松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

本当にある夢遊病の原因と対策

 

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毎日睡眠時間が、少ないので今日こそは、早く寝ようと常々思っているのですが、どうしてもゴソゴソしているうちに夜更かししてしまいます。妻と子供は、別の部屋でとっくの昔に休んでいるのですが、時折寝言が聞こえてきます。まるで起きてるかのごとくはっきり話しているのです・・・。翌朝本人に確認を取ると一切覚えていないと言います。寝言とは、もともとそう言うものと思っていましたが、これがかりの起きてきて動き回られたら、さすがにチョッと心配です。そこで今回は、そんな独り言をとおり越えて夜中に徘徊する夢遊病だったら・・・。と気になり早速夢遊病について調べてみる事にしました。

 

夢遊病は大人から子供まで罹る可能性がある

映画やドラマなんかでよく就寝中にいきなりムクッと起きだしパジャマのまま裸足街中を「前へならえ」したまま徘徊するシーンを時々見ます。これってどうやら本当にある問題だそうです。実際にも睡眠中に起き上がり何かしらの行動をとって再び眠りにつく夢遊病という病気です。

 

 

夢遊病と書いていても夢は見ていない

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実際には夢は見ていないそうですが、その様子が夢の中をさまよい歩くようなイメージからなのか、この呼び名になっているようです。また、英語では "sleep walking" といい、この現象のもう一つの呼び名「寝ぼけ行動」となりよりリアルな表現になります。そして夢遊病は、医学的には睡眠時遊行(すいみんじゆうこうと呼ばれているのです。

 

 

睡眠障害としての夢遊病

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不眠症や過眠症をはじめ、睡眠に関するさまざまな障害の総称を睡眠障害(すいみんしょうがい)といいます。この睡眠障害のうち、睡眠中や睡眠と覚醒の境界状態で生じる様々な現象を総称して睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)パラソムニアと呼ばれているのです。なかでも、ノンレム睡眠からの覚醒時に起こる覚醒障害のひとつに睡眠時遊行症(すいみんじゆうこうしょう)いわゆる夢遊病があります。睡眠時遊行は、夜間に眠り始めてから最初の3分の1の頃合いに発生することが多いとされています。

症状として、寝床から急に起き上がって寝床を離れて歩き出し、服を着る、ドアを開ける、階段を上り下りする、別の部屋に入る、など様々な行動をとる他に、食べ物を食べることさえあるそうです。

 

 

夢にともなう行動ではない夢遊病

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睡眠に対しての情報としては、よく知られているところのノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)との睡眠サイクルによって構成されています。一般に、ある程度ストーリー性を持つ印象に残る夢というのはレム睡眠時に見ることが分かっています。一方、夢遊病を睡眠ポリグラフ(睡眠障害の診断に用いられる検査の一つ)で記録したところ、こちらはノンレム睡眠の深い睡眠時に発生していることが分かっているようです・・・。また、行動中に声をかけても目を覚まさないことの多い夢遊病ですが、夢とは関係なしに歩きまわっていると考えられています。因みに、ノンレム睡眠のステージ3と4とは、入眠後およそ1~3時間に集中して現れるとされています。

 

 

夢遊病とは

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睡眠時遊行もこの時間帯の発生が多く、目は開けているものの深い睡眠のままだといいます。睡眠時遊行は大体1回あたり15分くらい続きますが、まれに30分ほどの場合もあるそうです。睡眠時遊行が終わるころには自分のベッドに戻って再び眠りにつき、翌朝目覚めてもほとんどの場合その時のことは覚えていないといわれます。この辺は映画とかと一緒でまさに帰巣本能というやつでしょうね。

 

 

夢遊病は以外と子どもに多い

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睡眠時遊行は、歩くことが可能な年齢になったら、どんな子にも起こる可能性があるといわれるくらい子どもに多い現象だそうです。発症のピークはおおむね8歳~12歳で、子どもの場合ほかの睡眠障害よりも有症率が高いとされています。考えられる要因としては、子どもは脳の睡眠覚醒周期をコントロールする機能が未発達なので、運動を制御する機能だけが先に覚醒し、意識を制御する機能は眠っているためであるといわれています・・・。つまり、睡眠時遊行は睡眠障害というよりむしろ覚醒障害といえるわけです。12歳くらいまでの児童期の睡眠時遊行は、自然に回数と時間が減少して、思春期になるとほとんど消失するといわれます。なので、子どもの夢遊病については特別に病人扱いをしないで、遊行中の安全を注意するなどの配慮が求められるとの事です。

 

 

思春期以降から大人の夢遊病へ

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一方、思春期以降の睡眠時遊行は、積極的に治療を受けるよう推奨されているようです。例えば、睡眠遊行中に呼び止められ、抵抗して暴力を振るった場合、相手にケガをさせたり、物を壊したりする可能性があるからだそうです。他にも、車の運転や調理をするなど、覚醒しているときに複雑な行動ができる大人は、睡眠遊行中の行為も複雑になって大きな怪我や事故などを引き起こす危険性が高いからなのです。なので、睡眠外来など専門医の診察と治療が適切かと思います。普通、薬物による治療が一般的だそうですが、怪我をしないための予防策などもアドバイスしてくれます。因みに、ケガや暴力を伴う睡眠時遊行は男性に多く認められるとのことです。

 

 

最後に

睡眠の専門医によると、子どもの頃は発症しなかったのに、大人になって発症したケースでは閉塞性睡眠時無呼吸(へいそくせいすいみんじむこきゅう)や、てんかん夜間発作、さらに医薬品の影響といった特定の病気が関与している可能性も考えられるそうです。さらに、認知症の初期に初めて発症するという例もあるそうです。広く知られる夢遊病ですが、そのメカニズムはまだまだ解明されていない点も多く、とくに大人の夢遊病には十分な注意が必要かもしれません。これに痴呆症なんか加わったらとんでもないですね・・・。

参考資料:株式会社 とらうべ