松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

ダメな会社の矛盾する社員への願望

 

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 僕の勤める会社もそうですが巷では、どの業界も人手不足で悩んでいるようです。厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況は、平成30年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍となり、前月と同水準となりました。また新規求人倍率(季節調整値)は2.41倍となっています。そして地方の有効求人倍率はほとんどの都道府県で1.2を超えており、100人の希望視野に120以上の仕事があるという状況にあるようです。

つまり、日本中どこにでも仕事があるという事なのです。ただその仕事をやってくれる人がいないというのがどの企業も頭を痛めているところのようです・・・。ではなぜやりたい人がいないのか。それは、ズバリ就活側からしてあまりやりたくない仕事ばかりが目に付いてしまっているからではないでしょうか・・・。

 

 

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たいしてやりたくない仕事だらけ

 それでは何故、これほどやりたくない仕事ばかりが目に付くのでしょうか?これについては2つの理由が考えられます。まず1つ目は働く人口減少です。とくに生産年齢人口の15~64歳くらいまでが大きく減っていることが挙げられます。人口減少の問題点は、幼年人口や高齢者人口ではなく、この生産年齢人口が急激に減っていくところにあるといいます。これは、もはや短期的に回復できるようなレベルをとっくに超えてしまっていると考えるべきでしょう。

そしてもう1つは、働き手が寄り付かない組織になっているということです。これは、地域間での情報格差や時代に逆行した人海戦術的な仕事が残っていたり、はたまた若者や女性に不当な人事制度が残っていたりすることによるものと思われます。要するに、マネジメントを行う層が優位だった時代に、働き手側の立場に立っていない言わば、身勝手な雇用モデルが未だ多数残っているからではないでしょうか。

 

インターネットの時代を受け入れられない企業

 そもそも、今はインターネットも発達し、全国での求人情報に簡単にアクセスして相互評価できる時代です。ということは、圧倒的に働く側のほうが優位に立っていることを意味しているのです。しかし地方の企業や規模の小さな企業などでは、こうした事態に気づいていないか、たとえ気づいていても放置しているので、必然的に敬遠され選択されない職場となるのです・・・。また企業の上層部が身勝手な話を平気でしている組織や地域からは、当然働き盛りである優秀な若者がいなくなっていくのは理にかなっています。

 

人手不足を嘆く都合のいい企業

 人が全く集まらず嘆いている企業に限っての矛盾だらけのビジョン・・・。

いい人材がほしいけど、給料はあまりあげたくない

いい人材が欲しければ、権限と報酬を与えることは当たり前です。


終身雇用はしないけど、会社には忠実でいてほしい

従来ならば終身雇用という安定性を担保していたからこそ、会社組織に忠実であることを要求できたのであって、雇用が不安定なのに忠実に働くことまで求めることは難しいでしょう。


即戦力になってほしいけど、教育投資はやりたくない

もし即戦力になってほしいのであれば、より優れた技術や経験を積める研修投資をしなくてはならないのに、それは個々人でやってね・・・。などと言って、できればおいしいところだけ組織で刈り取りたいということを平気で考えているところが怖い。


積極性がほしいけど、自分には従順に従ってほしい 

これから必要なのは、イノベーションだ! 従来と違う画期的な発想を持って行動する積極的な人材がほしい・・・。などと理想を並べておきながら、自分に逆らうような人は認めない・・・。というような訳の分からない思考は理解に苦しむ。

 

現実を見ない経営者達

 これからは、若者や女性の視点で働く環境を改善しないと、ますます人が来なくなります。と言ったところで、危機感の無い経営者たちは、逆にそもそも最近の若い世代は、苦労をしようとしない・・・。といった無茶苦茶な理屈で話で片付けてしまいます。しかも、最後には「最悪は、外国人労働者を入れていけば、いいだろう・・・。」と言い出す始末です。恐らくこんな発想になるのは、抜本的に仕事を変えたり、人事制度を変更するよりも、はるかに簡単だからでしょう・・・。しかし、これまでやってきた仕組みをまったく変えずに、仕事の引き受け手を探し続ける企業の将来性には間違いなく疑問符が付きますけどね・・・。

 

最後に

 結局のところ人が来ない、若者が悪い・・・。などと文句を言っているだけで、過去のやり方を変えようとしない組織や地域からは人が去り、今の時代に合わせ、働く側に沿った採用・雇用を推進すれば人は集まるということだと思います。そのためには、従来の仕事をそのまま次の世代に押し付けていては、企業が持続する可能性は担保されません。社員1人当たりの所得を増やしていく先にこそ、企業の未来があるのではないでしょうか・・・。