐに「悪かった、ごめん」と言えるのはプラスに働く自責で負の感情をあとに引きずらないそうです。何も言わずにしばらく怒っているのはマイナスに働く自責なので注意しましょう。とにかく自責、他責とも、それぞれに良いところもあれば悪いところもあります。要はバランスです。自分の怒りや落ち込みの感情は誰もがコントロールできるものなのです。コントロールの苦手な人は、しっかりマインドコントロールできる力を身につけてみましょう。