松村堂

気になることは、気にとめる事にしました。

熱帯夜のエアコンを使った快適な睡眠方法

 

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 何となく都市伝説の如く、冷房つけたまま寝ると体に悪い・・・。を信じて、就寝時にエアコンを消してしまう人がいると思います。かくいう僕も今まではそうでした。しかし、それは異常気象が続く現代としては、命を危険にさらす行為かもしれません。専門医曰く熱帯夜であれば一晩中エアコンを使うことが望ましいとまで言い切っています。そもそも蒸し暑い環境で寝続けると、睡眠不足になるだけでなく、熱中症になるリスクも高くなるのです。そこで今回は、正しいであろう就寝時のエアコンについて調べてみました。

 

エアコン無しでも眠れた古きよき時代

 毎年異常気象と騒がれる昨今、特に今年は5月で真夏日を記録したこともあって、真夏の暑さを気にしている人も多いでしょう。昔と比べて日本の夏は、確実に暑くなっているような気がします。2018年に気象庁が公表した報告によると、日本の気温、特に首都圏をはじめとする都市部の気温は確実に上昇傾向を示しているようです。100年前と比べると、東京の年間平均気温は3.2度も上昇したといいます。

確かにどこの都心部でも、ビル街などは、風が吹くことも少なく、アスファルトからの照り返しも強いです。そして実際の体感温度は、テレビで見るさ天気予報の数値以上だと思います。ひと昔の人達は、「自分達の頃はエアコンなしでも過ごせていたものだ・・・。」という言葉を、よく耳にします。しかし現在コレだけ異常な気温上昇が発生するとこのような昔話が、年配の労働者に無謀な野外活動や労働による熱中症の多発を招いているかもしれません・・・。それに睡眠も同様に、変化しつつある気候の条件に応じた暑熱対策が必要だと考えられます。

 

夜の眠りが始まる時が大事

 蒸し暑いとぐっすり眠れない・・・。当たり前のことです。確かにそうなんですが、まずその前にエアコンや寝具など暑熱対策を考えてみましょう。それと合わせて人間の眠りと体温との関係もある程度理解しておきましょう。そもそも睡眠は体温調節と深い関係があるとされています。約24時間周期のなかで、深部体温(脳や内臓などの体の内部の温度)は夕方に最高値を迎え、深夜から早朝にかけて最低値をとるそうです。深部体温が示す夕方のピークを経て下降する時に、人間の夜の眠りが始まるといいます。そして深夜の最低値を過ぎて上昇に転じたときが、覚醒・起床のタイミングとなるのです。要するに体温が下降するときに睡眠は生じ、眠ることによって代謝活動が休止するためさらに体温低下が促進されるという仕組みです。

さらに人は、内部から外部に熱が放散されるときに、人は眠気が増大するのです。この基本原則が、睡眠と暑熱対策を考える際の重要な基礎となるのです。寝つき始めると、浅い睡眠から深い睡眠へと移行し、個人差はありますが20~30分程度で深い睡眠に入ります。深い睡眠に入ると、発汗量が増えて体温がさらに低下します。良好な睡眠を取るためには、皮膚からの放熱による深部体温の低下が非常に重要なのです。例えて言うなら赤ちゃんが寝付くとき体がポカポカ暖かくなるのと同じ原理ですね。

 

暑いと寝付けない原理

 蒸し暑さで寝苦しいときの睡眠は、意外なことに、寝つくまでの時間に大きな影響はないそうです。しかし、入眠した後に中途覚醒が増えてしまい、軽睡眠から深睡眠という自然な睡眠の流れが妨げられてしまうそうです。蒸し暑さに慣れてくれば大丈夫だ・・・。という頑固な根性論者も中にはいるかもしれませんけどね・・・。蒸し暑い環境では、皮膚拡張による熱放散では追いつかず、かつ多湿が発汗による体温低下をも妨げてしまいます。これから来る夏は、「暑い」だけではなく「蒸す」も、想定しながら睡眠を考えなければならないのです。

 

就寝時は最低3時間はエアコンをつける

 環境省はクールビズにおいて、冷房時の室温=28度を推奨していますが、これについて担当官僚曰く、科学的知見でなく、何となく決めた・・・。などと発言し当時ニュースになったそうです。確かにオフィスで28℃は若干高いと思いますが、寝室の温度設定の上限は28℃程度が医者によると中々良いそうです。あとエアコン使用の注意点としては、設定温度・時間、エアコンからの気流の3つに分けられます。低すぎる設定温度は、体温を過度に奪われる原因となります。寝苦しさのために途中から中途半端に使うよりは、就寝前よりオンにして寝やすくしておくなど、予防的に使用したほうが効果的のようです。

極端に言えば、夜中も30度に迫る熱帯夜が続く場合には、一晩中、エアコンを使うことが望ましいでしょう。もちろん涼しい地域によっては、タイマーで途中で切れる設定もありだと思います。それでも睡眠前半の徐波睡眠は確保したいので、睡眠前半の約3~4時間はエアコンを使用したほうがよいでしょうね・・・。

 

直接当たる冷風は体調を崩す

 エアコンをつけたまま寝ると、頭痛や身体のだるさなどが生じ、不調となる人がいます。原因としては、設定温度が低すぎること、あるいはエアコンからの冷風が体に当たり体温を奪われることが考えられます。冷風が直接当たらないように、眠る場所と気流の位置関係に注意しましょう。それに最近のエアコンは、つけたり消したりするよりも継続的に使用した方が、電気料金がかからない。人工知能も装備してたりで、睡眠中も快適な温度・風向を維持してくれる高機能エアコンもあるようです。古いエアコンを使っている人は、「まだ動くから大丈夫」とは言わずに、思い切って新調してみることで今まで以上の快眠が約束されるのではないでしょうか・・・?

 

寝具の通気性と吸湿性を意識しよう

 入眠が体温の放熱にかかっているので、寝具については通気性という特徴が最も重要と考えられています。理想的寝具とされるのは、やや固めで、通気性や吸湿性の優れたマットレス、布団ということになります。覚醒してしまう刺激にならない温度に冷却した冷却枕も、暑熱対策として効果的でしょう。もちろん寝具については、好き嫌い、合う合わない、という好みの個人差が大きいと思います。体格のがっしりした人は固めを、きゃしゃな人は柔らかめのマットレスを選ぶ傾向があるとはいわれるそうです。とにかく基本を押さえた上で、自身に合ったものを選ぶのがいちばんでしょう。

 

最後に

 一生の半分は睡眠といわれています。なので快適な睡眠をとるために毎年やって来る、この暑い夏をエアコンを武器に打ち負かしましょう。因みに我が家は、娘の部屋とリビングだけにしかエアコンがありません。なので僕の部屋と妻の部屋にはエアコンは無いのです。ただ僕に限っては、寒くなければ、たいてい寝落ちしてしまいます。夏場は、暑さに苦しみながら直ぐ睡眠に入り、朝は、少々暑くてもすっきり目が覚めます。妻もそんな感じではないでしょうか?なので我慢できなくなったらエアコンを買おうと思います・・・。