松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

人生100年時代の生き残り方を考える

 

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 日本中の皆さんもようやく人生100年時代というワードに慣れたのではないでしょうか・・・。確かに何となく「昔に比べて平均寿命が延びているな~・・・。」なんて思ってはいましたが、あからさまに政府から人生100年時代と言い切られたらさすがにビビりますよね。しかし、そんな事を言い出すのも無理が無いと思うような気になる数字です。総務省によると 平成31年4月1日現在で日本の総人口が1億2623万人で,前年同月に比べ27万人の減少 (-0.22%)しているのです。それに対して凄いのが、100歳を超える男女合わせての人口がなんと約7万人も存在しているのです。おまけにそれが48年間伸び続けているというからビックリです。そこで今回は、今後さらに長寿化が予想される日本人が、自身のキャリアにおいて、将来的どのようになるのが望ましいのかを考えて見たいと思います。

 

生きてる限り常にこれからの人生を考える

 これからの将来どうなりたいかという目標を持ち、計画を立て、働き方や、学び直しなどを考えざるをえない状況になりつつあります。当然、これからは65歳定年制や余生は年金で暮らす・・・。という過去の常識も見直さざるをえない状況にきています。そしてそんな人生100年時代が僕たち日本人に容赦なく襲い掛かろうとしています・・・。仮に75歳まで定年が延長されたとしても、人生100年時代を前提とするならば、さらに20年以上は年金をベースに自活しなくてはならないという覚悟が必要になることを肝に銘じましょう。

 

年金は無いと考えての将来設計をする

 現実的心が舞えとして、年金はほとんど当てにできないし、受け取るとしてもせいぜい5万〜10万円程度という覚悟が必要かもしれません。ゆとりある老後生活を送るためには、毎月約40万円ほど必要と言われます。しかし、年を取れば大きな病気をする可能性も高まりますし、老人ホームに入居するとなれば、入居一時金だけで約1000万円、毎月の居住費を含む生活費が20万〜30万円かかります・・・。一瞬多いと思う40万円という金額は決して贅沢できる金額ではなく、現役時代と同程度の生活水準を維持するために必要最低限の金額と考えなくてはなりません。

 

老後20年なら6千万円が必要?

 たとえば、夫婦2人で毎月最低25万円ぐらいは必要とした場合、これを年間にすると300万円になります。そして老後が20年間はあるとすると、6000万円は必要になります。コワッ!怖すぎる結論です。これだけの額を確保できる人は、サラリーマンではごく一部の層に限られるでしょう・・・。また、そういった人たちでも、現在の給与水準が退職するまで維持できる保証は無いはずです。仮に、今40歳ぐらいの人が、もらえる年金を考えずに、定年までの30年間で6000万円貯めるには、年間200万円、月々17万円弱を貯金する必要があります。そんな金額の貯金、本業だけではとてもできません。潤沢な老後資金のない人達は、確実に生活水準が下がります。質素な暮らしが維持できればまだよいほうですが、病気などしてしまったら、一気に生活は困窮してしまいます。

 

最悪のシナリオを想像してみる

 たとえば、伴侶に先立たれた場合、とくに男性のほうは生活が乱れてすさんだ暮らしになるイメージがあります。想像するに量販店で購入したヨレヨレのフリースやサンダルを着用し、食事はスーパーの見切り品で済ます。昼から発泡酒やパック入り焼酎を飲んで酔い、テレビで時間をつぶす日々を過ごす日々が続く・・・。こうした貧困老人は今後激増する可能性が考えられます。そしてそんな生活を続けていると、家族や友人とも疎遠になり、最期は風呂場で孤独死・・・。そんな悲惨な最期を迎えない為にも、将来を真剣に考えなくてはなりません。しかし、こうした動きに追い打ちをかけるように、政府は労働基準法を改正し、時間外労働の上限規制を打ち出しました。これまで残業時間は、月45時間、年360時間までとされていましたが、法的強制力はなく、しようと思えば、いくらでも残業することが可能でした。そこで今回の改正法では、法律により上限を設けたのです。大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から適用(特例あり)され、時間外労働は確実に減りますこれらは即ち、企業側がこれまでのように無制限に残業した分の残業代を払うことができなくなった、ということを意味しているのです。

 

経営者が望む人件費の削減とは

 残業時間の短縮化に伴い、実質的に給与が削減される人も出てきます。会社に所属していれば将来は安泰、という時代は、もう終わりを迎えているのです。時間外労働の上限規制は、表向きは働き方改革ということで、過度な残業はやめましょうということですが、企業や経営者の立場から代弁すれば、その本当の目的は人件費の削減です。サラリーマンだと、あと1時間残業すれば・・・。という考えは、どうしてもありますよね。でも、経営者としては、そういうことはもうやめさせたい訳です。今はまだ、月3万円とか5万円ぐらい残業代をつけて、それで手取りがやっと25万~30万円という人は、決して珍しくないでしょう。しかし、その残業代がなくなって手取りが20万円少々となると、かなり「ヤバい」状況です。月17万円を貯金する余裕なんか、夢のまた夢です。

 

 

最後に

 これからは、冗談抜きで80歳まで働くかもしれません。なので100年時代の到来を予測し、対応していかなければなりません。寿命が延びれば、仕事をする期間が長くなります。そして引退年齢が70〜80歳になり、長い期間働くようになるのです。90〜100歳で死ぬのが当たり前になれば、80歳ぐらいまで働くことになるのは、何ら不思議ではありません。要するに死ぬまで働くくらいの気持ちを持たないといけないでしょう。60歳で定年を迎えて、老後は悠々自適に暮らす・・・。なんてことを言っていられたのは、70歳ぐらいで死ぬ時代で、なおかつ高度経済成長やバブル経済の余韻がまだ残っていた時代、すなわち「日本が豊かだった時代」の話です。日本は先進国であるとはいえ、もはや世界をリードしているとは言えないでしょう。だからこそ、生涯働き続けることから逃れることはできないのかもしれません。