松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

社員が思う将来へのリアルな不安

 

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世間では、なんとなく年金の支給開始年齢が引き上げられるような雰囲気になって来ました・・・。そして一般的サラリーマンの定年が60歳から65歳へと引き上げられる過渡期に差し掛かっているともいえます。しかしながら、ほんの30年ほど前までは55歳定年が主流だった時代もありました。そんな55歳というボーダーラインは、実は今も存在している様で、今日では見えざる壁となって現役サラリーマンの前に立ちふさがっているのです・・・。たとえば、サラリーマンは55歳を超えると会社から戦力外扱いされるという話があるそうです。雑誌の特集などでも55~60歳の男性にアンケートを行ったところ回答数約3,000に対し、58.9%が55歳を境に下降線をたどり始めたと回答していたようです・・・。

 

現在の45歳が進む先にある10年後の壁

因みに今の45歳が55歳になった時に直面する10年後の壁は、いったいどのようになっているのでしょうか。現在の45歳は団塊ジュニア世代(1970年代生まれ)の中心あり、企業において最も社員数が多い世代とも言えます。そしてさらに問題は、そのすぐ上にバブル世代がいることで、会社にとってはお荷物であるシニア社員がぎっしり詰まっている状態なのです。当然の事ながら、今の55歳が直面している役職定年や常時リストラといった壁は、以前にも増してより高いものになると考えられています。そして、さらに10年後には、年金支給開始が70歳近くになるという世にも恐ろしい事情も絡んで来てるのです。

 

現実味を帯びてきた65歳定年制

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恐らくこれに伴い、法律が改正されて65歳定年制になっていくと考えられます。現に大手生保の明治安田生命保険も2019年4月から60歳定年を65歳へ引き上げるべく、労働組合との話し合いに入ったそうです。現状より5年後ろ倒しになるわけです。となれば再雇用制によって企業は70歳まで社員の面倒を見なくてはならなくなります。なるべく早く辞めさせたいという会社の意向は今以上に強く働くはずでしょう・・・。

 

どの企業も若者を大事にする傾向強くなる

日本の初任給は世界的に見ても水準が低く、世界トップのスイスと比べれば驚きの2.7倍もの開きがあります。そうなると大手メジャー企業として、これでは人材獲得競争に負けてしまうので、ヤフーやメルカリといった企業では現に優秀な新卒の初任給に100万~200万円ほど上乗せするという動きも報じられています。こうした傾向が今後10年のあいだに加速することは必至なのです。ということは、必然的にシニア層へしわ寄せがいくのは避けられない・・・となるのです。

ランキングの上位20ヶ国

米国ドル7月19日現在 113.04円

1位 $79,435 スイス 
2位 $57,932 デンマーク 
3位 $52,655 アメリカ 
4位 $52,036 ノルウェー 
5位 $46,578 ドイツ 
6位 $44,483 カタール 
7位 $42,466 スウェーデン 
8位 $41,583 オーストラリア 
9位 $39,523 アラブ首長国連邦 
10位 $38,635 イギリス 
11位 $37,917 フィンランド 
12位 $37,505 フランス 
13位 $36,909 カナダ 
14位 $36,442 アイルランド 
15位 $34,733 クウェート 
16位 $34,676 オーストリア 
17位 $33,319 オランダ 
18位 $32,423 ベルギー 
19位 $32,034 韓国 
20位 $29,128 日本

 

単純作業はすべて人からロボットへ

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あと、大事なのはAIの台頭という項目も付け加えておかなければならない事です。下位のAIとでも言うべきRPA(Robotic Process Automation)の企業への導入がいよいよ本格化しているようです。パソコンへの入力作業などを自動化する事務用ロボで、コストはバックオフィスの一人あたり人件費の10分の1程度と格安になっています。こうしたテクノロジーに仕事を奪われる55歳も増えていくと想定してまず間違いないでしょう。

 

最後に

実際、年金が70歳までもらえないとなれば、このような状況下でも会社に残って働き続けざるを得ないと考えるのが自然でしょう。しかし、その針のムシロのような環境は、それを経験してきた人にとってきっと尋常ではないはずです・・・。55歳で役職定年を迎えたとして、残り15年間を針のムシロの上で過ごすような人生に、果たして多くの人は耐えられるのでしょうか・・・。

役職定年制

役職定年制とは、部長や課長といった役職についている社員に設けられる人事制度です。設定された年齢に達すると役職を外れることになるもので、基本的にはある年齢以上の人が管理職でいることがなくなります。組織内の人事において新陳代謝を促すことを主な目的としており、管理職定年制度とも呼ばれます。平成22年度の人事院調査によれば、従業員が500人以上の企業のうち35.4%がこの制度を導入しているとのことです。