相手を怒らせない謝罪テクニック
日に日に寒くなって来ました。僕の住む亀岡は寒くなるとやたら霧が凄く、酷い時など雨でもないのに衣類が、びしょ濡れになるときがあるのです。
また、それを防ぐにも雨ではないので傘は無駄です。ミストの中にいるのと同じなので、上から下から横から前から背中から浸入してくるです。おまけに昼過ぎくらいにならないと太陽が顔を出してくれません。そんな僕は毎朝京都方面に通勤しています。そして「老ノ坂峠」を越えた辺りからようやく朝日が射しだします。
従って冬の間、天気の好い日の朝日は亀岡近辺では見れないという訳なのです・・・。そういえば、誰かが言ってましたけど亀岡の霧は、イギリスのロンドンを抜いたそうです。なんかよく分からないけど凄い・・・?さて今回は、仕事上のトラブルについて考えてみたいと思います。
たとえば、仕事で相手先と交渉中、なんとなく険悪な方向に進み、 二進も三進も行かず相手を怒らせてしまった・・・。なんてピンチに遭遇した事は誰しもあると思います。そんなときは、相手の意見に同調し、時には利用するとか、何か工夫してその場を和ませるなど様々な有効手段があるようなので色々と調べてみることにしました。
怒った相手に反撃してもムダ
ビジネス上のミスで、取引先を怒らせてしまった。当然相手は、こちらの非を責め続けている・・・。そんな場合、どのように対処をすればいいでしょう?
まず冷静に考えます。相手が自分を攻撃するとしたら、その対象となるのは自分の論理か自分個人かのどちらかだと考えられます。攻撃されれば僕達はつい反論したくなります。しかし、残念ながら反撃が功を奏することは滅多にありません。なぜなら反論された相手は、態度を一層硬化させてしまう場合がほとんどだからです。
それにもしその小競り合いに勝てたとしても、結局はこちらの負けです。そのころには相手との関係は、もう完全に修復不可能なほどのダメージを受けてしまっているからです。自分に屈辱を味わわせた相手の顔を、誰がまた見たいと思うでしょうか?ましてや、ほかの人の前で屈辱を味わわされたのならなおさらでしょう・・・。
問題をすりかえる
もし相手から攻撃されたときには、自分個人への攻撃を、自分が非難を受ける原因となった問題自体への攻撃にすりかえられるように、新しい解釈を付け加えることが非常に有効です。たとえば、よくある夫婦喧嘩の場合など「おまえは俺が家族を全然かえりみないと言が、俺だって自分の家族と十分な時間を過ごせていないことを申し訳ない思っている。なのでこうしよう!これからは頻繁に出張に出なくてもすむプロジェクトだけにかかわれるよう、最大限努力をしてみる・・・。」とま~こんな感じでしょうか。
苦情は相手の力を利用する
たとえば、自分が苦情を受ける立場だった場合には、攻撃した相手は当然、こちらが自己弁護をしたり反論をしたりしてくるだろうと予測しているだろうから、相手の意表をついて、相手に同意を示す作戦にでるのです。たとえば、こんな風に「おっしゃるとおりですね。私があなたの立場だったら同じように腹をたてると思います・・・。」そう言えば、相手は返す言葉を失うはずです。柔道の教えにもあるように相手の力を利用して技を仕掛けるのです。とにかくできる限り相手の意見に同意するようにしましょう。通常は、無愛想にすれば無愛想な反応が、攻撃すれば反撃が返ってくるものですからね・・・。
苦情のプロに教わる
コールセンターやホテルの職員など、苦情受付のプロの人達は、激昂している相手に対して「落ち着いてください」とは決して言わないそうです。それよりも彼らは相手に話させ、それに耳を傾けるのです。すると苦情を言う側はたいてい驚くのと同時にクールダウンし始めるそうです。トラブルのさなかにいて、自分はほとんど理解されていないと感じている人にとっては、予想外の対応だからでしょう。そして話をしているうちにネガティブな感情は消滅していき、徐々に苦情を言う側にも冷静さが戻ってくるそうです。
交渉中にネガティブな感情がわき起こったときには、相手に反論せず、常に冷静さを保つことが重要です。そのうえで自分の感情に見合った反応をしながら相手の感情に注意を払い、全体を見るようにしていれれば、交渉にかかわる感情に、適切に対処できるようになるでしょう。
言い訳の後に謝ると信頼を失う
それでは、どう謝罪をすればよいのでしょうか?そのことについてですが、何を隠そう子供はちゃんと謝罪の効用を知っています。謝罪するにはある程度自制心を働かせなくてはならないとはいえ、子供達は謝れば問題を解決できる・・・。と親から教えられるからです。ところが大人になると、僕達はいつの間にかそれを忘れてしまっているのです。謝罪は、相手のなかにあるわだかまりを解消できる唯一の手段なのです。
ことの大小を問わず、謝罪を受けなければ、相手はこちらへの報復感情をもたずに冷静な会話ができるようにはならないのです。海外の医療訴訟のお話にこんなのがありました。訴訟のうちの大半は、医者が患者に謝罪していれば起こさずにすんだようなものばかりだった・・・。というのです。要するに心からの謝罪をすれば信頼関係をまた構築できるが、言い訳ばかりでなかなか謝罪の言葉を口にしなければ、相手からの信頼を失ってしまうという事なのでしょう。
最後に
謝罪をするときは、責任を自分以外の何かに押しつけるのでなく、自分自身に非があることを認めたほうが信頼性は高くなります。つぐないのために苦行をする必要はありませんが、正直に相手に謝罪することは有効です。本当にこちらに非がなかった場合でも、せめて相手に不快な思いをさせたことを申し訳なく思う気持ちは伝えたほうがいいでしょう。「あなたは大事なお客様の一人です。私たちのアドバイスが行き届いていなかったようで、本当に申し訳なく思っています。」とか、「気分を害して申し訳ありません」だけでも充分有効です。
実際こちらに非がある場合は、それを明確にしたうえで相手の感情に理解を示すのが理想的な謝罪の仕方でしょう。「私の言葉が過ぎたせいで、あなたの気分を害してしまって申し訳ありませんでした。」そして更に謝罪のタイミングは早ければ早いほどいいでしょう。そのことは、複数の学術研究によってすでに証明されています。また謝罪をするときには、今後も同じことが繰り返されるのではないかと相手が不安にならないように、自分のミスは日常的なものではないと強調するのも忘れないようにしましょう。