松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

頑張る人によくあるカフェイン中毒

 

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 昔バブル全盛期に、日本のビジネスマンはみなさん、限界を超えて働いたり遊んだりするために、栄養ドリンクやらコーヒーやらをガンガン大量摂取して眠気と疲労を吹き飛ばしていたものでした。この当時確か「リゲイン」のCMがよくテレビで流れていたのを記憶しています。よく考えてみるとこのCMにでてくる「24時間働けますか?」という当時のキャッチコピーは、今なら間違いなくコンプライアンス違反で即刻取り締まりの対象ですけどね・・・。それでも当時は当たり前の風潮で誰も気にしていなかったと思います。なのであの頃に頑張っていた人達は、結構カフェインのお世話になっていたのではないでしょうか・・・。

 

 

いつの時代もカフェインは社会人には必需品?

 現代でもコーヒーは、仕事現場や受験生にとって大切なリフレッシュアイテムには、違いありません。それと僕もそうですが未だに、朝の一杯がないと一日がはじまらない・・・。という人も多いのではないでしょうか。ここいちばん気合を入れて頑張りたいときはつい、コーヒーとかカフェイン含有量の多いエナジードリンクをつい飲んでしまうのではないでしょうか・・・。

 

摂り過ぎは死に至場合も・・・

 今からさかのぼる事2015年、当時カフェイン中毒による国内初の死亡者が出たという事件があったそうです。死亡したのは、福岡の24時間営業の店で勤務していた20代の男性だったとか。夜勤の眠気覚ましにカフェインの錠剤やエナジードリンクを死亡する1年前から日常的に飲んでいたみたいです。死因は、血液から致死量に達するカフェイン検出されたことが主な原因だったそうです。それに胃からはカフェイン錠剤とみられる粉末も見つかるなどしたため、急性カフェイン中毒での死亡と結論づけたとのことでした。そうしたことから当時、ニュースはマスコミ各社によって大々的に報じられ、コーヒーやお茶にも含まれる身近な成分・カフェインも、実は「飲み過ぎ危険」と注意喚起されていました。

 

中毒の基準

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 わが国には、「日本中毒情報センター」なる機関があり、その日本中毒情報センターによると、1g程度の摂取でも人によっては中毒症状をきたし、2gの摂取で多くの人に中毒症状が現れる。重篤な副作用が発生するのは5gからで、致死量は7gだという。重篤な症状が起きてくる5g以上のカフェインをコーヒーで摂るには50杯、含有量が高いエナジードリンクなら25缶、飲む必要があるそうです。この量を聞くと、そもそもそんなには飲めないから大丈夫と、他人事のように感じていると痛い目に合います。

 

自分は大丈夫と思わない

 今は、ネット通販で何でも気軽に買えてしまうという怖いところがあります。一般的に流通しているカフェイン製剤なら、50錠服用すれば比較的容易に致死量に達することになります・・・。さらに怖いのがコーヒー、エナジードリンク、カフェイン製剤をチャンポンで飲むとしたらどうでしょうか・・・?これはお酒と同じ理屈で、1種類ではなくビール、焼酎、ウイスキーと変えていくと、意外なほど飲めてしまうのと一緒です。眠気に負けず、しゃきっとしたい人たちが、知らず知らずのうちに致死量を超えたカフェインをいろんな方法で摂取してしまう可能性は充分に考えられるのです。

 

カフェイン中毒の若年化問題

 特に今、カフェイン中毒の問題点は、若者を中心に増加傾向にあるということです。自殺の方法をインターネットのサイトで調べて致死量を確認し、実行に及んでいるケースが多いというから驚きです。カフェイン製剤の大量服用をめぐるマスコミの報道に影響を受けて自殺志願者が増加する傾向にあることは決して容認できるものではありません。それに気になるのが心臓病による突然死です。それは実際にはカフェイン中毒からも起こりえる可能性があるからなのです。専門医によると、カフェイン中毒死は臓器に異常が見られないため、解剖しても分からないので見逃されているケースも多いといいます。日本では年間9万人くらいが突然死しているそうですが、そのうち心臓性(心筋梗塞など)が3分の2を占めています。次が脳出血や脳梗塞などの脳血管系の病気で10%強。その次が大動脈瘤破裂と続くそうです。

 

突然死の原因にカフェイン?

 要するに、突然死の大半は、心臓・血管系の病気から起こっていると言う事です。また、中等~多量のカフェイン摂取による中毒症状は、高血圧、低血圧、頻脈、不整脈、嘔気・嘔吐、興奮等々で、死亡例では主に心室性不整脈が関連しています。しかしながら残念な事に今の日本には、カフェイン血中濃度が測定可能な施設は限られているのが現状のようです。不審死として解剖に回されたとしても、血液検査をしない法医学教室は多く、そこで解剖されるとかなりの確立で見逃しが起きるのも事実だそうです。カナダの保健省 は今から10年ほど前に、健康な成人は最大400 mg/日(コーヒーをマグカップで約3杯)までとする・・・。という、食品中のカフェイン摂取許容量を設けたそうです。しかし残念ながら日本ではまだ、そうした目安は定められていないようですね・・・。

 

最後に

 仕事熱心なビジネスマンほど、眠気覚ましや集中力アップのために摂取量が増えていく傾向にあるものです。というのも、コーヒー1杯分にあたるカフェイン200mgを1日2回、14日間摂取継続すると、すっきりしたり集中力が高まるといったカフェインならではの効果に耐性ができてしまい、あまり効かなくなることがあり、逆に摂取しないと頭痛、眠気、気分不快、集中困難といったニコチン依存症の人がタバコを切らした時のような症状が現れることもあるようです。

そしていよいよ抜け出せなくなり、カフェイン依存症に陥ることも充分に考えられるでしょう。そんな事を言ってるお医者さんでも過酷な医療現場では、エナジードリンクを飲んでいると聞きます。普通ハードワークのビジネスマンが急死した場合、解剖も血液検査もしないまま恐らく心臓系の病死・・・。で処理され、カフェイン中毒の可能性はスルーされているはずです。しかしもしこのことが、事実として証明されたら、国も煙草の喫煙同様にカフェイン中毒対策に本腰を入れる事に期待したいと思います。