松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

危険な高齢者が日本を席巻する訳

 

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 僕は、昭和生まれで丁度今NHKの連ドラで放映されてい「まんぷく」の少し後の時代くらいだと思います。ドラマでなテーマは、チキンラーメンが、メインになってましたが僕がインスタントラーメンを食べだした頃は、すでに色々種類があったような気がします・・・。話を戻しまして、その頃は、近所に怖いおじさんが一人や二人いたもんです。「このガキャ~!」と問答無用で怒鳴るおじいちゃんやとにかく自分の親以上に怒る人はいました。そしてそのタイプの人達は、現代社会において「キレる高齢者」と確立されているようです。そして厄介な事に高齢化社会の煽りを食って増え続けているそうです。それではなぜそんな短気で直ぐにキレる高齢者が増えるのでしょうか? そこで今回は、そんな危険分子であるキレる高齢者について考えて見たいと思います。

 

高齢化と共に増殖し続けるキレる高齢者に迫る

 最近何かにつけて高齢者の問題がメディアを賑わせています。平成28年版「犯罪白書」によると高齢者の検挙人員は,平成20年まで著しく増加していたものの,その後はおおむね横ばいで推移しているそうです。ただ他の年齢層と異なり,高止まりの状況なのが気になるところです。27年は4万7,632人(前年比0.8%増)であり,8年の検挙人員の約3.8倍となっていて,他の年齢層と比較して最も多のが現状のようです。犯罪にまで至るほどの深刻なケースではなくても、公共の場所や近隣住民とのちょっとしたトラブルによって、怒りが止まらなくなるほどののしり続けたり、恨みを募らせて嫌がらせを続けたり、といったケースなど陰湿なものも多くあるようです。

 

自分の存在感を歪曲してアピールしてしまう

 それではなぜ、これほどまでに高齢者の問題が増えているのか更に考えて見ましょう・・・。もちろん全ての高齢者の人を一括りにはできません。それに抱えている事情は人それぞれですす。たとえば、組織の中で敬われていた人が現役を退くと、周囲に気を遣われることが極端に少なくなり、人によっては、自尊感情を保てなくなる人がいるそうです・・・。おまけに老化によって体の自由がきかなくなり、健康や金銭的な不安も大きくなり、徐々に憂うつになっても不思議ではありません。そしてこんな不安が積み重なり、高齢者が、無意識のうちにキレてしまうスイッチを自ら入れるものと、思われます。

 

現代社会ののスピードに置き去りにされる恐怖

それともうひとつの要素として、社会の急激な変化も高齢者には大きなストレスをもたらしているかもしれません。その最たるものが、ITの進展やインターネットの普及という変化でしょう。ある調査によるとによると、2017年のスマートフォンの所有率は約78%、4人に3人がスマホを持つ時代です。なかでも、40代から60代の所有率が急伸しているようで、年齢を重ねてもIT機器を活用して生活していくことは避けられない時代に両足を突っ込んでいる状態なのです。オンラインで最新の情報とつながり、決済の多くがインターネット上で行われるのが現代のスタンダードです。非常に便利である一方、この流れに適応しにくい人、特にITの知識になじみにくい高齢者にとっては、生きにくさを感じる時代です。

 

昔と今の狭間に生きる高齢者

多くの高齢者が当たり前とするコミュニケーションやサービスのスタイル

  • 家族や知人に連絡をとりたくなったら、当然電話を使う
  • 買い物は、店舗に出向いて店頭にある品物の中から買う
  • 物やサービスの使い方は、人に教えてもらいながら覚える
  • 契約は紙ありで対面にて担当者に話を聞きながら行う

受け入れ難い現代ではコミュニケーションやサービスのスタイル

  • 家族や知人との連絡手段の中心は、SNSの(LINEなど)利用
  • 買い物は、ネットで多くの情報から価格や品質を選んで購入する
  • ネットで検索して使い方を調べ、それでもわからなければ人に聞く
  • 契約はオンラインで、複数の情報を見比べながら行う

上記のように、コミュニケーションやサービスの質が変化する過渡期には、新しい形態になじみにくい人は生活の不便さと同時に不安とストレスを感じやすくなるものです。確かに人は年齢を重ねれば丸くなり、ストレスをおおらかに受け止められるようになるイメージを誰もが持っていると思います。しかしどの年代でも、新しいことや慣れないことに適応するには多くの緊張と不安を伴うものです。それに新しい物事の習得に時間がかかる高齢者となれば、なおのこと緊張と不安を覚え、ストレスを感じることでしょう。

 

身近な仲間が問題を起こさない高齢者を作る

 またこの問題の背景には、日常で生じる小さなストレスを吸収しあう身近な存在が、不可欠です。たとえば、家族、友人などの関係性も大きく影響しているものと考えられます。身近な人との良好なコミュニケーションがとれていれば、社会の変化にストレスを感じても、ストレスを会話の中で吸収しあうことができます。しかし、キレるまでストレスを溜めているということは、それを吸収し合える人が身近にいないことが考えられます。たとえば、一人暮らしの高齢者で気軽に話し合える知人や友人と交流していない人は、身近な人と互いにストレスを吸収しあう機会が少なく、抑制できない自分を作り上げてしまう要素が高くなります。かりに家族に距離をおかれていれば、家庭内でのコミュニケーションが失われがちになり、その結果、苛立ちを外に向けて発散させてしまう、キレる高齢者に変身するのです。

 

キレる高齢者の怒りを封印するコツ

 それでは、キレてしまった高齢者に対して、周りはどのように対応すればよいのでしょうか・・・? 暴行や脅迫のように犯罪にあたるケースは当然の事ながら警察に連絡する必要がありますが、それほどではないケースには、以下の対応を試みてみましょう。

話を真剣に聞いてあげる

 不満がある人の話はしっかり受け止め、真剣に聴きましょう。その際には、表面的なクレームの奥にある感情に注目します。怒りが生まれる時は、その前にある怒り以外のきっかけになる感情があるはずです。それは、思い通りに物事が運ばないもどかしさかもしれません。物事の急な変更への戸惑いかもしれません。話し相手がいないことの憂うつ感かもしれません。こうした第一感情に注目すれば、爆発寸前で阻止できるはずです。

相手の要望を満たすとする姿勢で接する

 キレるほどの不満の奥には、〇〇したいとか、〇〇してほしいという要望があります。相手にはどのような要望があるのか、極力理解するよう勤めましょう。もちろん、その要望にすべて応える訳ではありません。こちらが提供できるサポートについて説明し、相手が自分自身で対処できること、求めるサポートを確認し理解と納得をしてもらいましょう。

 

最後に

 年齢を重ねれば自分自身も同じようなストレスに遭遇し、どうにもならない苛立ちを抱える日が来るかもしれません。コレは順番です。したがって、キレている高齢者の姿だけを見て、困った人だと敬遠するのではなく、その人が置かれている状況や思いを想像してみることが必要です。またこの問題は、家族だけで抱えないようにしましょう。家族は色んな意味で距離が近すぎます。なので、友人や人生経験が豊富な人に相談をすることで、上手いヒントが見つかることもあります。とにかく他者の良い知恵をたくさん参考にしながら、自分の周りにいるキレる高齢者と上手く付き合うことを考えていきましょう。